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順天大研究チーム「OLED超微細工程の技術共有」


「モバイル向け中小型OLEDパネルの超微細工程に必要な技術とノウハウを惜しみなく共有する」。パク・ヨンボム順天大学新素材工学科教授(写真)の研究チームは、高温でも熱膨張が起こらない合金(Invar)製造方式を開発し、その原理を国内の部品素材企業に公開することにして注目されている。

パク教授は9日、毎日経済との通話で「電鋳メッキ方式のインバー(低熱膨張合金)製造部門で、日本の研究レベルが韓国のあごの下まで追いかけてきており、中国は大規模な資本を前面におし出して開発に乗り出した」とし、「韓国企業が国際競争力を先取りできるように、これまで20年のあいだ研究して構築したすべてのデータベースを公開することに決めた」と明らかにした。

順天(スンチョン)大学研究チームの電鋳メッキインバー製造技術プロジェクトは、韓国研究財団(NRF)の支援を受けて行われており、その研究成果の一部が4日に国際学術誌「コーティングス」特集号に代表論文として掲載された。

パク教授はこれを契機に、関連する研究データベースを国内の部品素材企業に提供すると発表した。パク教授チームの研究成果が注目される理由は、スマートフォンのOLEDパネルの製造工程で主要部品とされるメタルマスクの厚さを大幅に削減することができるからだ。

メタルマスク(ステンシル)はRGBの3光源の光を発光するRGB OLEDパネルを、ガラス基板の正確な位置に蒸着させるためのガイドの役割を果たしている。特に蒸着工程で温度が上がるだけに、熱膨張の起こらないインバー(低熱膨張合金)として製作することは必須だ。

問題は国内企業が生産工程に必要なメタルマスクの全量を「圧延」方式で製作している日本のH社の製品を輸入して使っているという点だ。パク教授チームが確保した製造技術はH社の圧延方式から脱皮し、電気メッキを応用して陰極に付着した金属を剥離した後、形状を持つ部品として作る電鋳メッキ方式を採用した。

パク教授は「電鋳メッキ方式を使えばメタルマスクの厚さを、今よりも半分程度に薄い7ミクロンレベルまですることができる」とし、「これは超高精細映像のイメージを実現しながらも、厚さを大きく減らしたRGB OLEDパネルを生産できるという意味」だと述べた。

パク教授は「圧延ではなく電鋳メッキ方式で商用化が行われれば、日本企業のインバー完成品に全量を依存している韓国の部品素材産業界に新たな突破口になるだろう」と期待した。中国と日本の科学界が、微細化に限界のある圧延方式ではなく電鋳メッキ方式の研究に熱を上げる中で、国内学界では順天大が長年研究を行ってきた。

パク教授は「モバイル用OLEDパネルは現在、サムスンディスプレイが世界的な供給者として重要な役割を果たしている」とし、「より革新的なパネルを開発するために、最近コーティングス誌に掲載した研究成果をはじめ、これまで20年のあいだ順天大が研究で蓄積した商用化ノウハウを国内企業に公開するつもり」だと強調した。

パク教授は「技術の共有だけではプロトタイプなどの商用化過程で多くの試行錯誤がある」とし、「商用製品の製作を希望する企業があれば、製作過程にも積極的に参加して協調する」と付け加えた。
  • 毎日経済_イ・ヂェチョル記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2018-05-09 17:45:59




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