Q.カンジャンケジャン(ワタリガニの醤油漬け)が牛ロースより高い理由は何ですか?

답변게시판
A.
見てるだけで唾をごくりと飲み込んでしまいませんか?

塩サバ、コチュチャムチ(唐辛子ツナ)、ナッチポックン(手長タコ炒め)、セウジャン(エビの醤油漬け)、オジンオポックム(イカの甘辛炒め)、チャンジョリム(牛肉の醤油煮)、エゴマの葉の醤油漬けなどご飯泥棒と呼ばれる食べ物が結構ありますが、カンジャンケジャンは他の食べ物とは比べものにならないほど優秀なご飯泥棒です。

カンジャンケジャンはかなり昔から韓半島で受け継がれてきた食べ物です。

19世紀初め、憑虚閣李氏が書いたという家庭の暮らしに関する本、『閨閤叢書』にもカンジャンケジャンを漬ける方法が出てきます。

壷に牛肉を入れた後、生きているカニを閉じ込めます。一夜が過ぎてカニが牛肉を食べてしまえば、その時初めて醤油を注いでカンジャンケジャンを漬けるというが味の秘訣として紹介されています。カニが異物を吐き出す下処理の過程を経る間、カニがやせるのを防ぐために牛肉を一週間食べさせながら管理する方法もあります。

ところで、カニは牛肉を食べるのでしょうか。

カニは食欲が旺盛だそうです。その上雑食です。魚、鶏肉、豚肉、牛肉、関係なくがつがつ食べます。釣り糸に鶏肉を一切れを縛って海に投げておけば、脚でチキンを掴んだまま、ずるずると引っ張っていくカニを見ることができます。それでカニを「海の清掃夫」と称したりもします。

カンジャンケジャンはカニが生きている時に漬けるというのが核心です。ごく少数ではありますが、動物を虐待するという非難もあったりします。

『サイエンス・タイムズ』に出てきた内容ではカニや、ザリガニなど甲殻類も人と同じように苦痛を感じるだけでなく苦痛を記憶するそうです。オーストラリアなど一部の国家では甲殻類を料理する時も苦痛を最小化する方法で調理しなければなりません。実際に、ロブスター料理を作りながらロブスターの苦痛を減らさなかったとして処罰を受けた事例もあるそうです。(カニを生きたまま醤油に漬けるので、後で壷を開けてみると醤油の中でもがいて脚が取れた痕跡を見ることもあります)

とにかくそれは他の国の話で、そういえばカンジャンケジャンの中でカニの苦痛を一瞬のうちに終わらせるのもあります。 全羅道(チョルラド)地方から伝わって来た「ポルトッケジャン」は生きているカニを切ってヤンニョムジャン(醤油ベースのタレ)に入れてカンジャンケジャンを作るのでカニが感じる苦痛の時間は短いでしょう。味が甘くて新鮮ですが、長く保存ができないため、二日以内に食べないといけない点が短所です。だから「ポルトッケジャン(すっくとケジャン)」という名前がついたようです。

カンジャンケジャンは本来、ズワイガニで作っていましたが、最近はワタリガニを利用するのが一般的です。 カニの種類の中でワタリガニは旨味と甘味が圧倒的に強いため、カンジャンケジャンの主原料として浮上しました。

カンジャンケジャンのレシピは、とても簡単です。

色々な材料を入れて煮込んだ醤油*に新鮮なカニを入れれば終わりです。その後、つばを飲み込んで待てばいいだけです。

* 普通は醤油に昆布だし、料理酒、焼酎、粒胡椒、シナモン、乾いた唐辛子、ショウガ、カンゾウを入れてグツグツ煮て作ります。

カニをきれいに洗う必要があります。醤油は熟成過程の途中で別に分離して何度もグツグツ煮た後、冷まして使わなければなりません。それでこそ醤油の濃度が高まりカニによく味が染みるようになり、カニの中にいる微生物と寄生虫を処理することができます。 (熟成期間中に醤油を別の入れ物に注いで再度煮た後、寝かせること を2~3回繰り返せということです。この過程をまともに行わなかったカンジャンケジャンを食べると食中毒、ひどい場合は、ビブリオ属菌敗血症にかかることがあります。ヤンニョムケジャン(ワタリガニの甘辛漬け)も醤油に漬けて殺虫、殺菌作業を経た後、ヤンニョムに和えた食べ物です)

レシピは簡単ですが手間もかかるし、時間もかかります。 食堂によって味も千差万別で、牛カルビより高くなければならない理由でもあります。 金秀米(キム・スミ)、チン・ミリョンなど数人の芸能人が自分の名前を掲げてカンジャンケジャン事業に飛び込んで事業をたたんだ理由も熟成過程をいちいち行うのは、かなり面倒くさかったからでしょう。

カンジャンケジャンの最高峰はカニの甲羅。カニの甲羅にご飯を入れた後ゴマ油を注いで混ぜて食べれば、考えただけでもよだれが出ます。卵をいっぱい抱えたカニならば錦上添花ですが、カニの卵がなければ鶏の卵でも似た効果を体験できます。

余談ですが詩人、安度眩(アン・ドヒョン)はカンジャンケジャンを素材に「染み込むこと」という詩を書いたりもしました。

ワタリガニが醤油の中に
半分ぐらい体を漬けてうつ伏せになる
背中に醤油がどばどばとかかる時
ワタリガニは腹の中の卵を抱こうと
うごめいてさらに低く
より底側にかがんだだろう
(以下省略)

詩を読むとカンジャンケジャンを食べる思いが頭の中から消えそうですが、安堵玄は詩を書いた後にもカンジャンケジャンをおいしく食べたそうです。

Tip 1:生臭くて渋い味をなくしたければ調理する時、少量のサイダーを入れればいいです。カンジャンケジャンを食べた後、漂う微妙な臭いは酢やレモン汁で洗えば除去されます。

Tip2:会社でカンジャンケジャンというニックネームがついた社員は旨味がある人ではありません。カンジャンケジャン=ご飯泥棒=月給だけもらう無能な社員という意味です。

Tip3:漢方医学では柿と一緒に食べると、お腹をこわすこともあると警告します。後に英祖(ヨンジョ)になった延礽君 (ヨニングン)が景宗(キョンジョン)を毒殺したといううわさの根拠です。

Tip4:雄ガニで作ったカンジャンケジャンの内蔵は男の精液の味がすると言いますが、実際に触感と化学成分は同じだそうです。
  • Lim, Chul
  • 入力 2018-12-06 00:00:00

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