Q.韓国の農村地域は、ソウルなどの大都市との格差がどの程度ですか?

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A. ソウルの中心を切り開くように流れる漢江に、汝矣島(ヨイド)があります。 8.35平方キロメートルほどの面積に、3万4000人程度が住んでいるのです。

忠清北道報恩郡懷南面は、大きさが46.46平方キロメートルで汝矣島の5.5倍になりますが、ここに住んでいる人はたった792人です。大都市のアパート1~2棟に住んでいる人程度にしかなりません。それでも、2011年の777人に比べたら増えたわけです。

6世帯が帰農し、外国から嫁いできた結婚移住女性などが子供を5人も(?)出産したのが人口の崖からの脱出に助けになったのです。

子供が減る邑・面・洞で羨望することでしょう。第3子を産めば1000万ウォンまで奨励金を与える地方自治体まであるのですが、地方ではまったく人口が増えません。

懷南面の場合のように、人口が1000人にならない邑面洞が全国的に63か所にもなります。このうち15か所では、昨年たった1人の新生児も生まれませんでした。

人がたくさん住んでいないため、医療施設や学校、ショッピングセンター、遊び場がなくなるのはもちろん、行政施設も消えてしまいます。

先に紹介した懷南面の場合にも、1976年には人口が5578人にもなりました。当時までは通常の人口だったのです。しかし人口が急減し、官公庁、金融機関、学校などが次々と閉鎖し、警察署も今では昼にのみ運営する治安センターに変わってしまいました。全校生徒が16人の小学校が唯一教育機関の命脈をつないでいるのです。

行政単位を少し広げ、郡地域をみてみましょう。

慶北英陽郡は、面積が815.25平方キロメートルで、ソウル(605.21平方キロメートル)よりもはるかに大きいです。この広い地域に住む住民がわずか1万7000人と少しです。官公庁や学校がある郡庁所在地である英陽邑を外れると人を発見することは困難です。

昨年英陽の出生申告は73人、死亡申告は241人です。新たに生まれた子供よりも死亡者が3倍以上多いのです。ソウルより広い地域にある医療施設は、病院1か所と歯科3か所です。産婦人科はありません。妊婦が診察を受けるのなら、遠くの安東まで行く必要があります。これで、若い夫婦がここに住もうと思うでしょうか。

島という特殊性を持った慶北鬱陵郡を含むのならば、人口数が3万人に満たないミニ地方自治団体が全国に31か所になります。

韓国が超低出産社会に差し掛かってから長く経ちましたが、地方の事情は非常に深刻です。ややもすると農村には誰も住まないという日が来るかも知れない状況です。いや、地方が消滅するという報告書がすでに出ているため、人が消えた田畑に雑草だけ生い茂っているという日が間もなく来るでしょう。

韓国雇用情報院は、今後30年以内に全国の市・郡のうち3分の1を超える4か所、1383邑面洞が人が1人も住まない「人口消滅地域」になるだろうという衝撃的な見通しを発表しました。

このような見通しが出てきたのに、誰が農村への投資をするのでしょうか。ショッピングセンターどころか、個人スーパーさえも開く考えをしないでしょう。農業をしながら暮らすのでしょうが、子供たちの教育はどうやってさせて、文化生活はましてや夢の話です。下着1枚を買おうとしても数十キロメートル離れたところまで車に乗って行かなければならないはずです。

人口が減少しながら生活の質は厳しくなり、そうしているうちに残された人々も「ここで子供をどうやって育てるのか」と離れる考えだけするようになり、悪循環の繰り返しです。

人が住んでいないため、農業をするのも困難です。人を雇うのが難しいため、人件費が非常に高いのです。年をとった高齢者たちが生涯を生きてきた土地を守っているだけです。雇用情報院が出した報告書は、高齢者が去った後の様子であるはずです。

これが現実です。赤ん坊の泣き声はおろか、人の足音を継続させるのが緊急の課題になりました。いま韓国の農村地域は、大都市と比較する贅沢(?)を享受する時ではありません。
  • Lim, Chul
  • 入力 2017-07-17 00:00:00

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