「黄金亥年」…日の出見物バトルツアー


「カイバイボー(じゃんけんほい)」。一発で勝負がついた。風呂敷をにぎった右手をさしだしたことが悔やまれる。ああ「日没・日の出バトルツアー」に、よりによって東海の海浜列車なんて…。後輩のホン・ヂヨン記者はチョキを出した手を誇らしく振りながら、ソレ島(瑞草区)を撮ってくると電車に乗った。新年早々に長距離の旅行になってしまった。「黄金亥年」に「駅馬煞(ヨクマサル)(忙しく動き回る悪運)」というわけだろうか。

■ シン・イクス記者「東海日の出コース」

  • 東海を行く海浜列車。 写真提供=コレイル観光開発


日の出ホットスポット「トンヘ(東海)」。それもよりによって「正東津(チョンドンジン)」だ。じつは記者にとってはつらい記憶さえあるところだ。たしか3年前だ。年末に初日の出を見に行ったが渋滞で立ち往生して、初日の出どころかブランチだけ食べて帰ってきたことがある。「じゃんけん」を悔やんでみてもしかたないが…髪の毛が抜けそうになるころ、幻想のような電話が一本。

「車なしに行って、車なしに戻る日の出見物コース。興味がわくでしょう?」

なんだって?正東津に車なしで行って、車なしに戻る?深く考えることもなしにすぐさま挑戦。方法は簡単だ。最近ホットな2つの列車に乗ればいい。最初の列車は「KTX京江線」。まっすぐ江陵駅まで行く。所要時間もたったの1時間30分。日の出見物は翌日とすれば良い。第二の列車は海浜列車。乗る場所もパーフェクトだ。さっきと同じ江陵駅。海浜列車の止まっているプラットフォームに向かって移動するだけという。


江陵駅から海浜列車が最初に出発する時刻は午前6時52分。ここを起点にきっちり21分後の7時13分、最初の停車駅の「正東津駅」に到着する。じつはこの海浜列車は国家代表級の「記録」を持つ列車だ。

まず「最多日の出族運搬記録」。 10周年を迎えた昨年までに、列車で運んだ日の出旅行族の数だけで135万人。年間10万人以上を運んだわけだから言うことなし。コースも記録的だ。海辺に最も近い駅としてギネスブックに載っている「正東津駅」で日の出を鑑賞した後、大韓民国で景観が最もすぐれている7番国道に沿って走る。列車が走る線路は言うまでもない。海とわずか10メートルしか離れていない、「海に最も近い線路」の記録を保持している。コースはまさに「作品」だ。江陵駅を出発して正東津駅を通り、墨壺(ムクホ=ムッコ)、湖東(ホドン)、東海(トンヘ)、湫岩(チュアム)、三陟(サムチョク)海岸を経て三陟駅まで58キロメートルを往復で行き交う。

  • 海浜列車の1・2号車特室 写真提供=コレイル観光開発



取材のために1・2号車へ移動。ここでは特室だ。座席が圧巻。全ての座席が窓に向かって置かれている。つまり全面ガラス窓を映画スクリーンとするならば、座席はそのスクリーンに向かっているわけだ。きちんと海を鑑賞するように構成した配慮だ。まるごと「一部屋」借りることもできる、秘密の部屋もある。名付けて「プロポーズ室」。つまり客車と客車の間に3~5坪そこそこの「長屋」を作っておいたわけだ。

列車の中をしげしげと眺めていると、いつの間にか正東津駅に。しかし日の出時刻である午前7時40分までは余裕がある。とは言え、今からが戦争だ。日の出ポイントを先取りする必要があるからだ。 SNSフォロワーの爆発ポイントは正東津海岸の南端、堤防の端にかかっている帆船カフェを背景にして日の出を見渡せるところだ。あえて探さなくてもよい。なにしろ人がいちばん多く集まるところだからだ。

20分ほど経っただろうか。零下10度の激しい風を突き抜けて、赤い気運が湧いてくる。 0.1秒程度で刹那的に「オメガ」記号を作り出した後、ホワ~っと円形が作られる。この時だ。願い事のゴールデンタイム。よりによって「大当たり」でも「常勝長躯」でも「無病長寿」でもない願いが飛び出した。 「2019年にはどうぞ、じゃんけんを上手にできるようにしてください」。

