A. | ※この記事は「異色の経歴をもつ韓国の俳優を教えてください(上)」の続きです。 2017年に放映されたMBCドラマ『仮面の王 イ・ソン』でヒロインハン・ガウン(キム・ソヒョン扮)の父親役を引き受けて熱演を繰り広げたチョン・ノミン(本名チョン・ジェリョン)が俳優になった事情も異色です。 彼は大学を卒業して航空会社に勤務をする中、思いがけず芸能界に足を踏み入れます。 事情は「ハンサムだ」という点一つでした。友人の結婚式に彼が現れると視線は新郎の代わりに彼に注がれました。おかげで「新郎を食う奴」という汚名(?)を着せられたりもしましたね。 とにかくその日も結婚披露宴の会場に行き、CF監督にピックアップされました。 モデルが仕事をやめたせいで支障がもたらされたCF監督は、宴会場で出会ったチョン・ノミンに提案しました。少し迷いもしましたが、50万ウォンをやるというためにすぐに受け入れたそうです。当時、彼の給料が150万ウォンだったのですが、少しポーズをとった代価に50万ウォンだなんて。 一度モデルとして立つと、仕事が溢れ始めました。東大門市場の衣類商人たちのカタログにたくさん登場したといいますね。アルバイトで写真を撮りながら仕事が滞り、ちゃんとモデルの仕事をしてみようと会社に辞表を出したところ仕事が入ってこなくなったといいます。本当に不思議ですね。 数カ月間不安で睡眠もまともにとれなかったそうですが、放送局から電話がかかって来てドラマに出演することになりました。
しかし、韓国ギャングスタームービーの一線を引いたと評価を受ける映画『グリーン・フィッシュ』(1997年上映)で全く同じ事態が再現されます。タクシー運転手の役割を引き受ける俳優が現場に来なかったのです。急ぎのためチョン・ジニョンが投入されました。初めて商業映画に出演するにもかかわらず非常に自然な演技を見せてくれたため、出演オファーが殺到しました。以来、パク・シニャンとチョン・ドヨンが主演を引き受けた映画『約束』で暴力組織の行動隊長役を務め、有名になりました。 テレビドラマよりは映画の仕事をたくさんする方ですが、MBC時代劇の看板であるイ・ビョンフンPDの勧誘でMBCの時代劇『トンイ』で捜査官ソ・ヨンギ役を務めました。イ・ビョンフンPDは『レ・ミゼラブル』のジャベール警監を考えてチョン・ジニョンをキャスティングしたと明らかにしました。 演技者の中で数少ないソウル大出身ですが、「学閥は演技に助けにはならないつまらない履歴」ぐらいに考えるそうです。かなり謙遜して礼儀正しい性格で撮影が始まるとまずはスタッフたちの名前を覚えることを始めるそうです。一緒に苦労して作品を作るのに、「ねえ」と呼ぶことができないじゃないかということでしょう。女性スタッフを対象とした秘密投票でチョン・ジニョンが大量票を得た秘訣(?)でもあります。
釜山大学校露語(ロシア語)文学課を出た彼はLG電子の海外営業部門でロシア市場のLCD TV販売を担当ました。以後大宇造船海洋に転職して企画調整室で勤務をしていたよくできた会社員でした。 しかし、心の片隅に俳優の夢を大事に暖めていたようです。2011年に35歳という若くない年齢でSBSで開催した「奇跡のオーディション」に参加し俳優の道を歩き始めました。 60本の映画に端役と助演として出演し、2016年に上映された映画『密偵』でソン・ガンホに頬を叩かれるシーンで有名になりました。以降、『犯罪都市』、『南漢山城』、『クン』などに相次いで出演し「名品助演」という修飾語を得ました。 アマチュアボクシング大会で優勝した後、48キロ級で代表に選ばれた経歴があるイ・シヨンは確かに独特な女優ですね。 同徳女子大の衣装デザイン学科を卒業したイ・シヨンは以降専攻を生かして生地工場で働きながら暇が出来るとオーディションを受けて回ります。後日、まったく会社を辞めて本格的に演技レッスンに没頭しましたが、女優になるのは容易ではないことでした。 オーディションにいつも落ちながら母親が運営しようとしていたサウナの売店を引き受けて商売を始めたそうです。売店の営業でかなりの収入をおさめた2008年、夢に描いたドラマキャスティングが実現しました。当時彼女の年齢が28歳だったため、女優としては少し遅い年齢ではありますね。 ソン・イルグクが主役を演じたKBSドラマ『風の王国』で王子の愛を受けるという理由でいじめを受ける侍女役を引き受け、以後KBSドラマ『花より男子』でオ・ミンジ(三条桜子)役で顔を知らせ始めました。2017年9月、9歳年上の外食事業家チョ・スンヨンさんと結婚して1月7日に可愛い男の子を出産しました。 |