Q.韓国の兵役前の男性のパスポート発給や海外旅行の制限について。昔と今では違う?(1)

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A. ※(1)では1970年代から1990年代までの兵役前の男性とパスポートの関係について書かれています。現在の韓国男性のパスポート事情について知りたい方はこのページの下にある(2)へのリンクで次ページへと飛んでください。

非常に間違った認識です。昔は、軍隊に行く前はもちろんのこと、軍隊で勲章をもらって除隊してもパスポートを作ることができませんでした。パスポートを持っている人だなんて。昔は誰もが仰ぎ見る人々でした。

パスポート?! なら、外国にも行ってみたのか?! 飛行機にも乗ったのか!

国際身分証明書のパスポートは、特権階層の専有物でした。1980年代以前までは、庶民ではなく中産層が住む町で外国に行ってきた人はベトナムに派兵された兵士か、サウジアラビアなどの中東地域にドル稼ぎに出た労働者がすべてでした。それよりも前に、ドイツへと旅立った鉱夫や看護師もいましたが、その数はあまり多くなかったので、姉がドイツから送ってくれたプレゼントだと自慢する友人がどれほどうらやましかったことか。

偶然、本当に珍しく海外出張に行ってきた公務員や会社員がいたりもしました。家に帰ってくると近所の人がみな集まって、外国の話を聞いたりしました。

「もうやめてくれ、私たちの息子は疲れているんだ」

海外旅行をしてきた息子を誇りに思いながらも、親は近所の人たちを追い払うのに忙しかったのです。わずか30年前の話です。

厳格に制限された出張、就職、留学など、明確な理由がなければパスポートを作ることはできませんでした。

韓国の一般人が海外旅行をできるようになったのは、1983年からです。この年から初めて観光客にもパスポートが発行されました。しかし、誰でも可能なものではありませんでした。まず、年齢が50歳以上でなければなりませんでした。さらに、観光預金の名目で200万ウォンを納入しなければならなかったのです。当時の200万ウォンは大卒新入社員の8~10カ月分の給料です。少なくないお金です。

だからお金持ちの高齢者か、お金をたくさん稼ぐ子どもを持つ高齢者でなければ、海外旅行は遠い国の話に過ぎませんでした。従業員を出張で送る会社も売上高を計算してからパスポートを発行したため、中小企業は「展示会が開かれるから、この機会に見識を広めることも兼ねて、できるだけ多くの従業員を海外に送ろう」などという人材育成プログラムを立てることはあり得ない事でした。

パスポートの発給を受けることができる年齢は低くなったものの、1988年にソウル五輪が開かれるまでは、30歳未満は観光パスポートが発行されませんでした。男性にとっては30歳という年齢が兵役と関連しているかもしれませんが、この制限は女性にも該当していました。パスポートの発給に男女平等を適用したのか、若い人たちが外国に行ってきたら変な思想に染まらかもしれないという懸念があったからなのかは明らかではありません。

実は、1990年代の初めまで海外旅行に行く前には必ず反共教育を受けなければなりませんでした。男性は反共連盟(現自由総連盟)、女性は礼智院の素養教育を受けてこそ、飛行機に乗ることができたそうです。反共教育の定番の素材は、1978年に香港で拉致され、北朝鮮に連れて行かれた女優チェ・ウンヒ(崔恩姬)の拉致事件でした。

チェ・ウンヒは合作映画の制作を議論するために香港に行って拉致され、以来、夫の映画監督シン・サンオク(申相玉)も強制的に拉致されましたが、彼らは金正日のもてなしを受けて複数本の映画を作ったと言われています。

  • < 1980年代までは、韓国人の海外旅行は厳しく制限され、1983年以前には観光目的のパスポートは発給されていなかった。旅行者は基本的に反共教育を受けていた。海外旅行を控えて反共教育を受けるために登録する人々。(資料=国家記録院)>

最近では、外国に遊びに行った多くの韓国人たちがわざわざ北朝鮮飲食店を訪れて、北朝鮮従業員に声もかけて写真も一緒に撮って記念に残しますが、1990年台初めまではとんでもないことでした。外国で北朝鮮住民と接触した事実が分かれば、当局に報告しなければならないのですが、申告をすると不利益を被るのではないかと心配したものです。

パスポートの発行に年齢制限がなくなったのは、1989年の1月からです。まだ30年も経っていません。そして、1993年からは海外旅行者が義務的に受けなければならない反共教育も消えました。ハンガリー、チェコ共和国、ロシアなどの共産圏諸国と相次いで国交を結んで旅行者も増えたのに、反共教育をする名分もなくなったうえ、外交戦でも北朝鮮をリードし、経済力も格段に差があるという自負心が打生れて、反共教育をしなくなったのです。まだ反共反共と言っているのかという不満もあったうえに、増え続ける海外旅行者をすべて教育する人手も不足していたというのが反共教育がなくなった理由と言えるでしょう。

おそらく、夏休みなどを利用してヨーロッパを旅行したりする最近の学生に反共教育を受けろと言ったら、あらゆる反論を聞くことになるでしょう。

軍服務を終えていない人は、海外旅行に制限を受けますが、それは年齢に応じて多少違います。説明をするには長くなるので、今回はこのへんまで。

※この記事は「韓国の兵役前の男性のパスポート発給や海外旅行の制限について。昔と今では違う?(2)」へ続きます。
  • Lim, Chul
  • 入力 2016-05-25 00:00:00

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