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未来型の尖端「量子コンピュータ」に一歩近づく…韓国科学技術研究院


  • 未来型の尖端「量子コンピュータ」に一歩近づく…韓国科学技術研究院
  • KIST量子情報研究チームのチョ・ヨンウク博士が量子コンピュータの実現と検証方法をテストしている。 資料提供= KIST



韓国の研究グループが「夢のコンピュータ」と呼ばれる量子コンピュータの開発に一歩近づいた。量子物理学の固定観念を破り、量子コンピュータの核心プロセスである演算処理を効率的に検証する方法を発見した。

韓国科学技術研究院(KIST)量子情報研究団のチョ・ヨンウク博士のチームは、浦項工科大学のキム・ユノ教授チームとの共同研究を通じて、量子コンピュータの演算過程を検証できる新しい方法を実現したと明らかにした。量子コンピュータは既存のコンピュータでは解くことのできない、非常に複雑な研究もすばやく解決できる未来型の尖端コンピュータだ。

量子コンピュータを正しく動作させるためには、壊れやすく扱いにくい量子状態を厳格に維持しなければならない。このために従来のデジタルコンピュータの「ビット(bit)」に該当する量子コンピュータの基本的な情報単位「量子ビット(Q-bit)」を測定する技術が必要だ。ところが量子力学では、不確定性原理によって同時に測定することができない観測量が存在する。例えばある粒子の位置と運動量の成分の両方を同時に測定することはできない。測定した瞬間、量子状態が壊れるからだ。

これに対して研究陣は「弱い測定技法」を活用して量子状態を完全に崩壊させない方法を見出し、互いに両立できない二つの観測量の「連続弱い測定値(sequential weak value)」を同時に測定することに成功した。両者の測定が可能になったことで、両者のプロセスを効率的に分析することもできるようになった。特に今回の研究で使用された測定方法は、量子回路基盤に実装されて量子コンピュータに直接適用される余地が大きいというのが研究者の説明だ。

今回の研究は新たな融合研究の開放型研究事業(Open Research Program)の一環として行われた。量子情報分野の国内外のトップレベルの専門家で構成されたコンソーシアムが、次世代最先端のコンピュータである量子コンピューティングの研究を遂行中だ。

チョ・ヨンウク博士は「世界的に最尖端の未来技術の一つである量子情報技術に対する関心が増大している」とし、「今回の研究は量子コンピュータを開発するための基礎科学という性格で、量子物理学の基本的な原則を直接応用する量子情報技術全般に活用されるだろうと見られる」と語った。

研究結果は「ネイチャー通信」15日付けに掲載された。
  • 毎日経済_キム・ユンヂン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2018-01-22 13:34:11




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