Q.韓国料理ナッチポックム（タコの甘辛炒め）はスタミナ食？事実でしょうか?
| A. | 以前、牛がタコを食べる夢を見たと言って、夢合わせをお願いする会社の後輩がいました。 そばで聞いていた40代の部長が自分は夢合わせに才能があると堂々と自慢をしておいて、夢合わせした話が「君はこれから、苦労するってことさ！」でした。 このような夢合わせは、真夏の強い陽射しの下で休むこともできず畑を耕し、疲れて倒れる寸前の牛にタコを食べさせるという事実に基づいてます。仕事をして疲れたにも関わらず休ませることなく、救急処置をしながらずっと働かせようとするのです。そのような牛の運命に似たとすれば、これから苦労をするという意味は合っています。 いや、ところで草食動物である牛がタコを食べるのですか。 まあ、そのような疑問を抱いてもおかしくないでしょう。 ですが食べるそうです。いえ、人が無理矢理食べさせているのです。 だからといって、牛の口を開いて強制的に押込むのではなくタコを細かく切った後、干し草に混ぜて牛に食べさせます。牛は、しっかり噛んで食べるのではなく、適当に飲み込んだ後、第1胃に保存した後、反芻をくり返して消化します。こういう方法でタコを食べさせることができます。 タコがあまり捕れない場合は、蛇を捕まえて代用することもあるそうです。 蛇とタコは同じスタミナ食と言えるでしょう。 タコが疲労回復にいいということは韓国の代表的な実学者、茶山（タサン）丁若鏞（チョン・ヤギョン）の兄、丁若銓（チョン・ヤクチョン）が書いた『茲山魚譜（チャサンオボ）』にも出てきます。 「栄養不足で立ち上がれない牛にタコを三、四匹だけ食べさせれば簡単に立ち上がる」 実際にタコには、興奮剤や強壮剤効果があるタウリン成分が何と34%も入っています。脂肪含有量が少ないうえに、タンパク質とリン、ビタミンB2、からだの中の体脂肪を燃焼させるカプサイシン成分が含まれています。なのでタコ一匹が高麗人参一斤に次ぐという昔の言葉もあるほどです。(タコがスタミナを増やすだけでなく、皮膚の美容にもいいそうです) だから女性に性的魅力をアピールしたい未婚の男性は、昼食の度にタコ店を覗き込み、妻は夜が苦手な夫にタコを食べさせるようです。 タコを食べる方法は様々です。 小さいタコはゴマ油につけて、生のまま食べます。(ゴマ油をつけなければ吸盤が、のどについて離れないこともあるので気を付けましょう) タコとコプチャン（牛の小腸）を一緒に食べたり、プルコギと一緒に合わせた料理もあります。 最も代表的なタコ料理がナッチポックンです。 特に秋に捕ったタコは栄養状態が最もよくて秋の最高のスタミナ食と言われています。 やや辛いヤンニョム（韓国の合わせ調味料）に炒めたナッチポックンは、甘辛な味のおかげでご飯が自然と進み、カンジャンケジャン（ワタリガニの醤油漬け）と共に代表的なご飯泥棒と言われています。 ナッチポックンのレシピは、数えられないほど多いです。 お店ごとに「〇〇年伝統の秘法」を自慢したりもします。 一番、基本的なレシピを紹介します。 まず材料はタマネギ、赤唐辛子、長ネギ、青唐辛子、ニンジン、もちろんタコを忘れてはいけません。ヤンニョムを作る時に入れるのは、コチュジャン（唐辛子味噌）、唐辛子粉、醤油、みじん切りにしたニンニク、みじん切りにしたショウガ、砂糖、ゴマ塩、塩、胡椒、料理酒、ゴマ油です。 (この他に入れたいものがあれば追加してもいいです。ただし味に責任は取れません) 材料が準備できたので、そろそろ料理を始めてみましょう。 まずタコはタコ墨と内蔵を取り除いた後、小麦粉とあら塩をつけてこすります。(タコ特有の津液と臭みを除去するためです) 下処理をしたタコは沸騰したお湯に2~3分程度湯がいた後、一口の大きさに切ってゴマ油と生姜汁をかけて寝かせておきます。(湯がかないでそのまま炒める場合、タコから出た水分で汁が多くなります。ナッチポックンを作るつもりがタコの煮物になってしまいます) まず準備した野菜とヤンニョムの材料を混ぜて炒めます。 そして野菜がしんなりしてきたら、タコを入れて素早く炒めて終わりです。(長時間、炒めるとタコが縮んで、ヤンニョムもしっかり染み込まないため強火で素早く、軽く炒めるのが秘訣です) Tip1：オジンオポックン（イカの甘辛炒め）と料理過程が似ていますが、タコはイカとは違って大量に作るのは事実上不可能なため、お店でも人数に合わせて少量で料理をして売っています。ナッチポックンを食べた後、そうめんやうどんの麺や、ご飯を混ぜて食べます。 Tip2：釜山（プサン）でも慶南（キョンナム）地域のナッチポックンは他の地域とは、全然違いチョバンナッチと言います。チョバンナッチはぐつぐつ煮た後、ご飯と一緒に少しずつ混ぜて食べる料理です。ナッチポックンよりはタコのよせ鍋に近いです。 |
- Lim, Chul
- 入力 2018-12-11 00:00:00
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