A. | しばらく前に、集まりで高齢でも元気な退役将軍に会いました。80歳を過ぎた将軍は韓国戦争時にも勇敢に戦った兵士でしたが、その時の功績で武功勲章を受け取っています。 話の最後に英雄の話題になりました。老将軍は、淡々と聞いていましたが、しばらく前に自分が英雄になったという知らせを伝えました。 国に貢献した人を護国英雄と呼んでいるそれではなく、本物の英雄称号とメダルを受け取ったというのです。集会に参加した人は結構多かったのですが、全員初耳といった表情でした。 少し申し訳なく思ってしまいました。国から英雄扱いをされている方なのに、そのような事実を全く知らずにいたのですから。韓国では勲章を受け取った人に対する待遇が疎かだという感じも一緒にしました。 勲章をもらった人に与える恩恵もあまりありません。勲章は受勲したそれ自体で名誉なことと考えられてはいますが、それだけです。憲法で最初から特権を与えないように規定されています。 勲章の特典は、名誉プラス勲章の価格程度です。勲章の価格は種類によって異なりますが、勲章は大体にして製造価格は20万~100万ウォン程度です。太極武功勲章が57万ウォンなのですから、他の勲章も似たようなものでしょう。 ただし、大統領と配偶者に儀礼的に与えられるムグンファ大勲章を作るのにかかるお金はものすごいです。大統領が退任直前に受けとるため、「セルフ(Self)勲章」とも言われますが、この勲章を作るための製作費は4800万ウォンに達すると言います。金190匁にアメジスト、ルビーなどの宝石が使われるため、高価なのでしょう。在任期間中、国民に悪口を言われていても、大統領を務めたからと夫婦で1億ウォン分のメダルを首にかけることになるわけです。 大統領がをなぜ勲章を受けるのかは分かりません。大統領を務めただけでも、十分に名誉なことでしょうに。 話が脇道にそれましたね。とにかく、勲章をもらった人が受け取る金銭的な補償はありません。ただし、軍や警察で武功勲章を受け取った人は、産業勲章、体育勲章、文化勲章などの他の勲章とは異なり、いくつかの利点が与えられます。 例えば死んだ後、国立墓地に安葬され、報勲病院の診断料の60%割引などを受けることができます。航空運賃も30%安く利用できますが、航空運賃はあまりにも差が大きいため、割引を実感しにくいそうです。そして、少しの金銭的な補償もされますが、満で60才を越えた武功勲章の受章者には月24万~26万ウォン程度の手当が出ます。 これだから、貧しい兵士は昔の話が自然に思い浮かぶようです。ビスマルク時代ドイツの話ですよ。 ビスマルク:あなたは大きな貢献をしたので、どの賞を受けとるか選択権をあげよう。最高の等級と勲章と賞金1億ウォンのうち、どれを受け取りたいか。 兵士:勲章を作成するのにどのくらいの費用がかかりますか。 ビスマルク:約100万ウォン程度かかるらしいぞ。 兵士:それでは、勲章と9900万ウォンではだめでしょうか。 勲章の受章者が生活の実質的な支援を受ける方法があるにはあります。ただし、国家有功者の資格を得て、様々な特典を利用するためには健康ではいけません。この制度は基本的に傷痍軍警の生活をサポートするために作られたからです。 勲章の利点がこの程度であるため、大統領の表彰くらいを受けたからと利益を望むなんて考えることすらできません。ただ家宝にして保管する大切な物くらいだと思うほうが正しいでしょう。大統領表彰は受け取った人があまりにも多く、何世紀が過ぎても骨董品としての価値もあまりなさそうです。 ただし、大統領表彰にまつわる話が全くないわけではありません。以前、韓国の金利が高く、銀行にお金を借りるのが難しかった時は、大統領表彰も企業にとっては役立ちました。 企業の信用格付けを評価する際に大統領表彰を受けたという事実が考慮されたためです。表彰を受けた企業であれば、信頼できる企業として評価されるため、表彰が企業にはかなりの金銭的支援を与えたことになるでしょう。数百億ウォンの融資を受けるときに金利が0.1%だけでも下がるのであれば、大きなお金になりますからね。
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