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2019年韓国文化芸術界「10大事件」


  • 2019年韓国文化芸術界「10大事件」

「大変だが頑張れと言われれば力が出ますか?違いますよね。頑張れという言葉よりも、私は『愛している』と言ってあげたい」。人ではなくペンギンの「ペンス」に魅了さえるとは想像もできなかった。ペンスの暖かい慰労に癒されて、彼の顔が描かれた商品に財布を大きく開いた。

今年の文化芸術界はペンスだけでなく、カンヌで「パルム・ドール」を受賞した映画『寄生虫』、ビルボードで3回目の1位を占めた防弾少年団、韓国絵画100億ウォン時代を開いた金煥基の青い点描画『宇宙』など、想像もできなかったことの連続だった。

もちろん想像もできなかった操作と堕落で国民の公憤を買ったオーディション番組「プロデュース順位操作事件」と、「バーニングサン事件」もあった。

毎日経済新聞文化部が「想像もできなかった2019年」を作った「文化芸術界10大事件」を選定した。

◆ 想像もできなかったパルム・ドール受賞『寄生虫(パラサイト)』

韓国映画が100年めで念願をかなえた。今年の5月に開催されたカンヌ国際映画祭で『寄生虫』は最高の栄誉であるパルム・ドールを手にした。タランティーノ監督などの錚々たる候補をすべて抜いて手にした快挙だ。カンヌでの試写会の直後に好評があふれ出たときでさえも、「キムチグクはやめておこう」という雰囲気が大勢だったことを勘案すれば、国民の期待を大きく超えた受賞だった。

『寄生虫』は評論家と一般の観客の両方を満足させた。現在までに全世界で1億2000万ドル(約1400億ウォン)という記録的な興行収入をおさめた。劇中のジェシカが歌った「ジェシカジングル」の模倣は、しばらくのあいだ世界のソーシャルネットワークサービス(SNS)のトレンドだった。次の舞台は2020年2月9日に行われるアカデミー賞だ。韓国初の受賞を越えて、多冠王に上がるという予想も出ている。

◆ 想像もできなかったビッグヒット...防弾少年団ビルボード3連続1位

全世界で最大のファン層を誇る防弾少年団(BTS)は、今年も新しい歴史を書いた。米国で最も多くのアルバムを販売した歌手を象徴する「ビルボード200」で3連続1位に上がった。米国メディアはBTSを「ポストビートルズ」と褒め称えた。

ワールドツアーでも世界トップクラスのポップスターの地位を誇った。クイーンやビートルズなどポップ界の伝説が公演した英ウェンブリー・スタジアムで韓国歌手初のコンサートを開いたし、保守的で閉鎖的なサウジアラビアで外国歌手では初のスタジアム公演を繰り広げた。BIGHITエンターテインメントは6ヶ月間続いた防弾少年団ワールドツアーで、チケット収入だけで1362億ウォンを稼いだ。関連商品までを含めると売上げは2000億ウォンを超えると推定される。

◆ 想像もできなかったスーパースター...ペンギンのキャラクター「ペンス」突風

種の境界をこえた「ペンス」は、今年最高のスターだ。南極から韓国に来たペンスは、EBSの練習生として最高のクリエイターを夢見る。彼の目指すは防弾少年団だ。所属事務所の代表である「キム・ミョンジュン」社長の名前をむやみに呼ぶ読経に加え、「世界に友人は多く、地球は広い。愛する人に会え」などの特有の名言で爆発的な人気を集めた。ペンスのエッセイダイアリー『今日もペンス、明日もペンス』は予約販売開始から10分で完売したほどだ。放送局や広告業界の渉外順位も1位に名前を上げた。 英BBCや香港のサウスチャイナ・モーニングポスト(SCMP)などの外信までが、韓国人の老若男女すべてに爆発的な人気を呼んでいるペンスを紹介した。

◆ 想像もできなかった収益率...1600万人観客『極限職業』

これは映画なのか、ロト(宝くじ)なのか?今年の初めに公開された『極限職業』は95億ウォンをかけた作品だが、入場券収益だけで1400億ウォンを稼いだ。1300%を超える収益率だ。観客1600万人を集めて今年のボックスオフィス1位に上がったし、IPTVなどのTV VOD市場でも最も多く見た作品になった。

誰も想像できなかった『極限職業』の超大当たりの秘訣はギャグ攻勢だ。笑わせたかと思うと一回ずつ泣かせる韓国コメディーの慣習に従う代わりに初志一貫、ユーモアだけで勝負した。テレビのコメディ番組が低迷して生じた国民のコメディへの渇きを『極限職業』が解消したという評価だ。

◆ 想像もできなかったベストセラー...『90年生まれが来る』人気

『90年生まれが来る』(ウェイルブック社発行)は昨年に出版されたが、今年最大の社会的反響を起こした本だ。「9級公務員世代」を一つ一つ解剖したこの本を企業の部長連中が先を争って読んだことから、35万部以上も売れるベストセラー(教保文庫年間総合4位)となった。シンドロームのピークは「ムンプ(ムン・ジェインプレジデント)セラー」の登場だ。文在寅(ムン・ヂェイン)大統領が今年の8月に「みんな読んでみたら良いかもしれない」と、青瓦台の職員に本をプレゼントした後、販売部数が急激にのびた。

