A. | 今回紹介するウェブ漫画は少し不気味な雰囲気の作品です。災害、怪奇、こんな要素が多く混じっています。そのままドラマとして制作されるのなら、韓国を代表するジャンル物のドラマが誕生することでしょう。 ウェブ漫画は、ふと目が覚めた主人公がソウルが廃墟となり世界は滅亡した状態を確認するところから始まります。 Post Apocalypse。 世界が滅びた後の話です。なぜ滅亡したのか、なぜソウルが崩壊したのか…。 聞かないでください。主人公もその理由を見つけるためにさまよっていますが、たまたま見つけた新聞で「建国以来最悪の災害、8.11合井駅事故、5万人が行方不明」という記事を見つけたのが精一杯です。エピソードが進むにつれて政府が災害委員会を発足させる時に緊急時の避難所を作ったところを見ると、このような災害が発生する可能性については予測していたという点を知ることができるくらいです。 とにかく世界は恐ろしくなりました。犬も人を見ると捕まえて食べようと襲い掛かってきます。木星が軌道を離脱して月が粉々になってしまったのですから、地球に息づく生命体がいるというのが奇跡です。 木星がなぜ、どうして…。太陽系の他の惑星の位置は変わっていないのか。 疑問だらけですね。もちろんウェブ漫画のあらすじも疑問だらけです。 作家の想像の中で作られた世界なので仕方がありません。 ヒロインは偶然会って同行することになった女子高生シネ・ヘユル。応援の練習をしていて事故に遭い、体操服を着ています。 シン・ヘユルはカン・ハヌルに「ソウルが滅亡してから62日も過ぎた。あんたはどうしてバッテリーの残ってる携帯電話を持って現れたの」と言います。いわば62日間意識を失っていた中で超能力を得たということです。数多くの命を奪った放射能が主人公には「天佑神助」だったわけです。 ほら、落雷を受けても死なずに予知能力などの超能力を得る人がいるじゃないですか、おそらく似たようなケースなのでしょう。 光を失った世界の主役は視覚障害者になります。事故前にも前が見えなかったので、この世界での生存に適していたのでしょう。ノーベル文学賞受賞者であるポルトガルの作家ジョゼ・サラマーゴ(Jose Saramago)の小説『盲人の都市』も連想されます。 ウェブ漫画の制作会社「YLAB」から『深淵の空』の映像化権を買った会社は、「バリューカルチャー・アンド・メディア(VCM)」です。2016年、tvNで放映されたドラマ『恋はチーズ・イン・ザ・トラップ』とウェブドラマ『心の声』など、ウェブ漫画の映像化作業を進めてきた会社です。 VCMが『深淵の空』をドラマとして作成するのか、または映画として作るのかもまだ未定です。 シーズン1~3までは年齢制限がなかったのですが、シーズン4に入り19歳以上閲覧可能の札がついたので、これをどう処理するのかも気になるところです。 |