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UFG訓練を中断...北のICBM実験場廃棄に応え


  • UFG訓練を中断...北のICBM実験場廃棄に応え
  • 19日午前、ソウル市龍山区の国防部で崔賢洙(チェ・ヒョンス)報道官が8月のUFG連合訓練中断を発表している。 ハン・ヂュヒョン記者



◆ 韓・米連合訓練中止 ◆

韓・米が8月に実施する予定だった「乙支(ウルチ)フリーダムガーディアン(UFG)」演習を一時中断することにしたのは、韓半島の軍事緊張を緩和するための決定とみられる。

韓米同盟軍は、北韓と全面戦を繰り広げるというシナリオで行われるUFG演習を条件付きで中断することによって、韓半島の非核化と平和体制の構築を側面支援するというものだ。

韓・米は北韓が主張する対北敵視政策の解消のための措置を下したという立場だ。しかし韓米軍事同盟の核心である連合訓練の中止に対する懸念の声も収まらない。

韓・米は北韓の南侵状況を想定して「作戦計画5015」を準備し、これをもとに「キーリゾルブ(KR)」とUFG演習を行っている。毎年、上半期と下半期に1回ずつ行われるこれらの演習は、韓国と米軍の指揮官が集まって北韓との全面戦にそなえた指揮所演習(CPX)を2週間進行する。軍関係者は「開始は北韓が韓国を攻撃することを防ぐ防御作戦だが、以後は戦争が展開される様相は変わりうる」と説明した。

「作戦計画5015」は北韓の南侵を阻止した後に、北韓地域に進撃する内容も盛り込まれたことが分かった。全面争のシミュレーションが2週間行われた結果、平壌を占領したり、北韓の戦争指導部を除去する状況にまで至ったことが伝えられた。北韓はこのような訓練内容について非常に緊張し、「北侵戦争演習」と反感を示してきた。

これと関連し、ヴィンセント・ブルックス韓米連合司令官はUFG演習の中断発表を意識したように、両国が緊密に協業しているという立場を明らかにした。ブルックス司令官は19日、「韓半島の安保環境の変化と航空宇宙力の建設」を主題に開かれた「第21回航空宇宙力国際学術会議」の基調演説で、「いまも重要だが、いくつかの(連合軍事)訓練やこれまで2年間、韓国で経験したことを見たとき、韓・米は緊密に協業している」とし、「韓米同盟の信頼を持っている」と述べた。また「(韓米軍当局は)シナジーを出していると思う」とし、「龍山基地でも韓米が継続して共に進んでいる」と強調した。

ブルックス司令官は「継続して安全保障に対する神経を使って力量を育てなければ危険に陥り、安保状況を危うくする」とし、「さまざまな挑戦がありうるが、、準備された状態でさまざまな状況を迎えることが重要だ」と付け加えた。

日本政府はUFG演習を一時中断する決定に対して警戒感を示した。小野寺五典防衛相はこの日、記者団に「北韓の脅威に対する見積もりは変わらなかった」とし、引き続き警戒監視態勢を取ると強調した。小野寺防衛相は続けて、「北韓が米・北交渉の中でとつぜん弾道ミサイルの発射や核実験をすることは常識的ではないが、北韓が(まだ)具体的な行動をとらないだけに注視するつもり」だと述べた。

UFG演習の中断は1990年以来の28年ぶりに行われた。国防部の関係者は、「韓・米は1990年に米国側の湾岸戦争参戦のために、当時の乙支フォーカスレンズ(UFL)演習を中止したことがある」とし、「今回のUFGの猶予は1990年以来で2回めと考えればよい」と説明した。 UFG演習はまいとし政府の行政機関や主要民間動員企業、軍団級以上の陸軍部隊、艦隊司令部級以上の海軍部隊、飛行団級以上の空軍部隊、海兵隊司令部、在韓米軍、戦時増員米軍戦力が参加する。昨年はUFG演習に米軍1万7500人(海外増援軍3000人を含む)が参加した。

1954年から国連司の主管で実施していたフォーカスレンズ演習と、1968年の「1・21事態」を契機に始まった政府次元の軍事支援訓練である乙支演習を統合して、コンピュータ・ウォーゲームの技法を適用した。 2008年からUFG演習に名称が変わった。

韓米軍当局は、今回のUFG演習猶予の後の追加措置を議論していると明らかにし、類似した連合訓練も中断される可能性が大きくなった。北・米対話が続く間に韓米連合訓練を中断すると明らかにしたことによる後続措置が続くと予想される中で、KR演習、トクスリ(FE)訓練が追加中断の対象になる可能性が高いと思われる。

国防部はUFG演習猶予の決定について、崔賢洙(チェ・ヒョンス)国防部報道官が19日の定例ブリーフィングで、「北韓問題については連合訓練の猶予という措置があったので、これに相応する(北韓の)措置があるものと期待している」と述べた。米国側も米・北高官による後続協議を通じて、北韓の明確かつ前向きな非核化措置を要求するものと予想される。

北韓の対応措置としては金正恩(キム・ヂョンウン)北韓国務委員長が12日、シンガポールの米・北首脳会談でドナルド・トランプ米国大統領に約束したことで知られる、ミサイルエンジン試験場の廃棄などがあげられている。

世宗研究所のチョン・ソンジャン研究企画本部長は、「韓・米訓練の中断決定は、連合訓練に対する北韓の敵対感と安全保障の要求を考慮した措置」だと評価した。チョン本部長は「これにより金委員長が迅速に非核化を進展させなければならなくなった」と語った。

北韓の核・安保の専門家らは、北韓側がシンガポールの米・北首脳会談で明らかにしたミサイルエンジンの実験場の廃棄とは別に、真正性のある非核化措置を出さなければならないと強調している。ミサイルエンジン実験場の廃棄は、今後に追加する大陸間弾道ミサイル(ICBM)の性能向上を放棄するという意味があるが、現在北韓側が保有している核能力には影響を与えないという説明だ。

韓国国家戦略研究のムン・ソンムク統一戦略センター長は、「北韓がマイク・ポンペオ米国務長官に提示する具体的な非核化のロードマップを準備しなければならない」と述べた。ムン センター長は「北韓が保有している核施設と核物質、核弾頭とICBMなどに対する正確な申告が優先されるべきだ」との見解を披瀝した。

これとあわせて、一部では北韓側が2009年4月に追放した国際原子力機関(IAEA)査察団の復帰を許容する可能性も提起される。もしIAEA査察団の寧辺核施設の復帰が行われれば、北側の核活動は9年ぶりに国際社会の監視・制御に組み込まれる第一歩になりうる。
  • 毎日経済_アン・トウォン記者/キム・ソンフン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2018-06-19 17:49:44




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