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イ・ジョンジェ「映画『代立軍』は激動の朝鮮時代、非正規職の映画です」


  • イ・ジョンジェ「映画『代立軍』は激動の朝鮮時代、非正規職の映画です」
『代立軍』(監督チョン・ユンチョル)はリーダーシップに対する映画だ。時は1592年。日本軍が朝鮮を侵略するやいなや、宣祖(ソンジョ)は幼い光海君(クァンヘグン)に朝廷をまかせて避難した。朝鮮王朝実録はこれを「分朝」として記録した。王権が分割された初の事件だ。光海君は残された臣下たちとともに剣呑な地をめぐり義兵を募集し、百姓の士気をかきたてた。

映画はこれに、実際にあった「代立軍(生計のために他人の軍役を代行する貧しい人々)」の話を結びつけた。身分は違っても誰かに代わって命をかけることになった存在という点で、同志だった王と賎民の代立軍の首長、数奇な彼らが互いに助けながらきびしい難関を克服する過程が描かれる。歴史に想像力を数滴加え、メッセージを明確にした「ファクション」時代劇だ。

代立軍の首長トウ役を演じた俳優のイ・ジョンジェ(45)の存在感は格別だ。『ハウスメイド』(2010)や『新しき世界』(2012年)、『暗殺』(2015)などで示されたように、洗練されて都会的であり貴族的なまでの印象を精一杯はらい落とした。ざっくりとひねって束ねた髪に鉄の音のようにかすれた低音、土とほこりにまみれたまま休む間もなく山を歩き回る姿は野生のトラを連想させる。去る24日、三清洞のカフェで会ったイ・ジョンジェは、「代立軍を演技して正規職と非正規職の区分が激しい、最近の社会の悩みさえ思い出した」と話し始めた。

- 山を越え水に落ち…映画の中の光海と代立軍の旅程は険しいことこの上ない。

△本当に大変だった(ため息と笑い)。この映画だけはそれだけ苦労しなければならないという信念をみんなが共有した。山の中での撮影はコストや安全面からも難しかった。私もそうだが、スタッフが重い装置を担いで登り降りして体を痛めた。

- 光海役のヨ・ジングと呼吸はどうだったか。なんと25も歳の差のある後輩だ。

△後輩というより仲間だった。若くても良い作品をたくさん演ってきたからだろうか。私の性格上、私よりも年齢が若いからと誰かを後輩だと思わない。むしろ助言を求めることも多い。

- 大統領選挙(大選)を闘ってより良いリーダーシップを渇望するいま、国民の心が映画に反映されたようだ。

△映画の撮影中に国政壟断事件がさく烈し、撮影の終わりになって弾劾になり、「バラの大選」が行われる状況に置かれた。制作陣も公開時点をめぐって悩みは深かったという。はたして今の政治・社会的視点に、私たちの映画の話がうまく当てはまるだろうかについてだ。個人的に、映画は映画でとして見てほしい。

- トウ役を演技する時、最も重点を置いた部分は?

△時間が経つに従い、人物が経験する心の変化をうまく表わしたかった。柔弱だった光海を初めて見た時から、どのように彼に対して憐憫と忠心がしだいに蓄積されるのだろうかでかなり悩んだ。望ましいリーダーがいなかった時代、正義を夢見る心だった。代立軍も「正規職にする」という甘い誘いにだまされて命をかけて戦わなければならず、しかも世子(世継ぎ)も父に代わって一種の非正規職として乗り出したわけだ。

- デビュー24年目だ。まだやってみたことのない役割の中でこれはというものは?

△ホラーやSFモノをやってみたことがないので好奇心がある。考えてみると、生活演技をやらなくなってかなり経つ。知能犯罪捜査チームの話を扱う次期作『盗聴』(監督チェ・ドンフン)が、こういうことから期待される。もう少し自由で柔軟な演技をすることができるだろうと思う。
  • 毎日経済_オ・シネ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2017-05-31 17:29:21




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