Q.[韓国の兵役] 社会服務要員(公益)について⑥:現役を避けるためのさまざまな工夫

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A. ※この記事は「[韓国の兵役] 社会服務要員(公益)について⑤:補充役にもいろいろ」の続きです。

PSYが軍隊に行かないために、居酒屋でケンカをすることを考えたぐらいのことは、目をつぶってあげることのできる話です。これよりはるかに深刻な事例があります。そのため、徴兵検査を素材にしたユーモアもかなり多くあります。まず、ひとつの文を紹介します。

「ロイター通信によると、大韓民国は健康で丈夫な高官の息子も脱落するほど、身体検査基準が非常に複雑であり、またその困難な身体検査を上手く通過した現役将兵たちの体力と精神力は想像を超越するもので、恐ろしい」

本物のロイターの記事だと勘違いしてはいけません。偉い人の子どもたちが軍隊に行かないケースが多いことを皮肉ったブラックユーモアです。実際には高位公職者の息子が徴兵検査で4級以下の判定を受ける割合が高いので、全く根拠のない話ではありません。去る2014年基準で見ると、下の表の通りです。

高位公職者の息子であれば、幼い頃からいいものを食べて、健康管理にも十分気を付けていたはずなのに、どこか足りないところが多いなんて、ちょっと変ですよね。

ある意味、徴兵検査は現役に行かないための小細工と兵役当局との熾烈な頭脳戦でもあります。小細工が通じて補充役に編入されたり、兵役免除を受けたとしても、兵役不正を犯した事実が発覚したら、義務服務期間をすべて満たしていた場合であっても完全に無効となり、再び軍隊に行かなければなりません。小細工が通用してSNSに自慢げに書き込んで、摘発された事例もあります。

代表的な小細工が精神病の偽造、肥満、高血圧などです。軍隊に行かないために精神疾患のあるふりをした事例は数多くあります。ギャグの定番素材でもあります。

軍当局も精神病の患者が入隊することを望んでいませんが、あまりにも多くの人が軍隊に行かないために精神疾患があるように偽装するため、神経を尖らせています。病院で4~5時間かけて40万ウォン以上かかる総合心理テストを介して、自分が精神病であるということを証明しなくてはいけません。

3年間の長期治療を受けて、5年以上の治療が必要であるという所見書があっても、補充役の判定を受けられない場合もあります。治療中に空白期間があると、完治する可能性があると見るのです。軽い精神疾患は、むしろ軍隊で修正することができるからと考えられたりもします。

2008年の場合、徴兵検査を受けた31万2929人のうち、なんと1万3346人が精神科の診断書を提出しましたが、このうち、補充役以下の判定を受けた4級が742人、5級は1247人、6級は17名でした。精神疾患による軍隊の免除が難しいという事実を知ることができます。

ただし、2013年に軍で大事故が起きたため、判定基準が多少緩和され、6カ月以上精神科の治療を受けていれば補充役と判定する場合が多くなりました。

精神疾患に劣らず多い事例が肥満と低体重です。現在の基準では、慎重が204センチ以上であれば4級、140センチ以下の場合は6級、141~145センチは5級、146~158センチは4級判定を受けます。生まれ持った身長は強制的に減らしたり伸ばしたりすることができません。しかし、体重なら事情は異なります。多く食べたり、食べないことができます。肥満の程度を測定する基準であるBMI 33以上は4級で、逆にBMI 17未満の低体重も4級と判定されます。

検査を控えて太ったり、減量する人が多いという事実を兵務当局も知っているので、突然、再測定をしたりもします。10日~120日の間に身体検査を再び受けるように通知が来ますが、痩せようと食事をとらずにいたのに、通過したことが嬉しくて食べすぎてしまっては、兵役不正に引っかかります。

高血圧もよく登場する小細工の一つです。昔は徴兵検査を受ける前に醤油を飲んだり、胸に鉄の粉を塗ってレントゲン写真を撮るなどの妙手が通じましたが、最近はそんなことは通じません。それでもあきらめずにブラックコーヒーや醤油をたくさん飲んで、動悸がするようにする人がいるそうです。

2008年に高血圧で4~5級の判定を受けた人を再び検査して、74人の偽装患者を摘発したケースもあります。公益勤務を終えた17人が最終的には現役で入隊し、公益や産業技能要員として勤務していた42人は現役に切り替えられました。もちろん、公益に勤務した期間も認められない状態でです。悔しいですが、仕方ありません。騙そうとしてばれたのですから。

軍に行かないことや、または補充役にわざと抜けることは困難です。何といってもトランスジェンダーですらも軍に行きます。女装をして身体検査を受けに行っても、性転換手術をして完全に女性に変わらない限り、4級補充役判定を受けることは難しいそうです。軍免除を受けようと、一時的に豊胸手術をした後、免除判決を受けた後、再び抜いた事例があったため、軍当局も必死なのです。ところで、気になりますか。性転換手術を受けて、完全な女性になったトランスジェンダーがなぜ身体検査を受けなければならないのか。

検査まで免除を受けるためには住民登録の変更が必要なのですが、これは時間のかかる手続きです。韓国の住民登録番号は、女性の場合、後ろの数字6桁が2で始まるのですが、この番号を変える前には徴兵検査を避けることはできません。

※この記事は「[韓国の兵役] 社会服務要員(公益)について⑦:社会服務要員の配置先」へ続きます。

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  • Lim, Chul
  • 入力 2016-05-09 00:00:00

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