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Kポップ育てたが...公演収益は海外に「だらだら」

急がれる公演施設の充実 

◆ 成長の突破口「サービス産業」 ◆

「プロサッカーKリーグの試合がある日には、いくら防弾少年団(BTS)やエキソ(EXO)の公演でも席をゆずらなくてはならない」。 25年の歴史と150万の累積観客を誇る「ドリームコンサート」を主管する韓国芸能製作者協会のキム・ミョンス事務局長の愚痴だ。ドリームコンサートはKポップの位相拡大と世界的イベントとして位置づけられたが、主催側としては毎年会場をとることはそれほど容易なことではない。

国内には大型コンサートを繰り広げる専門公演会場がないことから体育施設を利用しており、主要な競技場を管理するソウル市条例上、音楽公演は体育施設の利用度では最下位に該当するからだ。

キム・ミョンス局長は「ワールドカップ競技場は2月にリーグ日程を確定した後になって、ようやく音楽ステージの日付を指定することができるので、5月に開催されるドリームコンサートまでの3カ月以内にすべての準備作業を終えなければならないという状況が繰り返される」とし、「国外公演の日程がタイトなグローバル韓流スターらとスケジュールを合わせることは不可能に近い」と難しさを吐露した。

昨年末、日本のさいたまスーパーアリーナで開かれたKポップ受賞式を訪れたアン・ユジンさん(25才、仮名)。この授賞式は昨年初めて韓国スケジュールを含めて計3回(韓国・日本・香港)開催されたが、アンさんは日本の授賞式観覧を選択した。彼女は「会場の規模のために韓国での開催は出演者も少なく、ステージ数も少なくて関心がわかなかった」とし、「東京周辺の観光も兼ねて、専門の公演会場で開かれる日本での授賞式を観覧することに決めた」と言う。

世界的なKポップスターたちがいざ韓国では専門の公演会場がない「間借り暮らし」をする寸劇が繰り返されている。政府は2024年のオープンを目標に、ソウル市の壯洞(チャンドン)に専門公演会場を設立する計画だが、今日のKポップの地位を考慮すると、より大胆な公演インフラへの投資が必要だという指摘が出ている。

特にコンサートを観覧するために訪韓する観光客までを勘案すれば、早急にKポップ公演施設を拡充する必要があるという声が高い。韓国開発研究院(KDI)のキム・ヨンソン専任研究委員は、「韓国の主力産業全般に警告灯が点灯している状況であるだけにKポップやeスポーツなど、世界最高のコンテンツを保有している文化産業を国家が戦略的に育成する必要がある」とし、「コンテンツの付加価値創出を極大化するインフラへの投資は、成長停滞に陥った韓国経済に最も速く効果を出すことができる代表的な政策だ」と語った。

しかし公演施設が不足しているせいで、国内公演市場はかえって縮小している。韓国コンテンツ振興院の調査によると、「この1年間に音楽公演を観覧したことがあるか」という質問に「ある」と答えた割合は、2015年の47.5%から2017年は33.0%に急減した。コンテンツ振興院のソン・ミギョン研究委員は、「Kポップは拡大を続けているが、国内では韓流スターを誘致する公演施設が全体的に不足し、国内の公演市場が縮小する変な結果が出ている」と語る。KDIのチェ・ジョンピョ院長は、「公演会場のようなサービス社会間接資本(SOC)は、下降局面に陥った国内経済に活力を吹き入れて雇用を作ることができる効果的な政策」だとし、「政府は積極的なサービス産業の育成政策を広げる必要がある」と語った。
  • 毎日経済_ムン・ヂェヨン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2019-05-03 18:29:04




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