Q.韓国で観客がステージに乱入した事件を教えてください。（上）
| A. | 1960~70年代に韓国歌謡界を二分していた2人の男性歌手がいます。最近の基準でもイケメン歌手の仲間入りを十分にするであろうナム・ジンと男らしいスタイルのナ・フナです。 この2人の歌手がオッパ部隊（男性歌手やグループに熱狂する女性ファンの群れ）の創設者と言っても過言ではないでしょう。それだけファンも二分され、お互いを敵視していました。ナム・ジンのファンが居酒屋に行ってナ・フナの歌が流れてくると、テーブルをひっくり返したほどです。 1972年、ナ・フナがリサイタルをしている時に割れたガラス瓶を手に持って暴漢が舞台に乱入してナ・フナの顔に傷を負わせました。深い傷跡を残すほどの負傷でした。 事件が発生するとナム・ジンのファンが犯したという噂が広まり、全国的にナム・ジンのファンとナ・フナのファンの間で争いが起こったりもしました。 ファン同士の喧嘩では満足できなかったナ・フナのファンがナム・ジンのもとを訪れて乱暴をはたらき、獄中生活を送ったりもしました。 おそらくこの事件が韓国で起きた最大の乱入事件であることでしょう。 50歳を越えてもまだ独身の女性歌手シン・ヒョボムも、危うかった記憶を持っていますね。 1990年代の軍部隊の慰問公演中の出来事なのですが、歌を歌っているときに兵士の1人が舞台に上って来て彼女のスカートを持って破いてしまったのです。 MBCのトークショー『遊びに来て』に出演したシン・ヒョボムはこの事件を打ち明けました。 最近のファンの記憶に残っている最大の乱入事件は、2011年4月にロッテワールドアイスリンク特設舞台で公演をしていた少女時代テヨンの誘拐騒動事件であることでしょう。 少女時代が『RunDevilRun』を熱唱中だったとき、男性が舞台の上に現れテヨンの手首をつかんで引っ張って行こうとしたんです。あまりにも一瞬の出来事だったので誘拐の疑いを受けるほどでした。もちろん誘拐ではなくテヨンの熱烈なファンがとった行動でした。 とにかくこの事件は舞台の上にいたコメディアンのオ・ジョンテと警護員が制止して終わりました。 少女時代は舞台に乱入した観客を許して心の広い姿を見せ、オ・ジョンテはたちまち国民的英雄になりました。 舞台への乱入を防いで人気を得た人の中には俳優イ・フンもいます。1990年代当時、イ・フンはSBS『TV歌謡20』のMCを務めていました。人気が多少落ちて半月後には降板する予定だったのですが、乱入事件が彼を有名にして1年以上MCを務めることになりました。 当時の状況は次のとおりです。放送の途中、歌手キム・イェブンの熱烈なファンが舞台に上がってきたのですが、イ・フンをキム・イェブンだと錯覚して抱きついてしまったのです。イ・フンはこの人を瞬時に制圧し舞台の下におろしました。 これをパフォーマンスだと誤認していたカメラマンが撮影を続け、イ・フンは頼もしい男として注目を集めました。キム・イェブンもイ・フンにすっかり惚れ込みました。 しかし、舞台乱入事件が英雄を作り出すことは珍しほうです。通常は警護を誤った主催者側が多大な非難を聞くことになります。 セクシーなダンス歌手の元祖という声を聞くキム・ワンソンも慶州での公演をしていて慌てたことがあります。60代の高齢者が近づいてきて花束をくれたのです。ここまではまあいいとしましょう。しかしこのことがさらに大きくなり続けました。一度花束を受け取ってあげたところ、花を持って舞台に上がろうとする人々が増え、歌を歌うキム・ワンソンにサインまで要求する、とんでもないことが起こったのです。 無知な田舎の高齢者の行為として片付けることもできるかもしれません。しかし、公演の管理に慣れていない地方の舞台ではこのようなことが起こる可能性が高いのが問題です。 ※この記事は明日へと続きます。 |
- Lim, Chul
- 入力 2017-06-15 00:00:00
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