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安倍首相「韓・日関係」意図的に無視

石原外相は6年目の「独島妄言」 

安倍晋三首相は28日、施政演説で毎年含ませてきた韓国に対する言及を意図的に削除して、北韓と中国にラブコールを送ったのは韓半島の平和プロセスで韓国の仲介の役割を否定して、北韓との一対一の会話を試みるという意図として解釈される。韓国を中にして米・北、日・朝、北・中、中・日間の好意的なメッセージが行きかう状況で、韓国外交の存在感が弱くなっているという評価だ。

安倍首相は2012年末の再執権後の最初の2年間は、韓国に対する「基本的な価値や利益を共有するための最も重要な隣国」としてきた。その後、2015年の施政演説では「基本的価値を共有した」という表現が抜けて、昨年は「最も重要な戦略的隣人」という表現さえも省略した。

また、「文在寅(ムン・ヂェイン)大統領と未来志向的に新しい時代の協力関係を深化させていく」と述べたが、今年はこのような原則的な言及さえも省いてしまった。 28日、安倍首相に続いて演説を始めた河野太郎外相は、「慰安婦合意、1965年の韓日請求権協定など、国際的約束を守ることを(韓国政府に)強く求めたい」と声を高めた。続いて「日本固有の領土である竹島(独島の日本名)に対する日本の主張を確実に伝達し、粘り強く対応する」と強調した。日本の外相が独島に対する領有権を主張したのは6年めだ。安倍首相が「戦後日本外交の総決算」を今年の政策目標の一つに掲げながらも、韓国に対する言及を省いたことは日本の外交構想での韓国の役割を大幅に縮小させるという意味として解釈される。今後の韓半島の安保事案に対しては、韓国に頼らずに直接乗り出して解決するという「コリアパッシング」の意志を示したものだ。

北韓や中国との関係改善の意志を強調し、対北・対中の独自外交に力をこめたこともこのような基調を反映する。安倍首相は国別の外交政策について説明するときは中国をまず最初に言及し、「昨年の訪中で日・中関係が完全に正常軌道に戻った」と表現し、昨年は「安定して友好関係を発展させる」と語ったことからより積極的な姿勢をとった。

北韓に対しては、昨年は「核とミサイル挑発に屈しない」と防備態勢に力点を置いたが、今年は「北韓との不幸な過去を清算し、国交を正常化することを目指したい」と金正恩(キム・ヂョンウン)北韓国務委員長との直接の出会いを追求するという意思を明らかにした。

韓半島の平和プロセスが多国間の外交構図に転換するかもしれない時点で、日本の「コリアパッシング」宣言は韓国の外交的地位を大幅に萎縮させるという懸念が提起される。読売新聞は28日、米国と日本が北・中・露の大陸間弾道ミサイル(ICBM)攻撃を想定して、追加の大型レーダーを両国内に配置する案を議論していると報道した。韓・日関係の消息通は「日米間の防衛協力の議論の過程から、韓国が抜けた状況は心配だ」と話した。

両国に山積した国内政治イベントは今後も当分のあいだ、韓・日関係の足首をつかむという心配も出ている。ソウル大のパク・チョルフイ国際大学院長は、「韓国は3月1日に3・1運動と大韓民国臨時政府樹立100周年を迎え、日本でも4月の地方選挙、7月の参議院選挙があるなど、政治イベントが山積した状況」だとし「ここ数か月の間は梗塞状態を避けることはできないだろう」と指摘した。

ただし北韓側がこのような安倍首相の「ラブコール」に応えるかは未知数だ。北側としては日本との対話が行われても、実質的には解決困難な拉致問題が争点化される可能性が高いことが負担になるからだ。専門家らは感情的な対応を自制しながら、首脳間の対話を介して妥協しなければならないと指摘した。ユン・ドクミン前国立外交院長は、「両国の葛藤は信頼があれば修正される問題」だとし、「大統領が直接乗り出して日本首脳のチャンネルを作り、信頼を回復するプロセスを通じて解決方法を見いだすべき」だと述べた。

韓・日間の軍事交流も縮小段階に入った。韓国海軍は2月に予定された東海第1艦隊司令官の、日本の海上自衛隊の基地訪問計画を取り消した。日本も4月末のアセアン(ASEAN)拡大国防相会議(ADMM-Plus)を契機に開催される国際海洋安全保障共同訓練を迎えて護衛艦「いずも」を釜山港に派遣しようとしていた計画をキャンセルする方向で検討に入ったことが分かった。

一方でこの日、ハリー・ハリス駐韓米国大使がチョン・ギョンドゥ国防部長官に会って、韓日「レーダー・ 脅威飛行葛藤」問題を議論したと伝えられて、米国が韓・日のあいだで調停に乗り出すのかが注目される。日本の強制徴用賠償問題などの歴史的課題に続き、軍事的緊張にまで韓・日の葛藤が増幅されていることから、米国としては韓・米・日の3者の協力を強化することが重要だと判断することがありうる。韓・日軍事対話が断絶した状況で米国が仲裁に乗り出した場合、両国間の対立の様相は緩和される可能性もある。特にハリス大使が赴任前までは米軍インド太平洋司令官を務めた海軍の四つ星出身であるだけに、韓・日の哨戒機葛藤と関連して深い議論が進行されただろうという観測が出ている。
  • 毎日経済_東京=チョン・ウク特派員/ソウル=アン・ヂョンフン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2019-01-28 23:43:57




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