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「遺体のない殺人事件」…容疑立証可能か?

「済州島前夫殺害事件」 

国民的公憤をまき起こした「済州前夫殺害事件」のコ・ユジョン被疑者(36)の殺人容疑を立証できるのかを懸念する声が出ている。前夫のカンさん(36)の遺体が、事件発生後ひと月近くになるのに発見されずにいるからだ。今回の事件がいわゆる「遺体のない殺人事件」になるかもしれない。

警察は5日、仁川西区のあるリサイクル業者でカンさんのものと推定される、ラーメン箱2個分の骨と推定される物体を発見して国立科学捜査研究院に鑑定を依頼したが、動物の骨との結論が出た。

18日にも京畿道金浦市の焼却場で骨片40点を発見し、現在は分析の結果を待っている。しかし、500~600度の高温で処理された後、1~2㎝以下に断片化した状態であるため、被害者のものであることを確認することは容易ではないようだ。警察はコ被疑者がカン被害者の遺体を毀損して海上に遺棄した情況も把握し、海上でも調査を行っているが、同様に成果を上げられずにいる。

以前にも何度か、死体を発見できなかった殺人事件が発生した。しかし、犯行の動機や計画的犯行であることが明らか場合、裁判所は犯人にとまどうことなく鉄槌を下した。

4年前に京畿道華城市で発生した別名「肉切機殺人事件」や、2010年に釜山で発生した「遺体のない殺人事件」などが代表的だ。

当時、大きな話題を集めた肉切機殺人事件の犯人は、求愛を拒絶した家主の女性の金品を狙って計画的に殺害した。警察は当時、「とぼけ」で一貫していた犯人の行動を追って、ついに遺体を毀損した肉切機(肉屋で牛や豚の骨を切る時に使う道具)とのこぎりの刃から被害者の人体組織を発見した。

また、犯人がインターネット検索を通じて人体解剖と関連したドキュメントやビデオをダウンロードしてコンピュータのフォルダに別途に保存し、被害者が行方不明になる4日前に中古の肉切機を購入した事実も確認し、迷宮に陥った事件を解決した。

2010年に釜山で発生した「遺体のない殺人事件」は明確な他殺の証拠がなく、殺人と関連する状況証拠のみの状況で犯人の有罪が立証された事例だ。

この事件は20代の女性の遺体を火葬した後、まるで死亡したかのように偽って巨額の保険金を受けとろうとした猟奇的事件だった。

当時、犯人のA氏(当時40才、女性)は、2010年5月に24億ウォン相当の生命保険に加入した後、6月中旬に大邱のとあるヨソンシュイムト(女性シェルター)で紹介されたB氏(当時26才、女性)を釜山に連れて来た次の日の夜明け、まだ明らかにされていない方法で殺害して遺体を火葬した。そしてまるで自分が亡くなったかのように書類を粉飾し、保険金を引き出そうとしたが行が明らかになった。ただし、死体がなかったので解剖を通じて死因を明らかにすることは不可能だった。

しかし大法院(最高裁)判決は、A氏が経済的に困難な状況で複数の生命保険に加入した後、被害者に計画的にアプローチしたことから見て殺害の動機が十分であり、インターネットを通じて毒と殺人方法などを検索したことなどを計画犯行の証拠として認め、A氏に対する無期懲役を確定した。

今回の前夫殺害事件を警察から渡された検察は、コ・ユジョン被疑者の容疑を立証するところに大きな問題なないという立場だ。被害者のDNAが発見された凶器などの証拠が89点に達し、コ・ユジョン被疑者もいったん殺人を認めているからだ。

さらにコ被疑者が、前夫と子供の最初の面接交渉が指定された次の日から半月の間に犯行を計画した情況も明らかになった。

今後は検察が補強捜査を通じて、コ被疑者の犯行動機と計画犯行などについてどのていど忠実に証明するかによって、裁判の結果が克明に分かれると思われる。

今回の事件の場合、検察とコ・ユジョン被疑者側は犠牲者に帰責事由がある斟酌動機殺人なのか、極端な人命軽視殺人なのかをめぐって裁判で激しい攻防が繰り広げられる可能性が大きい。

殺人犯罪に対する裁判所の量刑基準は、犯行の動機に基づいて ▲斟酌動機殺人4~6年、▲通常動機殺人10~16年、▲避難動機殺人15~20年、▲重大犯罪結合殺人は20年以上または無期、▲極端人命経時殺人は23年以上または無期などに分けられる。
  • 毎日経済デジタルニュース局 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2019-06-23 12:33:38




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