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コリアナウ > 社会 > 韓国「水素経済」始動...文大統領「2030年に世界1位」
◆ 政府の水素経済ロードマップ ◆
政府は2040年までに水素自動車620万台を生産し、全国の水素生産・流通などの全サイクルにわたる水素生態系を構築し、水素経済の始動をかける。水素産業は現在、グローバルな先導国のない「無住空山」だけに、進んだ水素自動車の技術競争力を前に出して、韓国が水素経済の時代をリードする計画だ。
文在寅(ムン・ヂェイン)大統領は新年の最初の地域経済ツアーの訪問先として17日、蔚山市役所で開かれた政府の「水素経済ロードマップ」発表イベントに出席し、「水素経済は国家エネルギーシステムを根本的に変えながら、新しい成長動力を整えることのできる絶好の機会」だと明らかにした。ムン大統領は「水素経済はエネルギー源を石炭や石油から水素に変える、産業構造の革命的な変化」だと述べた。
続いて「わが国はエネルギーの95%を輸入に依存するエネルギー貧困国」だとし、「水素経済を通じてエネルギー安全保障もさらに堅く守ることができる」と付け加えた。ムン大統領は「需要の側面ドでは、政府が市場創出の呼び水になる」と語った。このために水素ステーションの設置を妨げる各種規制を廃止して、水素自動車の普及のための補助金の規模も大幅に増やす計画だ。ムン大統領は「2030年には水素自動車や燃料電池の両方で、世界市場シェア1位になることが私たちの目標」だと強調した。
水素カーと水素ステーションの普及計画
この日に政府が発表したロードマップは、2040年までに水素乗用車を中心に水素タクシーやバス、トラックなどの水素自動車620万台を生産し、家庭用燃料電池の普及を拡大し、全国各地で水素基盤を構築する内容を盛り込んだ。現在は2000台の水準である水素自動車の普及量を2022年には8万1000台に増やし、2025年には10万台に育てて商業量産体制を構築する。このようになると水素車の価格を、現在の内燃機関車両の価格にまで下げることができるという判断だ。水素自動車の普及の核心基盤である水素ステーションも大幅に拡充する。現在は全国的に14カ所しかない水素ステーションは、2022年に310ヶ所、2040年までに1200ヶ所を設立する予定だ。
脱原発・エコを前面に出したエネルギー転換政策を展開している政府が打ち出した、もう一つのエネルギー源がまさに水素だ。政府は2040年までに発電用燃料電池15GW(ギガワット)を普及させる計画だ。また家庭・建物用にも2.1ギガワットを供給する計画だ。約94万世帯が使用できる電力量だ。
水素生産と流通システムを構築し「水素産油国」に成長するというビジョンも発表した。現在、液化天然ガス(LNG)発電所がある地域を中心に水素生産基地を大幅に増やして、水素生産量を現在より40~50倍の526万トンに拡大する計画だ。このような水素経済の生態系構築を通じて、政府は2040年までに総43兆ウォン規模の市場を創出し、現在の自動車産業の雇用人員の75%に達する42万人の雇用も生み出すという計画だ。 20年後には国内のエネルギーの中で水素の割合は5%に達し、温室効果ガスの排出も2700万トン減少すると期待している。政府は水素経済のビジョンに対する具体的な実行計画を盛り込んだ水素経済法を年内に策定し、これを導くコントロールタワーとして総理が委員長を務める水素経済推進委員会を構成する計画だ。