1980年生まれの作家イム・ホンテク氏が出したこの本は、1990年代生まれの特性を「簡単さ、率直さ、ピョンマ(きしょい)」で分析する。聞き取りにくい略語を乱発して、格好悪く脈絡もない話に熱狂し、会社や製品には率直さを要求し、組織のメンバーにでも消費者にでもホグ(騙されやすい人物)になることを拒否した90年代生は外界人ではないと弁護する。

◆ 想像もできなかった価格...132億ウォンで売れた金煥基『宇宙』

韓国抽象画の巨匠である金煥基の青い点描画『宇宙(Universe)05-IV-71#200』は、世界の美術界不況を軽く飛び越えて132億ウォンまで上昇した。先月、香港のオークションで韓国美術品史上初の100億ウォン時代を開いた。芸術に向けた作家のこだわりと情熱、献身の価値を認められただけでなく、中国や日本に比べて低く評価されていた韓国美術の価値を再照明するきっかけも整えた。政府の税制強化と不況の沼に落ちた国内の美術市場にも活力を吹き込むものと期待される。

縦横254㎝に達するこの作品は、作家がニューヨークにとどまっていた時期(1963~1974)の、技量が最高潮に達したときに残した力作だ。故郷である新安の海と懐かしい故国の空と人々、そして森羅万象を考えながら青い点を描いた後、円でかこみながら自然の本質を抽象画に圧縮した。

◆ 想像もできなかった小説韓流...『82年生まれ、キム・ジヨン』中・日を強打

キム・ジヨン氏が世界各地で復活している。日本の筑摩書房の訳本はこれまで15万部、中国の貴州人民出版社の翻訳本は18万部が売れた。韓・中・日の女性に続いて、来年には、英国など14カ国でさらに出版される予定だ。本当に想像していなかった韓流だ。

国内でも映画『82年生まれ、キム・ジヨン』の封切りに支えられ、小説『82年生まれ、キム・ジヨン』がベストセラーの順位に再進入した。 130万部を突破し、正しく底力を発揮している。映画の累積観客数も損益分岐点の160万人を軽く超え、370万人に達している。

◆ 想像もできなかったクラシック女風...キム・ウンソン米オペラ団の監督に抜擢

保守的なクラシック界で韓国の女性音楽家たちが激しい「ヨプン(女風)」を起こしている。指揮者のキム・ウンソン(Kim Eun Sun)氏は今月初め、サンフランシスコオペラ(SFO)の次期音楽監督に電撃抜擢された。韓国はもちろん、米国でも有数のオペラ団で女性の首長は初めてだ。今年の6月にドヴォルザークのオペラ『ルサルカ』の指揮でSFOにデビューして6ヶ月めで成し遂げた成果であり、この時の公演がSFOメンバーに深い印象を残して監督選任につながった。

バイオリストのパク・キョンミン氏は先月、韓国人初で世界トップクラスのオーケストラであるベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の終身団員になった。昨年2月にインターンとして入団してから21ヶ月めであり、通常は2年のインターン期間を四ヶ月も前倒しにして終えた。

◆ 想像もできなかった操作...「プロデュース」順位不正

Kポップ産業に残った汚点は、Mnetのオーディション番組操作事件だ。アイドル選抜番組「プロデュース」の全シーズンで操作が明らかになった。製作陣はシーズン3とシーズン4でデビューしたIZ*ONEとX1の順位を任意に決めて選抜した疑いを受けている。最終デビュー前の事前投票で製作陣が望む練習生がランクに登羅なかったために、操作を強行したことが分かった。「プロデュース・シーズン1」でも、実際の1次選抜対象者の2人を脱落させて別の名前を上げた。シーズン2のWanna Oneは、メンバーの一人がランク操作で活動したことが分かった。検察はアイドル選抜の過程で製作陣とエンターテイメント社間の黒い癒着関係があったと見ている。

◆ 想像もできなかった堕落...「バーニングサンゲート」

芸能ニュースが社会面を飾ることは今年も続いた。「バーニングサンゲート」の規模は前例がないほど大きかった。始まりは芸能産業の従事者が、バーニングサンクラブで暴行を受けた事件だった。その後、BIGBANGのV.I(イ・スンヒョン)が実際の所有主であるバーニングサンクラブが警察と癒着関係ではないかという疑惑が提起されて波紋が広がった。クラブ内で麻薬や強姦などがあったという情報提供と、警察幹部の性接待疑惑までが暴露された。その後、V.Iの親しい友人であるチョン・ジュニョンの不法撮影動画を共有までが明らかになり、芸能人7人が事実上引退した。
  • 毎日経済_チョン・ジヒョン記者/キム・スルギ記者/キム・ユテ記者/バク・チャンヨン記者/カン・ヨンウン記者/ソ・ジョンオン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2019-12-30 11:27:55




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