Q.韓国の大学では、成績がオールFになると授業料を返してくれるというのは本当ですか？
| A. | そろそろ大学の単位が心配になる頃です。 数科目の成績がF評価になって慌てるくらいなら、すべての科目においてFの評価を受け取っておいたほうがいいでしょう。後あと成績表を誰かに見られても、その学期には健康に問題があっただとか、人生の重要な岐路に立つ事件が発生して勉強できる状況ではなかったと認めてもらえることでしょう。 問題は高価な授業料を払って、1学期を余分に通わなくてはいけないということです。そのお金はどうやって調達しようか悩んでいるとき、授業料を返してもらうことができるなら、錦上添花というものでしょう。 このような願いが集まって作られたデマといったところでしょうか。実際にはそんなことあり得ません。 「成績がオールF」と聞いて思い出す歌手がいます。2000年、『揺れる友情』という歌で人気を集めたホン・ギョンミン という歌手なのですが、トップクラスの歌手とは言えません。ルックスもそこそこ、ハスキーな声に話し方も良かったのですが、やはり人気が出始めたころに軍に行ってきた空白期が、その後の人気においての障害要因だったようです。 軍に行く頃、急性肝炎にかかったため、すぐには行かなくてもよかったのですが、治療を終えた後、自ら進んで現役で入隊しました。スティーブ・ユーの兵役問題で国全体が騒々しかった時だったため、騒動に埋もれるのが嫌だったそうです。 彼が除隊する頃には、芸能界に再び大規模な兵役不正事件が発生して、進んで軍に行って来た歌手として、イメージが良くはなりまいた。 ホン・ギョンミンは幼いときから歌手の夢も持ち始めたそうです。だからきっと勉強を真面目にはしなかったことでしょう。学校にきちんと通わなかっただろうということです。高校の内申の成績があまりにも良くなかったので退学し、大学検定試験を受けて、大学に進学したはしたのですが、高校にもしっかり通わなかった彼が大学だからと出席をするはずがありません。 忠清北道の清州市にある忠北大学校に通ったのですが、ソウルで歌手生活をする彼が清州の大学に通っていたとしたら奇跡のようなものです。4年間を通いはしましたが、卒業できるほどには単位は取ることができず、2002年に復学をしなかったため除籍処理がされてしまいました。結局、最終学歴は大学中退となってしまいました。 4年間、授業料を出し続けて学校に通ったうえ、歌手として学校のイメージを高めるのに一役買ったと感じたのか、10年が過ぎた2012年に名誉卒業証書を与えられたそうです。そうなると、最終学歴は大学の名誉卒業になるでしょうか。いえ、結局は中退です。 ホン・ギョンミンがいつか、放送で、その時代の話をしたことがあるのですが、オールFを受け取って主任教授に呼び出され、「あなたのような学生は、初めてだ」という言葉だけを聞いたそうです。 ホン・ギョンミンは大学を卒業するよりは歌手として成功することが重要だったからだと考えられますが、オールFを受け取る大学生が本当にいるのかと考える人もいるでしょう。大学では、自分が聞きたい科目を選んで受講申請をしたら、最低でもC、いやもう一段下げてもDくらいは受け取ることもできるのではないかと思うからです。 ところが、思ったよりオールFを受ける学生が多いのです。半修する学生のせいだそうです。半修とは何かというと、大学に通いながら再修（チェス、再び大学受験に挑むこと）をする学生たちのことを指すのですが、自分が希望する大学に行くために入試の準備をしながら、念のために学校にも籍を置いているのです。大学に入学してから専攻が自分の適性や趣味、能力に合わないと気づき、一歩遅れて浪人を決意する学生もいるんです。 いつだったか調査をしてみたところ、中位圏大学の場合、新入生の10％ほどが半修をしているという事実が知られました。 このような学生が今でもたまにオールFを受け取ると授業料を返してもらえるでしょうか、とこのようなとんでもない質問をしてくるそうです。学士警告は覚悟しても、一学期の授業料を慰労奨学金として返してもらうことができればと、このような願いから質問するのでしょう。 あり得ません。授業料を出したのであれば、オールFではなく受講申請自体をしなかったとしても授業料を返す大学は韓国に1カ所もありません。大学には何の責任もありません。お金を出したのに商品も持って行かない客が愚かなのです。 それでも大学に少しは責任があるとお考えですか。 確かに、そうですね。だから「あなたは愚かな客ですよ」と学士警告状を送るのです。 |
- Lim, Chul
- 入力 2015-12-18 00:00:00
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