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「韓国のスタートアップはすごい」

ソウル大訪問した北欧ベンチャーたち 

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12日、スウェーデンのスタートアップの関係者がソウルのサムスン電子とソウル大学の共同研究所「Cラボ」を訪問して、低視力障害者がよりよく見えるように支援するアプリケーション「リルミノ」を体験している。

「世の中が違って見える、感動的な製品ですね」。

12日午前、ソウル大にあるサムスン電子ソウル大学研究所を訪問した北欧のスタートアップ創業者らは、サムスン電子の社内ベンチャー「Relumino」が出荷した低視力障害者のための特別な機器を着用して驚いたという表情をみせた。リルミノ創業者の一人であるチョ・ヂョンフン氏は「視覚障害者の86%は光を検出することができ、補正用機器を身に着けることができるが、これらの製品は通常は1万ドルを超えるほど高い」とし、「低視力者に希望を与えようという考えで作った」と説明した。

スタートアップ大国のスウェーデンが選抜した優秀なスタートアップたちはこの日、ソウル大のサムスン電子社内ベンチャー育成プログラムである「Cラボ(Creative Lab)」を訪問し、成長のノウハウを伝授されてスタートアップ間の経験を共有した。

スウェーデンは毎年7月、大多数の政党が参加する政治博覧会「アルメダール週間(Almedalsveckan)」にスタートアップのコンテスト「Serendipity Challenge(セレンディピティチャレンジ)」を開催する。勝者には米国シリコンバレーやニューヨークなどの先進都市で研修する機会を提供している。今回韓国を訪問したノルディックスタートアップは、△人工組織専用のバイオインクを開発し、ナスダックに上場したセルインク(Cellink)、△クラウドベースの教科書会社コグニティ(Kognity)、△飲食処理業者マッツマート(Matsmart)、△ソーラー集熱板の効率を一段階高めるスウェーデンディッシュエルジファクトリー(Swedish Algae Factory)、△農場自動清掃ソリューションプロバイダのムービングフロア(Moving Floor)、△エコオートバイメーカーのケーキ(Cake)、△リサイクルソリューションプロバイダのファンタパセン(Panta pasen)などだ。

ベンチャーキャピタル・セレンディピティのカムヤール・ハヤブトラヒ最高経営責任者(CEO)は「セレンディピティの勝者が韓国と韓国のベンチャー企業を訪問したのは今回が初めて」だとし、「北韓問題については多くの触れたが、韓国政府とサムスン電子がこのようにスタートアップをうまく育成していることは分からなかった」と言う。

スウェーデンは名実共にスタートアップ大国だ。首都のストックホルムは企業価値の10億ドルを超えるスタートアップであるユニコーンが、米シリコンバレーに次いで世界で2番目に多い都市として数えられる。

2017年の時点でストックホルムのスタートアップに投資された金額だけでも5億9500万ユーロ(約7540億ウォン)に達する。これは北欧投資額の半分以上だ。また世界的な音源ストリーミングサービスプロバイダのスポティファイ(Spotify)と、グローバルに人気のあるゲーム「マインクラフト(Minecraft)」を作ったモヤン(Mojang)もスウェーデン出身だ。

スタートアップ大国の企業があえて韓国を訪れた理由は、体系的な育成プログラムだ。コグニティのカリン・ビエルデ理事は、「スウェーデンは税率が高く福祉が充実しており、輸出主導型の国であるために海外のトレンドに関心が高く、スタートアップを育成しやすい環境を整えた」とし、「しかしサーブやエリクソンのような、スウェーデン屈指の大企業がサムスン電子のように体系的にスタートアップを支援するわけではない。見習う必要があるように思える」と説明した。

サムスン電子は2012年末の社内ベンチャープログラムとしてCラボを初めて導入した。当時、サムスン電子のグローバルブランドの順位は9位で高い方だったが、中国のファーウェイやシャオミなどが追撃しており、変化が必要だと判断した。それ以後、社長団がシリコンバレーを訪問してインスピレーションを得て、サムスン電子の従業員のうちの80%が20・30代という点に着目してCラボを設立した。 2018年10月には社会貢献の一環として、「Cラボアウトサイド」プログラムを別々に構成し、サムスン電子の社員がなくても支援を行っている。 Cラボに選抜されると水原にあるサムスンデジタルシティ、ソウル大学研究所、牛眠洞のR&Dキャンパスに別途のスペースが与えられ、1年のあいだ現業から抜け出してプロジェクトを遂行することになる。人工知能・自律走行・社会貢献などのさまざまなテーマで、毎年1000種類以上のアイデアが出品される。昨年12月の時点で228種に達する課題が遂行された。

このうち36種のプロジェクトはスピンオフを経て、別の企業へと変貌した。サムスン電子は今後5年間で200種の社内プロジェクトと300種の外部プロジェクトの計500個に達するプロジェクトを支援する方針だ。

サムスン電子研究所ウィンドウ開発センターのキム・ヒョンス部長は、「賃金決定、プロモーションなど、すべてのことを自律的に進めている」とし、「チームはタレントオーディションで選抜することができるが、英語の名前と役割だけを明示しているほど水平的で自律的な組織文化が特徴」だと言う。実際にオフィスには「猿に餌を与えてはいけない(Do Not Feed the Monkeys)」という滑稽なシールが貼ってあるほど自由な雰囲気だった。
  • 毎日経済_イ・サンドク記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2019-02-12 18:08:31




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