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コリアナウ > Korea Now > 「無賃乗車」フェイスブック、SKブロードに網使用料
国内1800万人が使用している米国最大のソーシャルネットワークサービス(SNS)Facebook(フェイスブック)は今後、国内通信社に対して網使用料を支払う。 フェイスブックは最近、コンテンツを転送するための網使用料の負担をキャリアに転嫁していた慣行を破って、SKブロードバンド側に網使用料を支払うことに決めた。これにより、YouTube(ユーチューブ)やNetflix(ネットフリックス)をはじめとする他の外資系情報技術(IT)各企業の、網使用料を支払わずに運営する「無賃乗車」慣行も変わるかに関心が集まっている。
27日のIT業界によると、フェイスブックとSKブロードバンドは2年に近い交渉の末、フェイスブックがキャッシュサーバーの設置と専用回線の費用を負担することを骨子とした「網利用対価に関する契約」を締結した。
フェイスブックがSKブロードバンドに網使用料を支払うのは、2010年に国内サービスを開始して以来で初めてだ。複数の関係者によると、フェイスブックはSKブロードバンドに2年間に相当する額を網使用料として支払うことにし、契約満了月までに特別な要求がなければ契約を2年間自動延長することにしたと伝えられた。
網使用料はフェイスブックのようなコンテンツ事業者(CP)がネットワークを利用する対価として、インターネットサービスプロバイダ(ISP)に支払う「卸売り」費用だ。これにはキャッシュサーバの設置費、専用回線の使用料、接続料も含まれる。キャッシュサーバはよく参照されるデータを保存しておくサーバーだ。国外にメインサーバーがあるフェイスブックは、国内にキャッシュサーバーがある場合には速度をそれだけ高めることができる。フェイスブックはこれまで「ひとつの国にひとつのキャッシュサーバ」政策にしたがって、KTのみにキャッシュサーバを構築してコストを負担してきた。このために国外サーバーに接続しなければならないSKブロードバンドの利用者は速度が落ちる不具合を経験した。
しかし今回の契約で、フェイスブックはSKブロードバンドにもキャッシュサーバを設置し、専用回線と接続料などをすべて負担することにしたという。通信業界の関係者は、「フェイスブックはKTに約200億ウォンを負担するが、SKブロードバンドはKT加入者よりもトラフィックが低く、これよりも少ない金額になるだろう」と予想した。しかしSKブロードバンドとフェイスブックは「契約上の秘密条項に基づいて、具体的な合意内容に関しては確認できない」とし、「今回の契約で円滑なサービスが期待される」とした。
フェイスブックがSKブロードバンドに対してインターネット網の使用料を支払うことに合意した契約は、国内では網使用料を納付しなかった外資系情報技術(IT)企業が国内のローカル企業の要求に応じたものであり、関心を集めている。今回の契約は、現在フェイスブックがKTとLGユープラスと進めている網使用料契約にも影響を与えると思われる。
企業専用回線は「バス専用車線」のように、キャリアが提供するネットワークをその企業のためだけに使用することを意味する。たとえばA企業がSKブロードバンドの専用回線を使用するならば、A企業はSKブロードバンドの光ケーブルを利用して、2地点を直接接続するインターネットサービスを提供することができる。通常は大きなデータ容量を必要とする動画提供者や24時間を安定して運営しなければならないゲーム企業、保安維持が必要な企業などが専用回線を使用する。
ネットフリックスやユーチューブなど、網を利用しながら対価を支払わない外資系動画サービスに対して通信会社が費用負担を求める声も高まるものと思われる。
最近、国内の加入者が100万人近く急増したインターネット動画企業(OTT)のネットフリックスは、キャリアとネットワークへの投資費用をめぐって対立が生じている。ネットフリックスは国内でコンテンツ提携を結んだ企業にのみキャッシュサーバを構築している。 CJハロービジョン、ディーライブ、LGユープラスはネットフリックスがキャッシュサーバを構築した。ただしキャッシュサーバーで発生する専用網のトラフィックに対する費用は支払わないことが分かった。ネットフリックスとコンテンツ提携を結んだ企業の関係者は、「ネットフリックスがあまりにもキラーコンテンツなのでまずは手を組んだが、高精細ビデオの需要が増えて加入者が増え、網の負担が大きくなっている」と吐露した。
コンテンツ提携を結んでいないキャリアはキャッシュサーバもなく、日本などの海外網を介して接続する必要がある。とうぜん速度は遅い。ネットフリックスが公開した国内のISP別の速度を見ると、キャッシュサーバが構築されたLGテレコムとディーライブが3Mbps台で1、2位であり、ネットフリックスのキャッシュサーバーがないKTは2.86Mbpsで3位、SKブロードバンドが1.65Mbpsでいちばん遅い。速度を確保するためには海外ネットワークを増やす必要がある。最近、SKブロードバンドは海外網の中でネットフリックスなどに使われる回線の容量を50Gbpsから2倍の100Gbpsに増設している。
SKブロードバンドはネットフリックスとコンテンツ連携に関して議論し、国内にキャッシュサーバを構築して網利用料も支払うことを主張していることが伝えられた。SKブロードバンド、KT、LGユープラスの3社のすべてでキャッシュサーバーを運営するが、網使用料を払わないGoogleビデオサービスのYouTubeに対しても利用料の負担を求める声が高まる見通しだ。一方、国内IT企業のネイバーは通信3社に年間700億ウォン、カカオは300億ウォンを網使用料として負担している。