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Kポップ、世界で大きく響き渡る


2018年はKポップファンには夢のような一年だった。防弾少年団(BTS)は米国ビルボード誌のアルバムチャート1位を2回も獲得したことを皮切りに、さまざまなボーイズグループが難攻不落の米国で大規模なコンサートを盛況裏に終えた。 Kポップの各チームが歌を出せば、数十の国のiTunesチャート1位に上がるのはいつの間にかあたりまえのことになった。ファンクラブはそれぞれ甘い夢に包まれながらも、すぐに夢が破れてしまうかと心配したことも事実だ。

しかしこれは余計な心配だった。己亥年、世界のあちこちでKポップが特異点に到達している。ボーイズグループ中心だった米国進出がガールグループにまで広がって、地球の正反対の南米では、ラテンポップと結合した韓国の歌が響き渡る。韓流に対する警戒の雰囲気が常に存在する中国と日本でも、これまでとは異なるKポップブームが感知されている。世界のあちこちで超格差に走るKポップの新しい動力が何なのかを調べてみた。

◆ ガールグループの米国進出

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米国は韓国の歌手たちには長いあいだ夢の舞台だった。 BoA(ボア)、Wonder Girls(ワンダーガールス)、PSY(サイ)など、多くのK-POPアーティストが米国のドアを叩いたが、一時的な話題にとどまる水準だった。そうするうちに昨年、防弾少年団がビルボード誌の賞を2年連続で受賞し、ニューヨーク・メッツの本拠地での公演完売記録などをうち立て、米国市場に定着した。GOT7やMONSTA X(モンスタエックス)などのヒップホップ色の強い男性チームも、米国市場で継続した人気の足場を設けることに成功したという評価だ。

これからはガールグループだ。BLACKPINK(ブラックピンク)は4月12日と19日に「コーチェラ・フェスティバル」に出演する。まい年春にカリフォルニア州インディオで開催される米国最大の音楽祭だ。ビヨンセやドレイクなど、世界最高の人気歌手たちがこの舞台を踏んだ。韓国では2016年にEPIK HIGH(エピックハイ)が舞台に立っており、Kポップアイドルグループが招待されたのは初めてだ。

Red Velvet(レッド・ベルベット)は初めての米国単独コンサートに乗り出す。 2月8日のLAを皮切りに、米国の5つの都市を巡回する公演だ。Red Velvetが歌った『Really Bad Boy』は昨年、「ビルボード今年最高のK-POP」に選ばれている。夢幻的でありながらも感性が強みのOH MY GIRL(オーマイガール)も今月、アトランタなど米国の5ケ都市を回って単独コンサートを行う。

◆ 日本国内の嫌韓をうがつKポップ

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昨年の下半期、日本国内のKポップに危機が感知された。防弾少年団の朝日テレビ音楽番組である「ミュージックステーション」出演が突然キャンセルされ、TWICEが右翼政治家の批判を受けるなど、嫌韓の機運が上がってきている。韓国の歌手が正常な活動を継続することが困難なほど嫌韓感情が高まった、2010年代初頭の悪夢が再現されるのではという悲観論が提起された。

このような心配は、防弾少年団が昨年11月13日に東京ドームのコンサートを行ってすぐに洗い流した。早々と全席が完売した公演に、ファンは長い行列を作って待った。防弾少年団は12・13日の名古屋、次の月の16・17日に福岡公演で日本ツアーを続けていく。

TWICEは今年3月、大阪の京セラドームを皮切りに東京ドームと名古屋ドームを回るドームツアー公演を進行する。韓国ガールグループが「ドームツアー」に乗り出すのは初めてだ。TWICEはメンバーの3分の1を日本人で占める構成で、現地での親近感を高めたという評価だ。

