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米・北会談「寧辺廃棄が会談の成否を分ける」


ハノイでの米・北首脳会談が一週間後に近づいたが、まだ双方が具体的に何をやりとりするのかは霧の中だ。スティーブン・ビーガン米国国務省対北政策特別代表の平壌訪問の後、われわれの側は関係者を介して伝えられた発言から推定したときに、まずは双方がやりとりするカードは10枚前後と推定される。ただし、北韓は金正恩国務委員長の新年辞の肉声で開城工業団地と金剛山観光再開を要求しただけで、自分たちがさし出す非核化措置については口を閉ざしている。

一部では、金委員長が習近平中国国家主席との会談で、「国際社会が歓迎する結果を得るために努力する」と述べた点などから推して、「寧辺+アルファ」まで出すだろうという期待感も示している。

とは言え米国内の専門家らは、まだ北韓の前向きな変化を楽観視するに値する証拠はないという現実論に傾いている。これに対し、毎日経済新聞と18日(現地時間)にインタビューした米国の北韓専門家ら4人は共通して、北韓の寧辺核施設の廃棄と国際検証の受け入れを、今回の会談を成功だと評価できる「条件」だと指摘した。米国は少なくともこれだけは北韓から受けとってこそ、今回の会談の意味を見つけることができるという分析だ。

ロバート・ガルーチ前国務省北韓核特使は、「今回の会談で実質的な非核化の進展を成し遂げることを望む」とし、「寧辺のすべての核施設を国際的検証の下で解体し、米・北関係の正常化措置と交換するのが望ましい」と語った。ガルーチ前特使は、北韓が寧辺核施設の完全な廃棄に同意する場合、米国側が韓国戦争の終戦宣言や部分制裁緩和まで譲歩する可能性があると予想した。

ガルーチ前特使は「(寧辺廃棄に加えて)最終的な非核化の目標に向けたロードマップに肉をつけていくために、双方が継続して交渉を行うという計画まで出すならもっと積極的」だとし、「しかしドナルド・トランプ米国大統領は、韓・米同盟に衝撃を与えうる譲歩は絶対行ってはいけない」と強調した。米国の代表的シンクタンクの一つであるランド研究所のブルース・ベネット上級研究員は、寧辺の核施設の廃棄だけでは「ベストシナリオ」と見ることはむつかしいとし、目線を少し高めた。ベネット上級研究員は、「キム・ジョンウン委員長がもはや核兵器を生産しないと確約しても、米国側の相応の措置はそれ以降に提供するのが最善のシナリオ」だとし、「核拡散防止条約(NPT)の5つの主要国がそれぞれにチームを設け、3月からすぐに査察に入るならなお良いだろう」と語った。非核化のためには核凍結が1次課題であり、これを確認するための国際査察が必ずともなうべきというわけだ。

しかしベネット研究員も北韓がこのように前向きな姿勢で出てくる可能性は低く見積もる。ベネット研究員は「現実的に金委員長はプンゲリ核実験場と東倉里ミサイルエンジン試験場程度の検証と廃棄をさし出すものと思える」とし、「北韓が寧辺の老朽原子炉程度を追加で閉鎖することはありうるが、その程度を非核化のための真正性ある措置と見ることは難しい」と指摘した。ベネット研究員は米国側が提供する相応の措置としては、「連絡事務所の開設や北韓の大学生をアメリカの大学に留学させるなど、人的交流を増やすことは良い」とし、「北韓が前向きに乗り出した場合、核兵器の順削減(net reduction)を条件として、制裁緩和を準備することも可能だろう」とした。つまり制裁緩和は核凍結を超えて、核削減が実際に行われた時に起動するべきだという意味だ。

ベネット研究員はガルーチ前特使とは異なり、終戦宣言は今回の会談に含んではいけないという否定的な意見を提示した。ベネット研究員は「終戦宣言は韓国戦争の時期にのみ限定されるだけで、北韓の核・ミサイル開発まで含む平和宣言の概念になることはできない」とし、「現段階で終戦宣言は平和を意味することはできない」と強調した。国内の保守陣営も終戦宣言が行われた場合、韓米連合軍司令部の解体や韓・米軍事訓練の永久中断の要求などが不可避だとして反対意見を出している。

ジョージ・ワシントン大学のグレッグ・ブレジンスキー教授は、「寧辺の核施設の解体は非核化の未来を明るくする最初のステップになりうる」とし、「米国も相応する対価をともなうだろうが、トランプ大統領は非核化のための真の進展を成し遂げたと誇るだろう」と述べた。ブレジンスキー教授は「(寧辺だけでなく)北韓が既存の核兵器の部分解体まで約束するのがベスト」だとしながらも、「現実的には北韓が大きな譲歩をする可能性を見せてくれる進展はあらわれていない」と指摘した。

よしんば実質的な非核化措置が不足しても、米国側が一部譲歩の措置を出す可能性も提起した。ブレジンスキー教授は「トランプ大統領はシンガポールの時よりも、何か実質的な成果を持ってもどらなければならないことを認識している」とし、「交渉を継続するためにトランプ政府は何かを提供する可能性が高い」と予想した。アンドリュー・ヨ米国カトリック大学教授は、「今回の会談では具体的な結果を出す必要があるという圧力を、両首脳がともに感じている」とし、「寧辺解体はビッグディールだということは難しいが、非核化のための具体的な最初のステップとなることができる」と述べた。続いて「北韓が現在の核施設の現況に対してより正確な情報を提供することにして、第3者の査察と検証までを受け入れれば最善のシナリオになりうる」と説明した。
  • 毎日経済_ワシントン=シン・ホンチョル特派員 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2019-02-19 17:39:28




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