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「電気なくても」ろうそくより100倍明るい光の生産…発展途上国に希望を


  • 「電気なくても」ろうそくより100倍明るい光の生産…発展途上国に希望を
「ろうそく1本に火を灯したといって暗闇が無くなるわけではないが、当社のランプで発展途上国に光を与えて希望を伝えたい」

パク・ジェファン代表のLumirは実用性とデザイン、社会的貢献という3つの面をすべて備えたキャンドルランプを生産する。Lumirが作る「LumirC」は、小さなキャンドルランプをかぶせることによって元の光よりも100倍強い発光ダイオード(LED)照明を作動させるという製品だ。LumirCは製品の独創性と機能性が認められ、昨年に世界最大のクラウドファンディングサイト「Kickstarter」で13万ドルを調達することに成功した。

それは、目標である5万ドルをはるかに超えた数値だった。

Lumirが生産するランプは、温度差を電気エネルギーに変換する原理であるゼーベック効果を利用した。ランプの片面は冷たく維持し、他の面は熱くすることによって生じる温度差で電気を作る。ろうそくや灯油ランプの他に別途の電力を必要としないため、半永久的に使用できるという利点がある。

パク代表が独特なランプを開発したのには、2015年にフィリピンのスラム街を訪れた経験が大きく作用した。フィリピンのスラム街には電気代が高いため、夜にはろうそくをつけて本を読む子供が多かった。パク代表は「暑さを防ぐための住宅構造のせいで、家の中に光が十分に届かなかった。スマートフォンでフラッシュをつけると家の中がとても汚く、それは居住者も驚くほどだった」と回想した。

Lumirは発展途上国の環境を改善するため、LumirC以降にも現地の状況に合った製品を開発してきた。それ以降インドネシア市場に進出して灯油ランプを多く使用している現地状況に合わせ、灯油ランプでLED電力を生産する「LumirK」を発売した。LumirKはLumirCと同様の方法で作動するが、灯油ランプから出る有害物質であるカーボンブラックを10分の1の水準にまで低減させ、燃料効率は5倍ほど高めた。過去の使用量の20%だけで同じ量の光を作るというわけだ。

またLumirは、持続可能な収益モデルを開発することにも関心が高い。7月には先進国市場を狙った「LumirS」を発売する予定だ。発展途上国では照明の普及事業に集中し、先進国ではデザインと品質を備えた製品で勝負する計画だ。

パク代表は「Lumirは成功的な照明会社になるだろう。その方法の1つが、TOMSが採択したコーズマーケティングだ」と説明した。コーズマーケティングとは、消費者の購買活動を寄付活動と結合させるというマーケティング戦略だ。TOMSは靴を1足購入するたびに靴1足を発展途上国に寄付するということで有名だ。

パク代表は続いて「社会的企業も持続可能な収益モデルを備えてこそ事業を続けていくことができる」とし「世界的に認められる照明を作りながらも、社会的責任を怠らない」という抱負を明かした。
  • 毎日経済 ソン・ミングン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2017-06-07 07:39:06




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