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うつ病・認知症の原因になる「難聴」…イヤホンの大ボリュームで聴覚障害を招来


  • うつ病・認知症の原因になる「難聴」…イヤホンの大ボリュームで聴覚障害を招来
難聴の患者が急速に増加している。健康保険審査評価院によると、昨年の難聴患者は34万389人で、2012年(28万136人)に比べて21.5%増加した。高齢化時代が到来したためだ。2012年に6万5284人だった60歳以上の難聴患者は、昨年には9万1903人まで増えた。

40.8%も上昇した。難聴は一般的な病気であるにもかかわらず、病院を訪れる患者が多くない。特に韓国は補聴器着用に対して否定的な認識が強く、リハビリの「ゴールデンタイム」を逃してしまうことが多い。難聴を放置した場合、聴力損失による不快感はもちろん、うつ病や認知症の原因となることがあるため注意を要する。

難聴は、大きく「専音性難聴」と「感覚神経性難聴」の2つに区分することができる。専音性難聴は音波が正常に伝達されない場合だ。そして問題は、治療で回復するのは難しい感覚神経性難聴だ。感覚神経性難聴の患者は鋭い音、すなわち高周波領域が特に聞こえづらい。低く太い声よりも女性の声のような細い声をあまり聞き取ることができない。音分別能力も落ち、音が鳴ったり周囲の騒音の多い場所で近くの声をよく認識することができない。

最近には、急に音が聞こえなくなる「突発性難聴」も増加した。突発性難聴の正確な原因はまだ明らかになっていないが、ウイルス感染が主な原因と推定されている。ステロイドなどの薬物治療で回復が可能だが、時間が遅れた場合は永久的な難聴の可能性もあるだけに、すぐに病院に訪れる必要がある。

ソウル大ボラメ病院耳鼻咽喉科のキム・ヨンホ教授は、「あまり使わない身体器官は、徐々に機能を失うものだ。難聴を放置すると、聴覚機能が減退するのはもちろん、脳の機能低下も進行されるため、認知症の可能性が大きく高まる。家族・知人間のコミュニケーション問題が大きく増加しながら、患者の精神健康にも悪影響を及ぼす。難聴患者の多くはうつ病を患っている」と診断した。

難聴を予防するためには、定期的な検診が必要だ。特に老人性難聴が急増する60歳以上からは病院に訪問し、聴力検査を受けるのが効果的だ。青少年期に過度な騒音にさらされることは非常によくない。幼いときには症状が現れないことがあるが、50~60代の聴覚健康に大きな影響を与えるというのが専門家たちの衆論だ。

「難聴は、リハビリを開始する時点が重要だ。残っている聴覚神経を、補聴器などを活用して継続して刺激しなければならない。聴力損失のあと5~10年が経過すると、いくら良い補聴器を着用したり、高価な手術を受けても聴力を戻すのは難しい。『補聴器の着用は恥ずかしいこと』『不良補聴器が多い』など、補聴器のリハビリに対する否定的な認識を変えることも先制される必要がある」とキム教授は説明する。
  • 毎経エコノミー第1925号 / 写真=ソウル大ボラメ病院
  • 入力 2017-09-18 09:33:08




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