北韓、実務交渉直前の「ストレステスト」…SLBM挑発



北韓は米・北実務交渉再開を二日後に控えて、ワシントンの対話の意志に対する高強度のストレステスト(stress test)を試みた。

2日、北韓は3年ぶりに東海上から新型潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の「北極星-3型」と推定される発射体を打ち上げた。前日の夕方、チェ・ソニ外務省第1部長の談話で実務交渉再開を宣言してからわずか13時間後だった。北側は明らかに国連決議違反であるSLBMを取り出して、交渉再開直前に版をゆらしたわけだ。

北側はこの日に発射したSLBMを、対米実務交渉の成果を見積もる「リトマス紙」にするという意図を持つものと思われる。ドナルド・トランプ米大統領がすでに短距離弾道ミサイルを事実上容認した中で、国連決議違反のベースラインを超えた状況を作って、米国の交渉意志を試そうというものだ。

統一研究院のホン・ミン北韓研究室長は、「短距離ミサイル発射時のように容認するか、または交渉日程を延期するにしても(北側に)強く警告するのかに対し選択を要求することにより、米国の態度を推し量るというもの」だと北側の本音を分析した。

ワシントンでも北側が新型兵器を次々と披露して対米交渉力を高め、米国の要求レベルを下げるためにこの日の挑発に乗り出したとの見方が提起される。ハリー・カジアニス米国国家利益センター韓国担当局長は、「時間が経つにつれて自分たちの軍事能力が強化されるという点を見せようすることが北韓の明確な意図」だとし、「米国が完全非核化という要求から離れるように作りあげるもの」だと説明した。

北側は今回の発射で実務交渉の緊張感と注目度を高める効果を期待したものだとも観測される。南側はもちろん太平洋にある米軍の主要軍事施設を打撃する多様な能力を備えていることを誇示しつつ、交渉の主導権を握るという布石だ。これによって自分たちの最大の交渉目標である、△政治(体制維持)、△軍事(韓米軍事訓練の廃止・縮小)、△経済(制裁解除)の包括的安全保障を引き出そうという意志を見せたわけだ。

北側は米・北交渉に先立ち、内部から出てくる安全保障への懸念を払拭するために軍事パフォーマンスを繰り広げる必要もある。このために北側は今年の7月、金正恩(キム・ヂョンウン)国務委員長が直接乗り出してSLBM発射用新型潜水艦を公開し、SLBM発射をほのめかした。

前日に韓国が「国軍の日」行事でステルス戦闘機であるF-35Aを公開したことが、北側のSLBM発射の原因になったという観測も出ている。韓国が最先端の戦略資産を保有することになった状況について、韓国はもちろん、これを販売した米国に対する拒否感をSLBMの発射で表現したわけだ。北側が開発完成段階に達した3000トン級の新型潜水艦とSLBMを米・北実務交渉以前に試験しなければならない技術的な必要性も考慮した可能性がある。米国は北韓のSLBM発射に一度「low-key」で対応する姿を見せた。

米国国務省の高官はこの日の論評要求に、「状況を継続注視しており、域内の同盟と緊密に議論している」とし、原論的立場だけを明らかにした。これまで米国が北韓の反復する短距離弾道ミサイルの試験をわざと傍観したことは、実務交渉再開のための戦術的忍耐だった側面が大きい。このことを勘案すると、トランプ大統領が短距離弾道ミサイルの試験発射は米・北首脳間の約束違反ではないという「ガイドライン」を設定したために、大陸間弾道ミサイル(ICBM)ではない試験もとりあえず容認する可能性がある。弾劾手続の開始で大変な苦労をしているトランプ大統領のツイッターは、1日(現地時間)沈黙を守った。ワシントンの一部では北韓がボルトン前ホワイトハウス国家安保補佐官の空白と、トランプ大統領に対する下院の弾劾調査を一種の「機会」として認識しているという解釈も出ている。

一方、4~5日に開かれる予定の実務会議の場所は、スウェーデンのストックホルムが有力になった。北韓の実務交渉の代表であるキム・ミョンギル外務省巡回大使は3日午後、中国の北京から出発する中国国際航空のストックホルム行き航空機の搭乗者リストに名前の上げたことが確認された。あわせてキム大使は片道チケットを買ったことが伝えられ、交渉が長期化する可能性も念頭に置いていると見られる。

中立国であるスウェーデンは去る1月にチェ・ソニ北韓外務省第1部長、スティーブン・ビーガン米国務省対北特別代表、イ・ドンフン外交部韓半島平和交渉本部長などの南・北・米の北核首席代表が一つ所に集まって合宿対談を行った場所だ。米国は今回の実務交渉に先立って北側にスウェーデンを交渉場所として提案したことが伝えられた。政府は現在、外交部内北核問題を担当する実務陣を現場へ派遣する方案を検討している。
  • 毎日経済_ワシントン=シン・ホンチョル特派員/ソウル=キム・ソンフン記者/アン・ジョンフン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2019-10-02 23:16:39