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韓国バイオシミラーの限界…新薬開発が答え


  • 韓国バイオシミラーの限界…新薬開発が答え
  • 3人のバイオの専門家。(左から)キム・ミョンギLSKインベストメント代表、イ・スンギュ韓国バイオ協会副会長、イ・サンホ韓国産業技術評価管理院博士は17日、毎経メディアセンターで「今年のKバイオ見通し」などをテーマに座談会を開いた。 イ・チュンウ記者



「バイオ分野では政府の政策調整機能が発揮されていない。政府が尖鋭な利害関係者間の調整を通じて規制を緩め、事業の活路を開く必要があるのにきちんと行われていない」。

去る17日、毎日経済新聞が「今年のKバイオ見通し」などを問う専門家の座談会で、参加者らは国内のバイオ産業は大きく成長したが、規制によってまだ道のりは遠いと苦言を吐き出した。

座談会に参加したイ・スンギュ韓国バイオ協会副会長は、「中国はネガティブ方式の規制により、新しいバイオ事業を大規模に行える」とし、「中国企業がクオリティコントロール(質的レベル制御)のみできたなら、3年後はわが国に追いつくだろう」と指摘した。

しかし最近は国内のバイオ産業が成果を出しつつ、企業ごとに自信を持って新薬開発と技術輸出にまい進するようになったのは鼓舞的なことだと評価した。イ・サンホ韓国産業技術評価管理院博士(バイオ医薬PD)は、「最近の国内の製薬・バイオ産業を見まわすと、暴走機関車のように感じられる」と語った。

キム・ミョンギLSKインベストメント代表は、「これまで技術輸出の契約を締結した後に臨床の失敗も数回経験しながら、一般の人がバイオを見る視点とレベルが高くなった」と強調した。以下はバイオ産業分野の専門家3人との一問一答だ。

- Kバイオは昨年、5兆ウォンを超える技術輸出などを成し遂げた。バイオ産業が成長を持続している原因は何だろうか。

△ キム代表=技術・人材・海外製薬会社との協力など、われわれに不足していた点に対する安定した投資が結実を見ている。海外メーカーと各種ライセンス交渉を行う際に重要なのはわれわれに対する評判だが、最近は良い条件で技術輸出を行えることになったのは、継続的な研究開発を通じて実力を認められているという証拠だ。

△ イ博士=「オープンイノベーション」の力だ。その核心は内部開発や外部から入ってきた技術のすべてを、選ばずに事業化してみることだ。今回の技術輸出の快挙を成し遂げた柳韓洋行の場合、かつては非常に保守的な企業だった。しかし壁を崩して外部の技術を自由に受け入れ、何度も技術輸出の快挙を達成した。

- バイオシミラーの場合は韓国が主導しているが、今後は競争が激しくなることが予想される。バイオシミラーの状況はどうか。

△ イ副会長=オリジナルバイオ医薬品のうちで、近いうちに特許が切れる薬品が多い。その後に数多くのバイオシミラーが出現するわだが、オリジナルの薬価も大幅に下がる。バイオシミラーの価格が低下して、競争は激化するしかない。セルトリオンの「レムシマSC」のように、皮下注射にして製剤を変えるなどの差別化された戦略が必要だ。

△ イ博士=バイオシミラーがバイオ医薬品市場をリードすることはできない。バイオシミラー事業は最初は技術的なノウハウが重要だったが、今は技術力を備えた企業が多くなった。中国だけでもサムスンバイオロジクスのような規模の会社を5つは作ることができる。したがって、バイオシミラーメーカーも新薬や改良製品、バイオベターなどを作るべきだ。シミラーが単打なら2~3塁打を打つことができる「ミドルリスク・ハイリターン」の医薬品を発売しなければならない。

△ キム代表=セルトリオンとサムスンバイオロジクスが世界のバイオシミラー市場をリードし、国内の製薬・バイオ業界に肯定的な影響を与えたことは明らかだ。しかし、バイオシミラーは新薬開発の波及力には及ばない。そのためにバイオシミラーをリードできるかどうかは、今後はそれほど重要ではないだろう。バイオシミラーだけでずっと金を稼ぐことは難しい構造なので、最終的には新薬開発に向かうしかない。

- 国内には大規模の製薬会社はない。海外市場を先占する大型化は必須だ。わが国にはとってはるかに遠いことか。

△ イ博士=技術輸出を通じて稼いだ金を新薬開発に充ててこそ、規模が大きくなれるだろう。わが国の製薬会社は新薬パイプラインがよくない。しかし新薬の開発が成功すれば、世界的な製薬会社に飛躍するのはあっという間だ。英国の製薬会社であるAstraZeneca(アストラゼネカ)社は当初、世界300位ほどの小さな会社だったが、逆流性食道炎治療剤「Omeprazole(オメプラゾール)」を開発したおかげで30位まで垂直上昇した。新薬は開発することは大変だが、一度作ってみれば蓄積されたノウハウでその後は容易だ。

- バイオ産業の活性化をさまたげる要因として政府の規制が挙げれられるが

△ イ副会長=ステークホルダー間の意見を調整して仲裁案を導出する、政府の機能が正常に動作していない。バイオ産業はリスクがあって予測が不可能なだけに、政府が細かいことをやろうとしてはならない。中国当局はバイオをはじめとする新産業についてはほとんど規制していない。先進国もネガティブ方式の規制なので、指摘されていないことはすべてできるように可能にする。既存の製造業に対するアプローチとは根本的に異なるべきだ。

△ キム代表=政府が調整役をきちんとしていないから、わが国の企業が海外に多く出て行くことになる。政府が消費者と医師、薬剤師間の調整を行う劇なのにそれもしない。国内企業が新薬を開発しようとしても、臨床は米国だ。米国で最初に許可された次に、韓国に持ち込もうとする。国内基盤がしっかりしていない企業が、海外に出て商売を上手くやることは難しい。バイオ企業が規制のため度々外に出ると、後にはバイオ産業の競争力は低下するしかない。

△ イ博士=遺伝体分析であるDTC(消費者直接依頼)の範囲が制限されており、これを拡大しようとする試みは継続して平行線を走っている。病院や遺伝子検査業者間の利益が衝突するからだ、これらの立場をオーバーラップさせるのが政府の役割だ。しかしうまくいかない。

- 最後に何か話があれば

△ イ副会長=バイオ産業が大きくなるためには、資金や技術そして政府の政策の流れがそろうべきだ。政府は前述した調整機能をうまくやればよい。M&Aが活性化する市場の雰囲気を作って、各企業も規模を育てて革新していくべきだ。

△ イ博士=バイオ産業の強みは、一般国民に最も近い産業だというものだ。自動車や半導体がなくても購入することができるが、健康を失うと終わりだ。このように国民生活と密接したバイオ産業が成長していくとき、政府はバイオが大韓民国の基幹産業として大きくなるように支援を行う必要がある。政府は調整の役割を果たし、企業は技術革新を通じて良質の医薬品を作り出さなければならない。各自が引き受けた場所で10%ずつだけでもがんばれば、爆走機関車となったバイオ産業は10年後には頂上まで上がるだろう。

司会=毎日経済_パク・ポングォン科学技術部長
  • 毎日経済_キム・ビョンホ記者/ソ・ヂョンオン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2019-01-21 20:26:49




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