◆ 中南米、Kラテンポップの誕生

南米人はKポップでラテンダンスを踊っている。 SMエンターのアーティストは18・19日、チリ最大の競技場であるサンティアゴ国立競技場で歌う。 SMの合同公演が南米で開催されるのは初めてだ。出演陣はBoA、SUPER JUNIOR(スーパージュニア)、SHINee(シャイニー)のKey(キー)やTAEMIN(テミン)、f(x)のAmber(アンバー)、EXO(エクソ)などで構成された。他にもDREAMCATCHER(ドリームキャッチャー)とCLCなど、国内の認知度はやや低いチームも南米から継続してラブコールを受けている。

国内エンターテイメント社の関係者は、「中南米は距離の上からこれまで交流が少なかった地域だったが、韓国のアイドル音楽と映像がユーチューブで広がりつつ状況が変わった」とし、「Kポップアーティストの交渉が東南アジアと同じくらい頻繁に入ってくるところが中南米」だと説明した。

韓国アイドルはKポップにラテンポップを結合して、中南米での上昇を加速している。スーパージュニアはラテンポップでいっぱいのアルバム『One More Time』で「ビルボードラテンポップデジタルソングチャート」5位に上がる気炎を吐いた。メキシコのマガジン「15a20」はスーパージュニアを「Kラテンポップの皇帝」と絶賛した。 NCT 127も昨年、ラテントラップを前面に出した『Regular-Irregular』で中南米地域での人気を大きくひき上げた。

◆ 「限韓令」中国も

韓国歌手が繰り広げる大型公演をさえぎった「限韓令」が本格化した2017年以降、Kポップは中国市場では難航してきた。これに対して主要エンターテイメント会社は最近、中国のローカル企業と合弁会社を設立し、「中国現地グループ」をデビューさせる戦略を樹立した。テンセントとJYPが手を取り合って昨年8月、中国にデビューさせた男性グループ「Boy Story(ボーイストーリー)」はデビューと同時に突風を起こしている。

SMエンターは今月、大型ボーイズグループを中国にデビューさせる。プラットフォーム型ボーイズグループNCTの中国チーム格の「威神V(WayV)」だ。中国の合弁レーベルである「Lable V(レーベルV)」を通じてデビューし、現地でも拒否感があまりない。音楽評論家のチョン・ビョンウク氏は、「中国のアイドルポップは数年前のK-POPをそのまま連想させるほどに水準も上がってきている」とし、「現地の雰囲気と需要をよく知っている中国の会社は、Kポップとグローバルトレンドに合ったA&R(アーティストアンドレパートリー/楽曲の発掘と契約)が可能な国内企業と合弁することで、より効果的な企画が可能だ」と期待した。

◆ Kポップブームどこまで行くのか

Kポップの進撃はしばらく続くと見られる。すでに韓流のカテゴリを超える、防弾少年団シンドロームの落水効果だ。チョン・ビョンウク評論家は、「Kポップの現在の人気は防弾少年団の成功による影響が大きい」とし、「これまで着実に世界進出に挑戦してきた韓国のミュージシャンの活動が、これにかみ合ってKポップの磁場を広げた」とした。音楽評論家のファン・ソノプ氏は「防弾少年団が嫌韓の雰囲気でも引き続き人気を呼んだのは、韓流と別の次元の世界的トレンドとして受け入れられたからだ」と説明した。

大衆音楽産業の中心である米国で「グローバルポップ」が浮上していることも、Kポップに肯定的に作用している。チョン評論家は「最近、北米でラテンミュージックが強気を見せたり、現地で消費される欧州のアーティストが突風を起こす現象が見えている」とし、「名目上のグローバルではなく、真のグローバルポップの時代が開かれている」と見た。

ただし防弾少年団以外のグループが米国内で「主流音楽」として認識されるには時間が必要になると予測される。ファン評論家は「BLACKPINKやRed Velvetがマニアを量産しているが、一般の人にまで知られる領域に上がるまでには時間がかかる」とし、「それでもBLACKPINKがコーチェラでサブヘッドライナー格に名前をあげたことで可能性はある」と語った。
  • 毎日経済_パク・チャンヨン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2019-01-05 23:08:47




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