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沐浴は補薬、体の状態や疾患によって水の温度を変えて

沐浴・スパ・半身浴・足浴・手浴 

  • 沐浴は補薬、体の状態や疾患によって水の温度を変えて
寒さが猛威を振るっている。厳しい寒さは私たちの体の免疫力まで低下させ、脳心血管疾患をはじめ風邪・皮膚病・脊髄・関節痛などを誘発したりもする。このため、寒ければ寒いほど体温が低下しないよう措置しなければならない。体温が1度落ちると免疫力が30%弱くなるが、体温が1度上がると免疫力が5~6倍も強くなる。

体温を上げる最も良い方法は運動をすることだが、容易でなければ普段、温かい水をよく飲み、熱い水に体を浸すことだ。沐浴(スパ)や温泉浴が良いという話だ。

『東医宝鑑』湯液篇にも、温泉浴は筋肉と骨のけいれん、肌の感覚が鈍いこと、皮膚疾患などに卓越した効能があると記述されている。

日本の長寿学者も、現代人の全ての疾病は「体温低下」のせいで生じるとし、運動とともに沐浴を勧める。日本の石原結實博士は、「自分の体温より4度程度高い水で沐浴をする生活習慣が免疫力を高め、寿命を延長させることができる最も効果的な健康法」だと話す。安保徹博士は、「自分の体温より若干高い熱い水(39度以内)に体を浸すと、末梢血管が拡張し、血液循環が良くなり酸素や栄養分が末梢組織まで供給され、新陳代謝がよくなる」とし、「体を洗う時、シャワーのみせず、浴槽に入って体温を上げて」と助言する。

しかし、事前情報なしに沐浴を長い間するようになると、むしろ健康を害し、疲労のみ加重させる恐れがある。熱すぎる水(42度以上)では、むしろ交感神経が刺激され末梢血管が収縮し、血圧が上昇しながら心拍数が増加する。そして、継続した水分損失によって血液の凝固性が高くなり、心筋梗塞や脳梗塞の危険が増加する。

▶ 体の状態や疾患によって水の温度を変えてこそ…

運動で汗を流すと爽やかさを感じるように、サウナに入りながら汗を体外に排出すると、言葉にできない爽やかさを感じる。現代医学は、交感神経の緊張がほぐされ、副交感神経の活動が活発になりながら、安定状態になったからだと説明する。このようになると、脳からβ-エンドルフィンのような快感物質が分泌され、血液の中のNK細胞(癌細胞などを攻撃する細胞)が活性化され、免疫力が強くなる。

沐浴(スパ)は、温度と方法によって体に与える効能が異なる。高温(42~45度)は疲労解消を速くする。これは体の代謝機能が活発になり、乳酸がはやく排出されるからだ。ストレス解消と筋肉弛緩にも良い。また、鎮痛作用と筋肉弛緩作用もある。しかし、高い温度の水の中に長い間いると、エネルギー消耗が多くなり、かえって体が疲れる。43度以上では8分、45度以上では5分以内が良い。

中温(40~41度)は、神経痛弛緩に役立つ。腰痛や肩部痛、頸部痛などの痛み弛緩に効果がある。美容のためのスパは40度前後が望ましい。熱すぎると皮膚に刺激を与えるからだ。糖尿病や動脈硬化症があるなら、中温スパが良い。微温(36~39度)は人の体温と類似しているか若干高く、血液循環・筋肉弛緩・睡眠に良い。漢江ソンシム病院リハビリ医学科チャン・キオン教授は、「微温スパは、高血圧や心臓病、循環器系疾患がある人も安心して楽しめる」とし、「また、相対的に長く楽しむことができ、休養目的のスパに適合する」と説明した。

