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大当たりかバブルか?韓国製新薬の臨床成績、続々と


国内の各製薬会社は短くて数年、長くて数十年の新薬研究開発に投資してきた成果が、今年から続々と可視化する見通しだ。これまで国内各企業が開発した新薬は20種あまりで多くはないうえに、困難を経て誕生した新薬も狭い国内市場で販売されるにとどまった。しかし最近、開発される薬品は最初から海外進出を念頭に置いており、米国や欧州など世界の患者を対象に大規模な臨床試験を進めているという点で期待を集めている。

15日の製薬業界によると、ハンミヤップム(韓美薬品)社が米国のスペクトラム(Spectrum)社に技術輸出した好中球減少症の治療剤「ロルロンティス」の臨床第3相の中間結果が第1四半期に出てくる。

ロルロンティスは韓美薬品の新薬パイプラインの中で、最初にグローバル臨床第3相に進入した。好中球減少症は血液がんの一種で、白血球の50%以上を占める好中球がとつぜん減少する病気だ。多国籍製薬会社アムジェン(Amgen)社の「ニューポジェン(NEUPOGEN)」がオリジナル薬で、約6兆ウォンに達する世界の好中球減少症治療剤市場を先取りしている。ロルロンティスは薬効持続時間を延ばす韓美薬品の基盤技術「ラプスカバリ(LAPSCOVERY)」を適用して、ニューポジェンの「バイオベータ」として開発することを目標としている。バイオベータとはオリジナルバイオ医薬品の効能や薬効持続時間、投与方式などを画期的に改善した新薬をいう。

今年の第2四半期には韓美薬品が米イーライリリー(Eli Lilly)社に7800億ウォンで技術輸出した、自己免疫疾患治療剤「HM71224」のグローバル臨床第2相の中間結果が発表される。下半期にはジョンソン&ジョンソンに技術輸出した肥満薬「HM12525A」の米国臨床1b上(1相後期)の結果が出てくる。

ユハンヤンヘン(柳韓洋行)社も肺癌標的抗がん剤「YH25448」の開発にオールインした状態だ。国内の臨床で優れた薬効と安全性が確認されたことにより、年内にはグローバル臨床に拡大する計画を持っている。肺癌は国内での死亡率が最も高い癌だ。肺癌にかかった人が5年以上生存する確率(5年相対生存率)は26.7%に過ぎず、胃がん(75.4%)、大腸がん(76.3%)などに比べて大幅に低い。突然変異発生でもはや薬効の無い肺癌患者のために開発された第3世代の肺癌新薬は、米国食品医薬品局(FDA)の許可を受けたアストラゼネカ(AstraZeneca)社の「タグリッソ(TAGRISSO)」と食品医薬品安全処の許可を受けた韓美薬品の「オリタ(Olita)」の2つだけだ。

柳韓洋行が開発するYH25448はタグリッソと比較して、癌が脳まで転移した患者により優れた抗癌効果を示したことが分かった。競合薬品に比べて副作用のリスクが少ないことも強みだ。柳韓洋行の関係者は、「YH25448は突然変異がない正常細胞や他の蛋白質には影響を与えない」とし、「大容量に投与しても皮膚毒性や下痢などの副作用が比較的少ない」と説明した。

テウンチェヤク(大熊製薬)は既存の「プロトンポンプ阻害薬(PPI)」を代替する薬として期待されている「カリウム競合型胃酸分泌抑制剤(P-CAB)」系列の次世代抗潰瘍剤を開発している。昨年5月に逆流性食道炎疾患の患者200人を対象に臨床第2相を開始し、今年の上半期に結果を発表する。同社の関係者は、「臨床試験初日から新薬がPPI比の優れた胃酸分泌抑制力を見せた」とし、「一日1回の投与で薬効が24時間持続くことから、これまで患者を苦しめてきた夜間胸焼けの症状も緩和することができると思う」と語った。

抗潰瘍剤市場は急速に成長している市場で、2015年時点の330億ドルから2021年には400億ドルに、全世界で市場規模が大きくなると予想される。国内市場も9000億ウォン以上の規模だが、既存のPPIを代替するだけの次世代新薬がまだ開発されていない。大熊製薬は下半期の臨床3相進入を目標にしており、米国・日本・中国などの海外進出のために多国籍製薬会社と議論している。

チョングンダン(鍾根堂)が開発している食べる関節リウマチ治療剤「CKD-506」は、第1四半期にヨーロッパでの臨床1相が終了する。市販されている治療薬とは異なり、患者の免疫力を強化して関節炎を治療する。 CKD-506は変形性関節症だけでなく、炎症性腸疾患などの多様な自己免疫疾患にも効果を示しており、鍾根堂は開発に成功すれば市場性は大きいと期待している。国内企業の中で唯一、免疫・抗がん剤のグローバル臨床3相を進めているシルラジェン(SillaJen)社も今年8月に新薬の安全性と腫瘍反応性などを盛り込んだ無益性評価(Futility Interim Analysis)の結果を発表する。無益性評価は開発中の新薬が治療剤として価値があるかどうかを確認し、臨床を継続するかどうかを判断するプロセスだ。
  • [毎日経済_キム・ヘスン記者]
  • 入力 2018-01-15 17:23:55




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