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韓国人観客1億人…マーベル映画の観客動員数


  • 韓国人観客1億人…マーベル映画の観客動員数


『アイアンマン』『マイティ・ソー』『スパイダーマン』を前面に出したマーベルスタジオ映画は、国内累積観客1億人を突破した。米国の映画会社マーベルスタジオで制作するシリーズ型ヒーロー物の映画は、巨大な世界観と豊かな見どころを武器にして、エサ(シリーズ物で次のために用意しておくヒント)に魅了される10~30代を幅広く攻略していることが分かる。

国内映画界では、米国の超大作シリーズ物のスクリーン独占に対する懸念と同時に、われわれもマーベルスタジオ映画をベンチマーキングして、変化する観客の好みを狙わなければならないという指摘が出ている。

19日、映画振興委員会の映画館入場券統合電算網によると、4日に公開された『アントマン&ワスプ』は18日までに国内観客464万4095人を動員した。

これによって2008年の 『アイアンマン』を手始めに『アントマン&ワスプ』まで、国内で公開されたマーベルスタジオ映画20編は累積観客1億9736人を記録することになった。ひとつのフランチャイズ型映画が、国内で1億人を超える観客を動員したのは初めてだ。ウォルト・ディズニーの子会社であるマーベルスタジオは2008年から、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)という名前でヒーロー映画シリーズを制作してきた。プロデューサーでありマーベルスタジオの代表であるケヴィン・ファイギ (Kevin Feige)を筆頭とする製作委員会が全体のストーリーを管理することが特徴だ。 『アイアンマン』『マイティ・ソー』『キャプテン・アメリカ:ウィンターソルジャー』はすべて監督は異なるが、製作委員会がプロットを管理するために一つの大規模なプロットに統合される式だ。特定のヒーローが好きだった観客がマーベルスタジオ映画の世界に魅了を感じ、他のヒーローに関心を拡張する好循環構造が創出されるわけだ。

この製作方式の利点が最もよく現れたケースが、今年に封切なった『アベンジャーズ:インフィニティウォー』だ。マーベルスタジオ映画の既存のヒーローたちが総出動したこの映画は国内観客1121万人を動員し、チケット収入だけで1兆ウォンに近い収益を上げた。この映画の広報を担当したホホホビーチのイ・チェヒョン代表は、「10年前にマーブルを観覧したシネキッズたちがマーブルの成長傾向とともに大きくなって、忠誠度を育てている」とし、「個別のキャラクターの話がシークォール(sequel、前編より時間上の後ろの話をする映画) 、プリクォール(prequel、オリジナル映画に先行する事件を描いた続編)に派生し、観覧客の急増に影響を与えた」と見た。

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  • マーベル映画の国内累積観客数



マーベルスタジオの映画シリーズが国内で1億人の観客を超えた主な原因は「楽しく」を超えて「世界観」を見出す、コンテンツ消費のパラダイム変化と解釈される。大衆文化評論家のキム・ホンシク氏は「新世代は本人が好きなコンテンツであれば、連作になっていても長い時間を投入して、ストーリーに沿ってついて行く」とし、「スマートフォンの時代には情報を簡単に見つけることができるので、アナログ時代とは異なる膨大な情報探索が可能だ」と説明した。一本のマーベルの断片で解消されない葛藤を、多数の壮年層の観客が不快さとして感じたならば、新世代はこれを「ネタ」として受容し、連続観覧で積極的な解釈を試みようとするわけだ。

広大な世界観をもとに人気を集めているコンテンツは、大衆文化のあちこちで容易に発見される。防弾少年団が世界的な人気を呼ぶ原動力の一つはここにある。世界観が接続されている一連の連作ミュージックビデオを、既存のアーミー(ARMY、防弾少年団ファンクラブ)には次の曲に対する期待感を与え、新たに流入したファンには以前のミュージックビデオを見る動機を付与するわけだ。ハリウッドの有名な映画監督でありプロデューサーであるJ・J・エイブラムスも、自分が興味深く見た脚本としてシリーズ物『クローバーフィールド』の世界観を融合することで、フランチャイズを展開している。チュンブ大学演劇映画科のクォン・ウンソン教授は、「今の世代の観客は一つの叙事ではなく、いくつもの種類がリミックスされた壮大な叙事を欲しがる」とし、「スティーブン・スピルバーグ式の話は、もはやブロックバスターの主流ではない」とした。

マーベルスタジオ映画の善戦で、韓国映画の危機を発見する見方もある。特定の映画がうまくいけばだれかれなく、その成功要因を追従してきた制作習慣のために、韓国映画界は息の長いシリーズ物を作成するだけの力量が不足するという批判だ。文化評論家のキム・ホンシク氏は、「韓国には連作モノにするほどのオリジナルコンテンツが不足している」と指摘した。映画評論家のカン・ユヂョン氏は「マーベルスタジオ映画のような視覚的な効果を出すには、韓国映画界は、資本と技術力が手に余る」と限界を指摘した。

そのような点から、ウェブトゥーンやウェブ小説などのオンラインベースのコンテンツを、韓国のシリーズ映画開発のテコとして活用するべきだという見方もある。海外でも競争力を認められているウェブトゥーンを土台に映画やドラマを制作すると、米国や日本に比べて不足しているオリジナルコンテンツを補強できるだろうという期待だ。実際に、作家のチュ・ホミン氏のウェブトゥーンが原作の映画『神と共に』は2編の封切りを控えており、3・4編の製作が予告されて、韓国型フランチャイズ映画の成功の可能性を示している。
  • 毎日経済_パク・チャンヨン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2018-07-19 20:56:09




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