▶ 入浴前水を飲み、女性は化粧を落としてこそ…

沐浴(スパ)も要領がある。先に水に入る15~20分前に水を飲む。入浴前に飲む水1カップは、体内の老廃物を排出させるのに助けを与えるだけでなく、スパを通じて損失される水分を補充してくれる。女性は入浴前に化粧を必ず落とす。化粧品が毛穴を塞いでおり、老廃物が皮膚の外へ抜け出ることを妨害するからだ。

スパは食事や飲酒をした後2時間以内にはしないことが望ましい。食事後のスパは、消化のため胃腸に集まった血液を皮膚表面の血管に導き、消化を妨害する。飲酒後のスパも同様だ。酒が体内に入ると脈拍を増加させ血圧を上昇させるが、この時熱い水中に入ると血圧と脈拍の調節能力が低下し、心臓に負担を与える。しかし、飲酒後、2時間以上過ぎた後のスパは、代謝亢進でアルコール排出を増加させ、二日酔い解消に助けを与える。

乾燥した冬季スパの適正時間は20分程度、微温でも30分を超えないことが良い。体を浸す時間が30分を超えると、体温均衡を破りかえって健康に良くない。また、過度に長い間体を浸していると、皮膚の水分と油分が抜け出し、ともすると皮膚乾燥症を誘発させるようになる。

美容目的のスパをする時、皮膚を強くこすり過ぎるのは良くない。瞬間的にはさっぱりした感じになるかもしれないが、むしろ皮膚層を損傷させ皮膚保護膜が弱くなる。柔らかい布やスポンジで柔らかくこすり、皮膚代謝を促進させなければならない。ボディスクラブ剤を使うのも助けになる。スパを終えた後には、オイルマッサージをしたり保湿力が良いボディクリーム、ローションを十分に塗り、皮膚に水分を補充してあげる。

▶ 高血圧・心臓疾患者・老人は半身浴を…

スパ(沐浴)だからといって必ずしも全身を熱い水に浸けて楽しむべきものではない。半身浴・温冷交代浴・足浴・手浴なども体に良い。

半身浴は、年齢が高い高血圧患者や普段、狭心症・心筋梗塞のような心臓疾患を患っている人に勧める価値がある。全身を浴槽に浸すと、水圧により腹胃が3~5センチメートル減る。これは、下半身と体の血液が心臓にさらに多く入ってくるようにし、負担を与えるようになる。

このため、高齢者や心臓病・呼吸器疾患者は、みぞおちの下まで浸る半身浴が望ましい。半身浴は、開始後3分ほどになると、脈拍が正常になり、血圧も一時的に上昇してからすぐに正常に維持されるが、全身浴は、持続的に脈拍が速く血圧が高くなり、心臓に負担を与える恐れがある。外部に露出された上半身が寒く感じる時は、温かい水を上半身に20~30秒間少し浴びせ、体を適応させる。

半身浴は、38~40度の温かい水に20~30分間体を浸ける。水は胃がある高さまで来るようにし、最後には水の温度を高め、体の中心部まで温めた後に浴槽から出る。半身浴は、下半身だけに水圧が作用するため、下半身の血液循環が活発になり、むくみが鎮まる。

足浴は、全身浴をする時ほど体温が急激に上がらず、体が弱い人に負担がない。足浴は、40度程度の温かい水に20~30分間足を浸す。水が冷めると熱い水をさらに入れる。手も温かい水に浸すと健康に良い。手浴は、42度程度の水に両側の手首下部分を10~15分程度浸す。

温冷交代浴は、温かい水で5分、冷たい水で3分を4~5回反復するものだ。注意するべき点は、温湯で始め温湯で終えなければならないという点だ。暖かい水から冷たい水へすぐに入るのが難しければ、冷たい水を体に浴びせる方法に代替しても良い。温冷交代浴は血管反応を強化し、自律神経系の活動を高め自律神経失調症や循環器系痛の患者に効果がある。高血圧・動脈硬化・心臓病患者は温冷交代浴をしてはだめだ。
  • 毎日経済_イ・ビョンムン | (C) mk.co.kr
  • 入力 2012-12-11 12:00:00




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