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「水と油」工学部・美学部の共作…ソウル大、AIロボット7種作る


  • 「水と油」工学部・美学部の共作…ソウル大、AIロボット7種作る
  • < AIオウムロボット「ピオ」を開発したソウル大の学生たち。左からジェルミウ(27才、デザイン学部)、
    ユン・ヨンソプ(29才、電気情報工学部交流学生)、カン・ヂナ(22才、彫刻学科)の各氏。 [写真提供=ユン・ヨンソプさん] >



2007年に死んだ天才オウム「アレックス」は、霊長類レベルの認知能力と言語習得能力で世界的に名声を轟かせた。米国ブランダイス大学イレーヌ・ペッパーバーグ教授に30年のあいだ言葉を学んだが、オウムは150以上の英単語を理解し、色・形・数まで区別した。

10年後の今年、ソウル大学の学部講義室ではるかにかしこい「人工知能」オウムロボットが誕生した。認知症患者の話し相手になってくれるこのオウムは、人とある程度自由な会話が可能だ。

患者の健康状態を把握して、医師や救急車を呼ぶ介護者の役までもこなす。特許出願された飛ぶこともできるこのオウムは、ソウル大の学部生が1学期のあいだ授業を受けて開発した人工知能ロボット「ピオ(PIO)」だ。

ソウル大によると14日、ピオは昨年2学期にソウル大学工学部と美学部統合創意デザイン連携専攻の学生37人が、7つのチームに分かれて初めて試みた「ロボットAI作成」のパイロット講義を通じて誕生した。 第4次産業の重要な分野であるAIとロボット技術を融合させた製品を、自由に企画して試作品まで作る画期的な試みだった。授業は工学部と美学部でそれぞれ講座を開設した後、教授2人が一ヶ所で講義し、直接教室でロボットを作っていく「共同講義」形式で行われた。講座開設を主導したソウル大学アイディアファクトリー事業団のキム・ソンウ教授は、「米マサチューセッツ工科大学(MIT)では多額の予算を投入して、野心的な教員陣と助教数十人が取り組む科目を毎学期新設する」とし、「第4次産業革命の時代、大学の講義とはまさにこのようなもの」だと強調した。

当初、講義プランを公開した時は工学部と美学部の教授たちでさえ懐疑的な反応が多かった。工学部と美学部という水と油のような組み合わせの上で「はたしてコラボレーションが可能か」との懸念の声が高かった。しかし学生たちの反応は違った。コンピュータ工学、機械、航空工学、工業デザインなどのさまざま専攻はもちろん、6カ国18人の外国人学生が受講申請を行った。工学部の関係者は、「それこそさまざまな考えや創造性、さまなまな専攻・背景のオタク学生が自主的に集まって作ったオタク授業だったわけ」だと評価した。 「一学期のあいだに、この世に無いたった一つのロボットを直接作ろう」という講義の目標提示に、恐怖を知らないオタク学生も軽く当惑した。

結果は驚くべきものだった。学生はピオをはじめ、人を笑わせるロボットや遠く離れた家族とコミュニケーションするロボットなど、7つの創造的なロボットを提出した。このうち子供の成長過程を記録するロボット「バーディー」、かくれんぼロボット「ピカボット」は特許出願はもちろん、国際学会に論文まで発表した。大学院生や専門研究所に劣らない成果をあげたわけだ。ソウル大学美学部統合創意デザイン連携専攻のユン・ヂュヒョン教授は、「工学部生は技術への理解が高く目的指向であり、とにかく何になろうと早く作りたがる傾向がある一方で、芸術家たちは技術を現実世界にどのような姿で適用するかに特化し、まるでiPhoneのようなデザインと技術を組み合わせた相乗効果を作りだした」と評価した。

オウムロボット「ピオ」を開発した韓国・マレーシアの学生2人は関連特許2件を出願し、実際の創業に乗り出した。ロボット製作者の一人ユン・ヨンソプさん(29才、電気情報工学部)は、「世界的に高齢化が進行している状況で、なぜかアジアだけが痴呆人口が多い」とし、「(授業で)既存の認知症の予防ロボットを超えるロボットを作ってみようという目標が一定部分達成されて、創業にまでなった」と説明した。映像処理と会話機能によってリアルタイムで認知症検診が可能で、このデータをリモートで医師に送信することができ、事業性も高いという評価だ。

このロボットは人の声をテキストとして認識し、再び音声で答えるチャターボット(Chatterbot/人工無脳)技術が適用された。内蔵されているカメラで人を認識し、空気中に浮かんだり人に向かって頭を回すこともできる。昨年12月にSKテレコムの主催した「SK Creative Challenge」で大賞を受けたこともある。現在はソウル大学の学内創業センターに入居して、光明市青年創業支援事業に選定されて事業費の支援を受け、商用化に拍車をかけている。

もちろん異質の工学部生・美学部生のあいだの組み合わせは、最初から順調だったわけではない。キム教授は、「正規科目として編成されただけに、今回の学期には2つの学部の化学的結合を早期に作り、機会コストを最小限に抑える予定」だとし、「2つの学部の異なる哲学と性向を事前に知って理解する時間を、授業の初めに入れることにした」と語った。
  • 毎日経済 ファン・スンミン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2017-07-16 08:05:12




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