Q.韓国の病院周辺で病衣を着たままうろついている、ナイロン患者とは一体何ですか?

답변게시판
A.
主婦のミン氏は、この世のすべてが面倒で周りではイラつくことしか起こらなかった。外の空気を吸おうと車を運転していたところ、やはりうまくいかない事ばかりなのか、車の後方をぶつけられてしまった。

「ああ、首が痛い」

彼女は衝突した車の運転手から名刺を受けとり、保険会社に連絡した後、病院に直行した。近所の病院だったので、何度か行ったことがある病院だ。

「どこか痛いところはありませんか」
「全身がぎしぎしと痛いです」
「まず、入院をした後、精密検査をしてみましょう」

医師は親切に(?)4週間の診断を出してくれた。しかし、入院してから二日が過ぎて、逆に体が痺れてきた。夫や子供たちが朝ごはんをきちんと食べているのかも心配された。彼女はこっそりと病院を出て家に向かった。誰も制止する人はいなかった。数日間、家と病院を行き来していたら、看護師から急に来なさいという連絡を受けた。

「保険会社が確認するために来たので、すぐに患者服を着て来るように」というメッセージだった。このようなことがあった後、彼女は保険会社とかくれんぼを繰り広げ、最終的には保険金を貰った。そのお金で目をつけておいた服を買い、この世は生きるだけの価値があると考えて、にっこりと笑った。

ミン氏はまだ見逃してあげれるほど可愛いものだ。自傷行為をしたわけでもなく、複数の保険会社に加入したわけでもなかったし、受け取った保険金も洋服代程度にとどまったからだ。このようなナイロン患者は数え切れないほど多い。周辺をちらっと見渡しただけでも目に入ってくる。

市内郊外の病院の周辺には、患者服を着て集まってタバコを吸っている人が少なくない。天気の良い日には、30分ほど見ていれば誰でも発見することができる。病院のロゴが鮮やかな患者服を着てコーヒーショップでゆったり過ごすナイロン患者もいる。

最近では、病院を転々して二か月ずつ長期入院する生計型ナイロン患者も現れたそうだ。さらには、どうせなら大金を稼ごうと詐欺を行う人もいる。

交通事故に遭った後、全身麻痺になったと数億ウォンの保険金を請求した後、何事もなかったかのように歩いて出て来て宅配便を受け取り摘発された高齢者もいるし、仁川のある漢方病院では傷害保険加入者130人余りを集めた後、治療を受けた書類を偽造して健康保険公団から3億ウォンを受けとった。また、偽の患者は、保険会社から保険金を受け取った後、病院と分け合って摘発された。

ナイロン患者は偽の患者だ。偽の患者をナイロン患者と呼ぶ背景には、貧しかった時代の胸が痛い記憶がある。

1938年、米国のデュポン社が開発したナイロン(nylon)が韓国で生産され始めたのは1967年。1960年代にはナイロンが流行した。「蜘蛛の糸より柔らかく、鋼よりも強く、絹よりも美しい」というもっともらしい宣伝文句に、綿や麻の服を着ていた韓国庶民は合成繊維であるナイロンのスカートやチョゴリを着るのが夢であるほどだった。

しかし、経済が発展してナイロンの真価が明らかになった。通気性が全くなく安いという認識が広がり、「ナイロン娘」というお洒落なイメージから「表だけ艶やかな偽物」に転落した。以来、ナイロンは、偽物の代名詞になった。

ナイロン患者だけでなく、上品な装いだが財布の中は空っぽの「ナイロン紳士」、何の誠意もなく手だけ叩く「ナイロン拍手」、信仰もなく社交を目的として教会に通う「ナイロン信者」などの言葉ができた。

先に述べたようにナイロン患者はすごく多い。自動車事故で入院した患者のうち、少なくとも10%以上がナイロン患者だ。韓国通貨危機の時は、事故に遭った後、入院した患者のうち14%が検査時に病院にいなかった。通院治療でも十分であり、完全に自然治癒が可能な場合でも、とりあえず保険金を受け取ろうという心理が広がっている状態だ。

追突事故で首を怪我した患者のうち、90%以上が仮病だという調査結果まで出てきたほどだ。保険開発院が2011年の4月から2012年の3月までの1年間を調査した結果、首を負傷した被害者の治療費が5625億ウォンであり、このうち追突事故による治療費が2857億ウォンと半分以上を占めた。

事故が起きた二つの車両の速度差である衝突速度が時速8~11㎞程度ならケガをする可能性が少ないにもかかわらず、軽い接触事故でも、前の車の運転者は手で首を抑えて出てくる。普段からストレスで首の後ろが凝っていて、泣きたい時に頬を殴ってやったようなものだ。保険開発院側は、このような追突事故の犠牲者のうち、45.5%は、特に治療の必要がなく、5.8%は簡単な治療で十分との見解を明らかにした。

しかし、痛いというのにどうしろというのか。とりあえず病院に行く患者たちのせいで、自動車事故による首の傷害入院率は、健康保険による入院率よりもおよそ33倍高い。自動車事故で治療を受けた患者のうち、なんと63.5%が入院治療を受けている。保険患者の平均入院率が日本より8.7倍高いという調査結果もある。

ナイロン患者が増えているのは、患者本人だけでなく、病院や医院の商売事情も一役買っている。特に経営が厳しい病院がナイロン患者の養成にどんどん力を入れる。交通事故患者は、医療保険の患者よりも治療費を高く得ることができるという点もいくつかの病院の悪徳商法を煽る要因だ。

ナイロン患者を幇助した疑いで、毎年病院関係者が詐欺の疑いで警察に摘発されているにもかかわらず、まだ根絶される兆しを見せない。交通事故のほか、様々な疾患で痛くて死にそうだと大袈裟に表現する患者のために正常な人だけが保険料を多く出している。
  • Lim, Chul/写真=MBN
  • 入力 2014-12-23 15:00:00

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