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韓・日関係にもびくともしない「新韓流」


韓国に対する安倍晋三日本政府の経済報復措置が両国間の感情の谷を深くしている中で、日本国内のKポップと韓国文学に対する人気には揺れがない理由に関心が集まっている。政治に無関心な「さとり世代」(得道した世代という意味、1986~2000年代初頭生まれ)は民族主義に関係なくコンテンツを消費するという分析とともに、韓流が過去に比べていっそう強くなったという解釈が提起される。

9日の日本のオリコンによると、防弾少年団(BTS)はオリコン週間シングル(1~3曲が収録されたアルバム)のグラフでトップを占めた。去る3日に発売された『Light/Boy With Luv』が総62万1000ポイントを記録し、歴代海外アーティストのシングル初週発売で最高記録を立てたのだ。

今回のシングルには希望を与える新曲『Lights』と、世界的に人気を集めた『Boys With Luv(小さきもののための詩)』『Idol(アイドル)』の日本語版が収録されている。去る1日、日本政府が自国企業の対韓国輸出規制計画を発表した後は反韓感情が大きくなるはずの雰囲気なのに、Kポップブームには大きな影響がない。これに先立って防弾少年団は去る6・7日、大阪のヤンマースタジアム長居で開催したコンサート「ラブユアセルフ:スピーク・ユア・セルフ」も10万人が集まって大変なにぎわいを成した。

Kポップの火力を誇示しているグループは防弾少年団だけではない。ガールグループIZ*ONE(アイズワン)は先月26日に発売した第2の日本シングル『Buenos Aires(ブエノスアイレス)』でオリコンデイリーシングルチャート10位を走っており、OH MY GIRL(オーマイガール)はデイリーアルバムランキングで4位を記録している。ボーイズグループのWINNER(ウィナー)は3日を皮切りに日本ツアーコンサートに突入し、7つの都市で総9回のステージを行う。この他にも韓国ドラマ『ボイス』の日本リメイク版が13日からNTVで放映され、『82年生まれ、キム・ジヨン』と『私は私として生きることにした』などの韓国本が人気を集めるなど、日本国内の韓流は文化の全領域に広がっている。

これは過去に両国間の政治摩擦が韓流の低迷で続いたこととは対照的だ。 2012年8月に李明博前大統領が独島を訪れた後に嫌韓の気流が強くなって、しばらくのあいだ韓国芸能人の放送出演が禁止されるなど、日本国内のKポップは萎縮した。しかし、現在の日本の若年層は政治問題とコンテンツ消費を接続させないように見える。昨年の末にも極右勢力が防弾少年団とTWICEを非難しながら嫌韓気流を造成しようとしたが、これらのチームの人気に大きな変動はなかった。

このように日本国内の韓流に対する消費の局面が変化した理由は、いっそう強くなったKポップの波及力に見出すことができる。音楽評論家のファン・ソノプ氏は、「Kポップが1つのコンテンツとして持つ位相が高まったため、嫌韓の影響を受けにくいようだ」とし、「Kポップと日本のメディアの間のビジネス関係も以前よりもはるかに強固になった状況であるうえに、Kポップが世界に認められているだけに現地メディアでも直接攻撃を行うことは難しい」と説明した。

今の20~30代がKポップを幼年期から受け入れたことも一役買ったという見方もある。ソウル大学日本研究所のナム・ギジョン教授は、「日本の若い世代は子供の頃、親が『冬のソナタ』と『宮廷女官チャングムの誓い』を視聴する姿を見て育った」とし、「生まれた時から韓流が生活の中の奥深くに入っていて、小学校の頃にKARAと少女時代(Girls' Generation)を見たし、高校の時はTWICEと防弾少年団を経験した」と言う。

文化強国としての韓国の地位が高くなったからだという解釈もある。ソウル大のクァク・クムヂュ心理学教授は、「文化コンテンツを消費するときに、そのコンテンツが作られた国の地位に対する判断が入る」とし、「防弾少年団をはじめとする韓流が世界的に影響を及ぼしているので、日・韓両国の外交とは関係なく受け入れている」と評価した。

日本の「失われた20年」に生まれた「さとり世代」が、政治問題に対して以前ほどの関心を見せない影響もある。ナム教授は「日本の韓流の街には最近でもヘイトスピーチ(特定集団に対する嫌悪発言)を行う人がいますが、最近の若者たちはこれにかかわらず観光やショッピングを楽しむという」と言う。

ただし、文化界では日本政府の経済報復が業界全体に幅を広げることに対する警戒も緩めていない。専門家らはSM、YG、JYPなどエンターテイメントビッグ3の株価が一週間前に比べて小幅で下落したことにも、日本発の悪材料に対する不安心理が多少は反映されたと見ている。某エンターテイメント会社の役員は、「今すぐには日本市場でとくに打撃を受けていない」と言いながらも「事態が長期化し、韓国文化に対する全般的な拒否感が広がらないか懸念される」と打ち明けた。
  • 毎日経済_パク・チャンヨン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2019-07-09 19:15:19




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