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東国大、がん誘発ウイルスではなく電磁波で逆分化幹細胞(iPS) 生成に成功


  • 東国大、がん誘発ウイルスではなく電磁波で逆分化幹細胞(iPS) 生成に成功
韓国の研究チームが電磁波を細胞に加え、すべての臓器や器官に分化することができる「幹細胞」を作ることに成功した。これは、既存の幹細胞を作成する技術が持っていた癌を発生させるような副作用を回避することができる技術として評価され、今後の再生医療の分野で多様に活用されると期待される。

東国大学の生命工学化キム・ジョンピル教授と同じ大学のペク・スンボン研究者の共同研究チームは、マウスの体細胞に電磁波を加え「逆分化幹細胞(iPS)」にする実験に成功したと6日、明らかにした。研究の結果は、ナノテクノロジー分野の権威誌として知られている「ACSnano」の最新号に掲載された。

iPSは成長した細胞に人為的な刺激を加えて、人体のすべての臓器に分化が可能になるように作られた細胞をいう。iPSを開発した日本京都大学の山中伸也教授は功績を認められ、2012年にノーベル生理学・医学賞を受賞した。iPSを作るためには、成長した体細胞にウイルスを利用して4つの遺伝子を入れなければならならない。しかし、この過程には副作用が存在する。体细胞を幹細胞にするためには、「Klf4」「c-Myc」「Sox2」「Oct4」などの遗伝子を入れなければならないが、この過程でウイルスの増殖によりがんが発生する確率があった。特に遺伝子のc-Myc、Klf4が癌を誘発する原因として挙げられた。また、作製効率が低く、複数回試しても幹細胞が作られる割合が少なかった。

研究チームは、がん誘発遺伝子を削除してOct4の遺伝子をマウスの体細胞に入れた後、極低周波を当てると、時間を遡って幹細胞に戻ることを確認した。

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細胞が電磁波に露出したときに核内にある「クロマチン(細胞核の中に存在する色素)」の構造が変化し、細胞を、過去に戻す物質が活性化された。キム・ジョンピル教授は「クロマチンが活性化し細胞の運命を過去に戻す遺伝子たちも一緒に活性化された」と「最終的に電磁波を介してiPSを作ることができることを確認した」と説明した。研究チームは、電磁波動エネルギーを利用した場合、逆分化幹細胞の作製効率が従来の逆分化技術に比べて約37倍向上したことを確認したと付け加えた。

研究チームが、この技術を開発されたのは昨年初めだった。しかし、関連性を学術誌に提出したところ、新しい技術という評価を受け、徹底した確認作業が続いた。特に今年初めに日本で発表して話題になった「STAP細胞」に関連する論文が撤回され、審査はより厳格に行われたと伝えられた。結局、1年6か月の審査期間を経て学術誌に掲載された。

研究チームは、今回の技術が今後の安定した患者オーダーメード型幹細胞治療に重要な役割をすることができるものと期待している。また、電磁波を活用した細胞切り替え技術の原因を検出することによって、既存に知られていたさまざまな種類の幹細胞および再生医学にも適用することができると見込んでいる。

キム・ジョンピル教授は「電磁波動エネルギーと呼ばれる新しいタイプの細胞刺激を利用して細胞の運命を制御する技術を確立した」とし、「これにより、癌細胞因子のような危険因子を減らしつつ、効率的に幹細胞の製作が可能なため、治療実用化のための基盤を提供した」と付け加えた。

■ 用語説明
逆分化幹細胞(iPS):既に分化が終わった体細胞に特定の遺伝子を注入するなど、人為的な刺激を加えて、人体のすべての臓器に分化が可能になる細胞をいう。女性の卵子から核を除去した後、体細胞の核を注入して作る胚幹細胞とは異なり、細胞のみで作ることができる。
  • 毎日経済_ウォン・ホソプ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2014-10-06 17:12:44




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