Q.韓国では末端の9級公務員も人気がありますか。

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A. 「鉄の炊飯器(チョルバブトン)」が何を意味するのか知っていますか。生涯飢えないように保証してくれる炊飯器のことです。豪華に暮らすことはできなくとも衣食住を心配せずに暮らせるのなら、それに満足する人もかなり多いでしょう。

終身雇用という言葉が自分のことのように感じられた20年前には、大企業に勤めていた人たちも将来をあまり気にしていなかったので、彼らにとっても職場は「鉄の炊飯器」のようなものだったことでしょう。しかし、構造調整という名で解雇の嵐が都市に吹いて、いつ切り捨てられるかわからない恐怖が広まりながら、鉄の炊飯器は公企業や公務員にだけ与えられる特権となりました。

9級公務員でもいいではないですか。住民センターで書類を出力してくれる末端の公務員の仕事が他の人の目には些細に見えるかもしれませんが、リストラの心配もなく、定時に出勤して定時に退社できる仕事が生涯与えられます。さらに退職後には食べて行くのに十分な年金を受け取ることもできます。

9級の公務員が誇らしく感じられるのかというと、もちろんです。毎年30万人近くの人々が9級公務員になろうと試験を受けます。昨年の9級公務員試験の競争率はなんと53対1でした。今年初めに実施された国家公務員9級の選抜試験には22万8368人が受験しました。選抜予定人員が4910人なので競争率が46.5対1にも迫ります。

昨年より競争率がやや低くなりましたが、それでもすごいですよね。合格率が1.8%、文字通り針の穴を通過する必要があります。以前には「面書記のどこが官職なんだ?」と皮肉を言う人もいましたが、誰が官職だと言ったでしょうか。あくまでも他人がうらやむ職場に通っているのですから誇らしいということです。

9級公務員に挑戦する人は本当に多いですが、階層も非常に多様です。それこそ老若男女がまんべんなく混ざっていますね。

家庭の事情が苦しくて大学進学をあきらめる高校生の中には高3の時から公務員試験の準備をする人もいるそうです。彼らはコンディン(公務員試験を準備する高校生)と呼ばれたりもしますが、末端の公務員を受験しようとする人々は非常に多様です。

ようやく就職した会社を辞めてコンシセン(公務員試験準備生)の仲間入りをしたり、子供を産んで育てながらキャリアが断絶した女性も公務員になろうと参考書をめくります。年齢制限が消えてから40代と50代の志願者も増えています。もちろん、ほとんどは青年たちです。2016年基準で一般公務員試験を準備中の青年の数は25万7000人ほどになりますが、青年層の非経済活動人口のうち、彼らが占める割合が5.2%ほどになります。

9級公務員は末端公務員という文字の通り、することもたいしたことではなく、給料も多くありません。引き受ける仕事は難しくありませんが、これは創造性を発揮することが難しいことを意味したりもしています。上流社会を夢見る人々であれば、決して進まない道ですね。ただ食べて生きることに満足する人、特権はなくても家族と快適な生活を享受したいと思う人が選択する人生です。

そうです。

定年や年功序列による昇進と号俸の引き上げが保証されていて、育児休職や休暇など、法が保証するすべての利点を享受することができます。よくよく考えればメリットではありませんが、一部の悪い企業はこれを適切に実施していないため、法を守るだけも恩恵を享受するということになります。

公務員の暮らしの中で人々が最も羨望する部分が安定です。ある研究所が中間層の退職者を対象に調査をしてみたところ91.6%が定年を待たずに退職したと答えました。こうだから「大企業に通うからと何だ。後日にはチキンを揚げることになるのに」という自嘲が聞こえてくることになります。

公務員は少なくとも「サオジョン、オリュクド、ユクイド*」には該当事項がありません。本人が非常に無能だったり犯罪を犯さない限り、30年以上の安定した雇用の確保を受けます。さらに、オフィスでうるさく言われることもありません。上級者といっても同じ公務員なので利益を出すように追われる立場にはないので、一緒に仲良く過ごそうという家族的な雰囲気が強いですよね。

*サオジョン(45停) - 45歳になったら定年退職
 オリュクド(56盜) - 56歳まで会社に通ったら泥棒
 ユクイオ(62五) - 62歳まで会社に通ったら国を台無しにした五賊

名前を残したいとか、贅沢三昧を享受したいのではないかぎり、公務員は末端になるほど、すなわち政治や社会問題に巻き込まれる可能性がない部門であるほど良いのかもしれません。

公務員になろうとする人々にとって誘惑的なことがもう一つがあります。学歴や人脈、家の背景を問われないことです。つまりスペック(spec)が必要ないということです。公務員になるために海外留学に行く必要もなく、研修も必要ありません。インターンや学校の成績も必要ありません。ただただ試験の成績だけ良ければいいのです。貧しい学生が注目するわけです。

これは韓国社会の一断面でもあります。盛んに夢を追いかけなければならない青年が安定した生活を渇望しなくてはいけないという現実。夢がない人生、夢のない社会は発展することができないものなのですが、夢を放棄する代わりに快適な生活を渇望する社会になってしまったということです。

公務員をどのように選抜するのか、これについては次回、紹介します。
  • Lim, Chul
  • 入力 2017-06-05 00:00:00

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