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イ・スンジェ、テレビで妻を初公開…63年の俳優人生を振り返る


  • イ・スンジェ、テレビで妻を初公開…63年の俳優人生を振り返る
俳優イ・スンジェがKBS1『人間劇場』新年特集に出演し、妻からこれまでの演技人生までを公開する。

暗い舞台裏、一人でセリフを練習する人がいる。輝く瞳としっかりとした体格。よどみなく舞台に進む彼は韓国現役最高齢の俳優イ・スンジェ(85)だ。100歳の哲学者キム・ヒョンソク教授に続き、『人間劇場』新年特集の第2弾ではイ・スンジェの人生が放送される。

彼の長い演技人生はソウル大学の哲学科に在学中に始まった。

当時、さまざまな芸術映画を見ていた中で『ハムレット』を見た瞬間、彼は演技の魅力にはまった。今では誰もが羨望する仕事だが、当時は誰もが反対する職業が俳優だった。

しかし「演技もまさに芸術」という確信から演劇『地平線の彼方(1956)』で本格的な演技を始めた。演劇の舞台で様々な種類の配役を引き受けて演技の実力を磨き、1964年にTBC放送局が誕生するとドラマまで足を広げた。

彼はその時は、いわゆる輝く「スター」ではなかった。黙々と続けてきた演技人生が転換点を迎えたのは1991年、キム・スヒョン作家に出会ってからだった。ドラマ『愛が何だって(1991)』の父親役で初めてお金を稼ぐ家長になり、以後MBC「ハイキック」シリーズでコミカルな演技を披露して韓国を代表する父親役の俳優へと大変身した。

高齢俳優の妻チェ・ヒジョンさん(79)。1966年に結婚し、50年以上、夫の影となって徹底的に姿を現わさなかった妻。『人間劇場』で魅力を見せながら初登場した。彼女が生き生きと伝える俳優イ・スンジェ、夫イ・スンジェの物語。梨花女子大の舞踊科を出て嘱望される舞踊家だったが、「イ・スンジェの彼女」として生きるようになった理由はまさにラブレターのためだった。

海外の巡回公演に向かう恋人が海外にそのまま居座ってしまうのではないかと心配して手紙を書いた俳優イ・スンジェ。その時の気持ちが一生を夫の世話をしながら生きることになった原動力だという。演技しか知らなかった夫に代わって妻は結婚から5年後に生まれた息子がもらった金の指輪を売って二坪にしかならない饅頭の店を開き、配達まで直接こなした。演技に狂った夫に代わって家長の役割を果たしたもの。

今でも新しい配役を引き受けると一緒に台本を研究して衣装、発音、表情までも入念にチェックする。孫に会うために米国にいき、1カ月ぶりに帰ってきたチェ・ヒジョンさん。演劇があった日、最後まで客席にとどまった理由も公開される。

どの現場でも最古参になったイ・スンジェ。ソン・スク、ナ・ムニ、コ・ドゥシム、チョン・ボソク、チェ・スジョン、ユ・ヨンソクまで、作品を共にした同僚、後輩たちは口をそろえて彼を「ロールモデルであり、一途な方」と言う。85歳、もう余裕を持ってもよさそうだが、誰よりも先に到着して常に台本に視線を集中し、車で移動する瞬間まで台本から手を離さない。

夜遅くになってようやく終わったスケジュール、しかし彼が向かうところは家ではなく大学だった。未来の後輩たちのために21年前から教授生活をしてきたイ・スンジェ。響くセリフと激しい動作まで直接見本を見せるのだから、その情熱を見習って弟子たちも日進月歩している。

『人間劇場』の制作陣は「2カ月間、密着撮影を試みたが、孫ほどになる弟子たちとトッポッキも食べに行き、昔の初恋の話も交わすなど誰よりも多情多感な師匠」と伝えた。

数日後、一学期のあいだ準備してきた演劇「かもめ」の幕が上がる。扮装、衣装、舞台まで演劇のすべての場所に神経を使うイ・スンジェ。舞台が終わって微笑む。朝目覚めた瞬間から夜遅くまで演技だけを考えて走ってきた道。「そうだ、一度やってみろ。飛び掛ってみればいいんだ」という冷めない情熱こそ63年という長いあいだ彼が愛される理由だ。

よどみなく進むイ・スンジェの演技人生が込められた『人間劇場』新年特集は7日から11日までの午前7時50分に韓国で放送される。
  • 毎日経済 スタートゥデイ ヤン・ソヨン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2019-01-04 09:05:35




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