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3Dプリンティング技術を活用した生体移植時代の開幕

生技院・中央大病院が毒性のないチタン頭蓋骨の移植手術にはじめて成功 

韓国の研究陣が3Dプリンターで作成した純粋なチタンの頭蓋骨が患者に初めて移植された。従来使用していた合金とは異なり、毒性や副作用がないだけでなく価格を3分の1に減らすことができ、今後、さまざまな医療分野に適用されるものと期待される。

韓国生産技術研究院(生技院)江原地域本部積層成形加工グループの3Dプリンティング技術センターの研究陣は5日、中央大学病院と共に3Dプリンティング技術を通して「純粋チタン」素材の生体移植用の頭蓋骨を開発し、これを用いた移植手術を施行した。

中央大病院神経外科のクォン・ジョンテク教授チームはこの日、「脳くも膜下出血」で脳が異常に膨れ上がり頭蓋骨が陥没した60代の女性患者に、3Dプリンティング頭蓋骨移植手術を実施した。手術は成功し、現在、患者は回復していることが分かった。

手術に使用された3Dプリンティング頭蓋骨は生技院が独自に開発した技術を適用し、患者の頭に合わせて製作した純粋チタン金属だ。従来は、強度を高めるためにチタンにアルミニウムとバナジウムを混合していた。しかし、アルミニウムはアルツハイマー病の原因となることがあり、バナジウムは生体毒性があるという問題点があった。

生技院は「急速冷却および金属溶融」技法を適用し、これを解決した。 3Dプリンターで頭蓋骨を作りながらチタンを溶かし固める作業を繰り返すと、内部にある微量の不純物がチタンに均等に広がりながら強度が向上する。

イ・チャンウ製技院江原地域本部長は「微細な粒子が金属に均等に広がれば、内部に存在する微細亀裂が拡大しないながらも強度が高くなる」とし「人体有害論争から抜け出し、人体挿入構造物生産の道を開いた」と話した。研究陣が開発した純粋チタン素材は、従来の合金に比べ95%に達する強度を実現した。

研究陣は今後、手術の経過を見守った後、継続して臨床を進めていく計画だ。イ本部長は「今後は膝関節、股関節、肩関節などに拡大していけるように研究開発をしていく計画」とし「既存の合金に比べて価格も手頃なだけに、今後、米国市場などの進出も推進していく」と話した。
  • 毎日経済 ウォン・ホソプ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2016-04-05 16:32:07




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