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3040妊娠中の女性の選択は?自然分娩vs帝王切開


職場に通うチェ・ユンミ氏(36)は、最近結婚5年ぶりに初めての子供を出産した。高齢出産のため妊娠初期から帝王切開を考えたが、友人が自然分娩したという声を聞き悩みながら、病院まで変えて子供を産んだ。担当医者は「応急状況が発生すれば直ちに対処が可能なので、自然分娩を試みよう」と彼女に力を与えてくれた。彼女は、「非常に激しい陣痛が9時間ほど続く時だけでも「手術」を叫んだが、今思えば当時の誘惑によく勝ち抜いたようだと自ら感心だ。

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最近子供を産んだチョ・ギョンスン氏(37)は、予定日を2ヶ月ほど控えた1月から、出産方法として帝王切開を選択した。彼女は、普段注射針だけ見ても恐ろしくて体が震え、出産の苦痛に耐えられる自信がなかった。医者はやはり安全上、帝王切開を選ぶほうが良いとし、手術を勧めた。しかし、2日間何も出来ないままベッドに横になっていなければならなかった。食事どころか痛みが激しく、子供さえきちんと抱いていれなかった。1日でも早く家に帰りたいが、これから5日ほど更に入院しなければならない。

自然分娩をしたチェ・ユンミ氏と、帝王切開を選択したチョ・ギョンスン氏、2人の産婦は年齢と妊娠週数が似ていたが出産方法は違った。手術後、回復速度と退院日時にも違いが生じた。

自然分娩が産婦や子供に良いという事実は幼い子供でも分かる。翰林大江南聖心病院女性専門センターのパク・ソンホ教授は、「妊婦のすべてが『自然分娩が良い』とことについて知っている。しかし、医者がどれほど自然分娩への意思を持って患者に説明するかが選択に多くの影響を及ぼす」とし、「帝王切開は自然分娩が不可能なときに選択する『最後の砦だ』。そのため、応急システムを備えた病院はいつでも手術が可能なので自然分娩を誘導する」と語った。

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一般的に、大学病院は自然分娩を積極的に勧めるほうだが、一般病院は微温的だ。一般病院は、麻酔痛症医学の専門医が常駐しないところも多い。予定された手術に限り医者を招聘してみると、帝王切開の可能性がある場合は事前に予約をとることが数多い。

韓国の帝王切開率は36.4%で、OECDの勧告値である5~15%より2倍以上高い。健康保険管理公団によると、2011年帝王切開手術は16万1793件に達した。このうち、早期の羊膜破裂、前置胎盤のように帝王切開が避けられない事例は2万80件に過ぎなかった。

帝王切開は産婦の骨盤に異常があるか、早期陣痛、胎盤早期分離、胎児の位置異常による難産、出産中の胎児の心拍動異常のような症状があるときに実施する。このような基準に適合しなくても、出産に対する恐怖で帝王切開を選択する妊婦も少なくない。

医療技術の発達も帝王切開の選択に影響を及ぼした。過去には、帝王切開時に非常に大きい切開の跡が残ったが、最近はビキニラインの内側に切開して傷跡なしで手術する。また、後遺症が減り副作用もほとんどない。一部の病院が勧めるのも帝王切開増加に一役買っている。

初産帝王切開率は、2008年35.7%から2009年35.8%、2010年36.1%、2011年36.5%に着実に増加した。初産時帝王切開率が急増する理由は、高危険妊娠のためだ。遅い結婚で35歳以上の妊婦が増えたという話だ。

統計庁によると、韓国の平均結婚年齢は2008年男性31.38歳、女性28.32歳で、2011年男性31.9歳、女性29.14歳に高まった。

初めての子供を出産した年齢はやはり20歳後半は減った一方、30代と40代は増えた。1000人当たりの出産率が25~29歳は2008年85.6人だったが2011年には78.4人に減り、30~34歳は2008年101.5人から2011年には114.4人、35~39歳は2008年26.5人から2011年には35.4人、40~44歳は2008年3.2人から2011年には4.6人に増えた。初産年齢が20代から30代、40代に変わってきているという話だ。

高危険妊娠は一般妊娠に比べて、奇形児出産率と妊娠中毒症にかかる可能性が高く、産婦と胎児の健康が危うくなる事がある。このため、出産時、自然分娩よりも帝王切開を優先とする。

自然分娩は、知られているように産婦と胎児の両方に善い。9時間ほど続く陣痛は死の入り口まで届くほど苦痛だが、その瞬間が過ぎれば全てのことが平和だ。最近自然分娩で子供を産んだアン・ソンファ氏(28)は、「子供を40週近くお腹の中に抱いたが、母性愛が大きいというわけではなかった。しかし、陣痛後、私の懐に抱かれた子供を見た瞬間『私も母親になったんだな。私がやり遂げたんだな』という考えに胸がいっぱいになった。何にも変えられない感動的な瞬間だった」と所感を語った。

自然分娩は入院期間が平均3.3日(帝王切開は6.8日)であり入院費も安い。痛みのない注射と乳幼児健診、1人部屋利用、食事費を含んでも60~70万なら十分だ。

産婦が感染する可能性も低い。医療機関感染管理が以前より徹底されたとしても、感染の可能性が0%であるわけではない。しかし、自然分娩は腹腔や子宮が外部に露出する心配がなく安心してもよい。過多出血と腸狭窄、麻酔に伴う合併症、排便機能弱化、尿路感染の危険性も低い。死亡率も0.04%である帝王切開より低い0.01%に過ぎない。

母乳授乳も、自然分娩は抗生剤や麻酔剤を使用しないため安全だ。母乳を飲んだ子供は認知力も高い。出産後、子宮収縮が早く、体力も短期間に回復する。また、自然分娩で出産した産婦は産後うつ病にかかる確率が低いという研究結果もある。

自然分娩は胎児に良い。子供は狭い産道を通過して羊水と分泌物を吐くだけではなく、変化する気圧に適応する能力が生じ、出産と同時に肺で活発に呼吸することができる。産道を通過して生じた免疫力のおかげで、鼻炎とアトピーにかかる確率も低い。一部の研究では、自然分娩で産まれた赤ちゃんが、帝王切開で産まれた赤ちゃんより生後24時間の間、よりよく笑って寝ると現れた。

といって、帝王切開が無条件、悪いわけではない。危急な状況で産婦と胎児の健康を保障するだけ、確かになくてはならない出産法だ。特に、産婦に糖尿、高血圧のような疾患があったり、胎児の位置が逆子または骨盤位で、体重が過度に多く増えた時には帝王切開が必要だ。三つ子以上の時も、産婦の安全のために帝王切開を考慮する。
  • 毎日経済_イ・ビョンムン | (C) mk.co.kr
  • 入力 2013-03-20 12:00:00




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