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イ・ジェフン、「ホン・ギルドンの中にピーターパンが見えます」


  • イ・ジェフン、「ホン・ギルドンの中にピーターパンが見えます」
「(映画の)背景そのものにCGをたくさん具現しようとしました。演技に影響を与える部分はほとんどありませんでした。監督が具現しようとする絵に従ってカメラ動線、照明の位置をしっかり探さねばいけませんでした。容易ではありませんでしたが、それもまたほどよく表現されたときにホン・ギルドンが極大化され、モニターして満足した記憶があります。私がしっかり合わせなければと考えましたが、それをやりきったときに喜びがあるんです。嬉しかったです」

イ・ジェフンはソウル鍾路区八判洞に位置する「west19th」にて映画『探偵ホン・ギルドン:消えた村』(監督チョ・ソンヒ)をテーマに映画と演技に対するインタビューを進行した。今回の映画で彼は悪党よりも悪名高いホン・ギルドンを演技した。

古典の中のホン・ギルドンとは違う映画の中のホン・ギルドンは不法興信所の活貧(ファルビン)党の首長であり私立探偵。恐れも情も友人も慈悲もない。嘘もうまく嘘をつく人間にもしっかり気づく。私たちが考えるホン・ギルドンが社会正義のために悪党を懲らしめてくれる人物であれば、映画でのホン・ギルドンは母親を殺した仇キム・ビョンドク(パク・グンヒョン扮)に復讐するために20年間彼を追い続けて同じように返そうとする、個人的復讐のために動く「ダークヒーロー」だ。

2012年10月に入隊し、2014年7月に軍服務を終えたイ・ジェフンはスクリーン復帰作に『探偵ホン・ギルドン』を選んだ。『番人』(2010年ユン・ソンヒョン監督)のイ・ジェフンに惚れ込んだチョ・ソンヒ監督はイ・ジェフンにラブコールを送り、イ・ジェフンもまたチョ監督の全作品を見て彼の映画に出演しようと決意した。(チョ監督はイ・ジェフンのファンだ。『番人』でのイ・ジェフンの演技を集めた短い映像をある映像サイトを通じて今もときどき見ている)。先立ってチョ監督は自身と近い仲にあるユン・ソンヒョン監督が『番人』を撮影している際にイ・ジェフンと挨拶を交わした。当時チョ監督は『獣の終わり』を準備していた。

「チョ監督を見て出演することになりました。『兄弟の家』(2009)、『獣の終わり』もそうですし、特に『私のオオカミ少年』(2012)を見て『韓国にどうしてこんな世界観を持った監督がいるだろう』と考えました。代替できない、彼だけが引き出すことができるオーラがありました。彼がシナリオの独特な設定をどう映像で具現しきるのか興味がありました。チョ監督が映画をどう作るのか創造の国を開いて説明する姿を見てすでに惚れ込みました。撮影のときからそうだったように、完成した作品を見て出演したことは間違いなかったと思いました」

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イ・ジェフンは今年3月に放送が終了したケーブルチャンネルtvNドラマ『シグナル』にて長期未解決専門チームのプロファイラー、パク・ヘヨンを演技した。ドラマで彼はものすごい分量の台詞を消化し、ナレーションもまた相当な部分を占めた。けれど今回の映画でさえも彼は多くの台詞とナレーションを行う。プロファイラーや探偵というキャラクターが推理を多くし、考えも多く、推理や考えは主にナレーションで表現するほかにないためだ。

「ナレーションをたくさん行うキャラクターが韓国映画ではほとんどありませんでした。観客がどう見てくれるか気になります。台詞は多かったですが、演じながら楽しかったです」

この映画の中心はホン・ギルドンというキャラクターだ。つまり、事件よりも人物がより強調される。チョ監督はメディア試写会とインタビューなどを通じ一貫してキャラクターの独特さを強調した。キャラクターを前面にしただけに、キャラクターを分析することにおいて、演じる俳優が努力することは当然だ。ホン・ギルドンは幼い頃に受けた衝撃により20年間不眠症に悩まされた。平安でありながらも鋭利な二つの顔を持つ。イ・ジェフンは複雑なキャラクターをどう演技したのだろうか。

「ホン・ギルドンが嘘をたくさんつきます。置かれた状況で(危機を)打開しようと嘘を並べる姿を見ながら(そんなことが)ホン・ギルドンの独特な魅力ではないかと思います。楽しんでやったと思います。復讐の対象に出会ったときなどは『私が本当に母親を殺した復讐の対象を前にして許しの手を差し出すことができるか』と考えました。簡単ではなかったと思います。状況の感情に忠実になろうとしました」

「探偵」といって思い浮かぶ「シガー」ではなく「キャラメル」を好み、子どもたちに冷たく接するも徐々に心の扉を開き、その後成熟していくホン・ギルドンには全体的に未成熟な子どもが見える。そんなホン・ギルドンを見てイ・ジェフンは「ピーターパン」を思い浮かべた。

「ホン・ギルドンが大人ですが、大人になりきれない子どものような姿がある。子どもたちに怖く接しながらも『ぶっ殺す』、『うるさい』といった台詞を言います。後には少しずつ子どもたちと疎通しながら何か心も開いて変貌していくのですが、そんな部分から『ピーターパン』の雰囲気がありました。ミジャンセンにおいてノワールが強い部分があるため、シガーを吸うように思われますがキャラメルを食べる、そんな部分は面白くないですか」

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「未成熟な大人」ホン・ギルドンを演じて彼は初めて子どもと呼吸を合わせた。演技だったが、愛らしい子どもたちに根気強く接することも難しく、予想もできないリアクションに困惑したりもした。

「演技をするときに台詞とリアクションにおいてキャラクターに合わせてしっかり表現しようと準備して行くときが多くありました。けれど子どもたちと演技するときにはそんな準備をすることができません。子どもたちの演技は予想できません。とんでもない反応をするので困惑しました。子どもたちの目を通じて精製されていない、生の感覚を私も表現できたのではないかと思います。車の中で『俺は良い奴に見えるか』、『ぶっ殺すぞ』といった台詞を言うのですが、マルスン(キム・ハナ扮)がキャラメルを差し出しながら台詞をよこすので言葉が出ませんでした。その状況でどうやっていいのか(分からなくて)。私が負けたような気持ちになりました。『もう知らない』と思いながら出て行く子部分があったのですが、その部分は計算されたものではありません。子どもたちのおかげでホン・ギルドンからそんな姿が出たのではないかと思います」

子どもたちと演技するためには、演技以外の努力も必要だった。彼は生まれて初めて演技ということをすることになった子役と呼吸を合わせることになった。そんな子役俳優が演技できる環境を作るために監督と彼はかなりの尽力を注いだ。そしてその結果、ホン・ギルドンとマルスンのケミが映画を通じて輝きを発することができた。

「基本的に子どもが好きです。ドンイ役の子役俳優ノ・ジョンイはいくつかの作品を経てすでに撮影や演技する部分はある程度慣れており上手い子です。マルスンの場合、監督が写真だけを見て連れて来た子です。数多くのスタッフが見守っている中でしっかり演技ができるか心配でした。私も最初はぶるぶる震えながら演じた記憶がありますが、彼女が怖がるのではないかと思いました。だから監督と私がマルスンを適応させようと遊びながら、お菓子も分け合って食べました。現場で焼いたジャガイモやサツマイモもドンイとマルスンと分けて食べながら子ども時代に帰ったように私も明るく過ごしました」
  • シックニュース チェ・ジョンウン記者 / 写真提供=CJエンターテイメント | (C) mk.co.kr
  • 入力 2016-05-04 22:04:00




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