■ ホン・ヂ ヨン記者「ソウル近郊日の出見物コース」

  • ソウル市恩平区烽山の日の出公園から見た日の出。 写真提供=ソウル観光財団



毎経読者の中には「遠距離日の出」の代わりに、「超短距離半日外出」を好む向きもあるかもしれない。事実、ソウル近郊だからと馬鹿にしたものでもない。朝鮮朝は成宗(ソンヂョン)の時代、徐居正(ソ・ゴヂョン)はソウルの日没風景を「楊津落照(ヤンヂンナクチョ)」として、朝鮮八道で最高の夕日にあげている。

ちょっと徐居正の記録した場所を見てみよう。「日当たりの良い」陽平わきの安養川の川辺には牧草地のモクトンがあり、近くの日光をよく受けるファゴク(禾谷)は穀倉地帯だった。日がよくあたるカヤン(加陽)の隣には、陽の光が良いことから塩がよく保存される「ヨムチャン(塩倉)」があったが、西海(黄海)につながる漢江の要所であるこの一帯は日没の風景が最高だった。いまの私たちに馴染みのモクトン、ファゴク、カヤン、ヨムチャンの4ヶ所が最高の日没スポットだったわけだ。

記者は地下鉄6号線に乗った。ソウル周辺の日没・日の出ポイントの中でもあまり知られていない恩平区の烽山(ポンサン)日の出公園ツアーだ。下車ポイントは亀山(クサン)駅。 3番出口を出て守国寺まで25分ほどを歩くと烽山の入口だ。



烽山は「烽(のろし)」の山。ご存知の通り、烽火台(ポンファデ)の「烽(ポン)」だ。朝鮮朝時代に火や煙で各地の道城に消息を知らせる烽燧台があった山というので烽山に至る。漢陽(ハニャン)西側の尾根の毋岳(ムアク)ポンス(現在の鞍山)につながっていた烽山の烽燧台はいまは無くなった。頂上には新たに復元された2つの烽が過去をしのばせている。「鳳凰」を意味するという説もある。左右に伸びた山脈の形状が、まるで鳳凰が翼を広げて座ったような形だというので鳳領山とも呼ばれた。

電車に乗って行くコースも短時間でいいが、この烽山の高さも絶妙だ。頂上まできっちり207メートル。東海まで行って帰る時間でたっぷり6回は上り下りすることができる。しかし覚悟はしっかりと。このちょっとした可愛らしい烽山ハイキングコースは、しかしアップダウンが激しい。

今回の日没・日の出コンセプトは当然、無条件で難易度「下」コースだ。守国寺を通って烽山に直行。女性の足でも40分あればオーケー。山の頂上には烽燧台と「ポンスヂョン」と名のついた亭子が向き合っている。電車30分と登山30分できっちり1時間ほど後には日没・日の出を見ることができる、このような素敵なマルチスポットがソウルにあるなんて。北に首を回すと北韓山の稜線が壮快に伸びていて、その下にゆったりとひろがるソウル市内の姿が一望できる。

一年を送る落照の名亭は無条件にのポンス亭だ。年末に見下ろすと漢江方向に空を赤く染めながら広がる夕焼けを鑑賞することができる。

▲ 海浜列車楽しむTip=撮影ポイントもお見逃しなく。さまざまなトリックアートとフォトゾーン、LED照明が通路の間に施されている。詳しい利用案内はホームページまたは電話で。日の出ウォッチングなどの海浜列車パッケージ旅行はコレイル観光開発に。

▲ 烽山を楽しむTip =撮影ポイントは山頂に新たに復元された烽燧(ポンス)2つのあいだから日没・日の出を撮る。問い合わせは恩平区文化観光へ。亀山駅3番出口を出て守国寺方向に歩いて25分ほど。ソウル観光財団は烽山のほかに△瑞草区のソレ島(日没+夜景ポイント)などを日の出ポイントにあげた。
  • 毎日経済_シン・イクス旅行専門記者&ホン・ヂヨン ネイバー旅行+記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2018-12-28 20:51:38.0