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癌「不治の病」は昔話…3人のうち2人が完治


国内の癌患者3人のうち2人以上は、予後5年以上生存することが分かった。医療界では癌患者が治療後5年以上を再発なく生存すれば、事実上は完治の判定を下す。健康診断が一般化しつつ、癌を早期に発見することが可能になり、医療技術の発達で最新の診断機器・手術法・抗癌剤などが導入され、「癌は不治の病」という言葉はいまや昔話になった。

21日、保健福祉部と中央癌登録本部が発表した「2015年国家癌登録統計」によると、この5年間(2011~2015年)に発生した癌患者の5年相対生存率(以下、癌生存率)は70.7%だった。10年前(2001~2005年)の54.0%に比べて16.7%ポイントも高くなったわけだ。

癌の生存率が100%を超える甲状腺癌をのぞいても、癌患者の最近5年間の癌生存率は63.8%に達した。

癌生存率は癌患者の予後を評価する代表的な指標だ。性別と年齢が同一の一般人と比較した場合の、癌患者の5年後の生存率を意味する。この比率が100%ならば一般人と生存率が同じだという意味で、甲状腺癌のように100%を超えると、癌患者の生存率が一般人よりも高いことを意味する。癌別では甲状腺癌の生存率が100.3%と最も高かった。前立腺癌(94.1%)と乳癌(92.3%)も高い生存率を示した。

一方、早期診断が難しく「音のない殺人者」と呼ばれる肝臓癌(33.6%)と肺癌(26.7%)、膵臓癌(10.8%)は生存率が低かった。

性別では女性の癌生存率が78.4%で、男性の62.8%よりも高かった。このことに対して中央癌登録本部のウォン・ヨンジュ部長は、「女性は相対的に生存率の高い甲状腺癌と乳癌に多く罹病したからだ」と分析した。国が癌検診費用を支援する「癌検診事業」の対象である胃癌・大腸癌・肝臓癌・子宮頸癌の最近の5年生存率はそれぞれ75.4%、76.3%、33.6%、79.9%だ。早期診断と治療が可能になり、米国の2007~2013年の癌生存率の数値よりもそれぞれ10%ポイント以上も高かった。

癌の生存率が70%以上に改善されて、いまや周辺では癌経験者をありふれて見ることができようになった。 1999年以後に発症した癌患者のうち、2016年1月までに生きていることが確認された人は約161万人に達した。韓国国民の31人に1人が癌を経験したという意味だ。甲状腺癌の有病者数は31万5057人で、全体のうち22%を占めるほど最も多かった。次いで胃癌(25万6995人)、大腸癌(22万653人)、乳癌(17万9081人)、肺癌(6万9931人)、前立腺癌(6万9438人)の順だった。

2015年に新たに発生した癌患者数は21万4701人で、前年比で4253人(1.9%)減少した。癌の発生率は2012年以降、毎年6%ずつ減少する傾向にある。特に甲状腺癌の患者数は前年よりも6050人(19.5%)減少し、癌の発生率の低下に大きな影響を及ぼした。

2009年から2014年まで発症順位で1位だった甲状腺癌は、超音波検診の拡大で癌確定判定が迅速に増えたが、「症状が深刻でない人まで検診する」という過剰診断の問題が提起され、発生率が減少したと分析される。ウォン部長も「甲状腺癌の検診は日常的に勧告する検診ではなく、一般の人は特別な症状がなければ検診を受けなくても良い」と語る。

胃癌と大腸癌はそれぞれ2.7%と1.6%減少した。一方、乳癌・前立腺癌・膵臓癌はそれぞれ4.3%、3.5%、5.7%ずつ増加した。癌検診事業対象のうち、発生率が増加し続けている癌は乳癌だ。 2007年以降の年平均増加率は4.0%だった。

男女あわせて国民に最も多く発生した癌は胃癌で、2万9207人の患者が出た。その後は大腸癌・甲状腺癌・肺癌・乳癌・肝臓癌・前立腺癌の順だった。男性は44歳までに甲状腺癌が、45~69歳では胃癌が、70歳以降は肺癌が最も多く発生した。女性は39歳までは甲状腺癌が、40~64歳までは乳癌が、65歳以降は大腸癌が最も多く発生した。

発生率と生存率は徐々に改善されているが、それでも癌はわが国の死亡原因の1位だ。 2016年時点で死亡者全体のうち27.8%が癌で死亡した。癌患者と家族が受ける苦痛は相当なもので、社会・経済的な費用も2012年時点で14兆ウォンと莫大だ。
  • 毎日経済_キム・ヘスン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2017-12-21 19:48:40




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