トップ > テクノロジー > 健康・医学 > 国民4人中1人の「歯周病」放置すると…口の中の細菌が糖尿病・脳卒中を誘発

国民4人中1人の「歯周病」放置すると…口の中の細菌が糖尿病・脳卒中を誘発


「歯周病」と呼ばれる歯周疾患。歯の根や歯茎の骨・歯肉などに炎症が生じる病気だ。歯石が歯茎にたまることによって炎症が生じ、最終的に歯茎の骨の損傷をもたらして歯が弱くなる。

国民健康保険公団によると、2015年の国内歯周疾患の数は1343万人。国民の4人に1人が患っているほど歯周病は一般的な病気になった。問題は、歯周病は単に歯にとどまらず全身にまで影響を与えることがあるという点だ。歯周病を引き起こす細菌や歯周病により生じた炎症が様々な全身疾患を発生させたり、あるいは悪化させる要因になるという研究結果が続々と出てきている。

パク・クァンス上渓白病院歯科教授は「口は、外部と私たちの体が直接出会うところだ。それだけ細菌と接触する可能性が高い。歯石や歯垢が多くなって歯茎が細菌の住みやすい環境になると、炎症が生じて周辺の血管壁が弱くなり出血が起こりやすい。この時に歯茎の血管が開き、外部の細菌や炎症物質が体内の血管に入る」と伝えた。

歯周病との関連性が特に多く言及されているのは糖尿病だ。歯周病で生じた炎症物質は、私たちの体のインスリンが生産される過程に影響を与える可能性があるため、糖尿病の症状を悪化させる可能性が高い。逆に糖尿病を患っている人は基本的に細菌に対する抵抗力が低く、歯周病が急速に悪化する可能性がある。パク・クァンス教授は「糖尿病と歯周病は、互いに悪循環関係に置かれている。糖尿病患者の中で、歯茎が弱くなり歯を抜かなければならないケースも少なくない」と伝えた。

歯周病は、心臓・脳血管疾患との相関性も深い。英国バーミンガムの歯科大研究チームは、退役軍人1137人に対して24年間歯周病と脳血管疾患の関連性を分析した結果、歯茎の骨に炎症があるときは脳卒中や一過性虚血発作の発生が2~3倍高いという研究結果を明らかにした。パク・クァンス教授は「歯周病が生じたり歯茎が健康でなければ、口の中の細菌が容易に血管に乗って体中を回る。この時、細菌に対抗するために白血球が活性化されながら血を固める成分も一緒に活性化される。その結果、血液がネバネバになって心血管疾患が発生する可能性を高めるだろう」と説明した。

特に心臓病の中には、心臓の弁膜に細菌がついて炎症が発生する感染性心内膜炎との関連性が高いことが分かった。また血管内で炎症反応が起きて血管壁を厚くし、動脈硬化などを引き起こすこともある。

歯茎に炎症がよく起こる人は、リウマチ関節炎が発生する可能性もそうでない人に比べて高いことが分かった。昨年キム・ヨンテク一山病院歯周科教授が103万人の歯肉炎患者データを総合して確認した結果、歯周炎患者のうちリウマチ関節炎の発生リスクが1.17倍高く、2015年盆唐ソウル大病院リウマチ内科イ・ユンジョン教授チームもリウマチ疾患の一つである強直性脊椎炎患者84人のうち半分ほどが慢性歯肉炎を患っていると発表している。

妊娠中の女性が歯周炎を患っているときには、早産や低体重児を出産する危険性もある。慢性歯周炎を患う男性は、勃起不全のような性機能障害の有病率が高いという研究結果も出ている。

歯周病が様々な全身疾患との接続されているように、口の中を常に清潔な状態に維持することが何よりも重要だ。

「1日に3回食後3分以内に3分以上歯磨きをする『333予防法』が基本だが、それだけでは足りない。3分よりも長く歯を磨くほど良い。また定期的に病院でスケーリングや検査を受け、口腔を通じて体内に細菌が侵入することを防がなければならない。」とパク・クァンス教授は呼びかける。
  • 毎日経済 ソ・ウンネ記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2017-04-24 08:53:40




      • facebook icon
      • twetter icon
      • RSSFeed icon
      • もっと! コリア