A. | キムチチゲとキムチクッはとても似ているように見えました。 キムチクッの話をしようとすると昔のことを思い出します。 かなり大変な仕事をしっかりとやり遂げた部下たちが会社から賞をもらいたいと思っていました。ところが上の様子を伺うと金一封さえないようでした。 賢い社員たちなので会社の雰囲気を感知したのでしょう。 「それでもそのまま過ぎ去りはしないでしょう。きっと何かありますよ」 何と返事をしましょうか? 「おい、キムチチゲから飲むな」 「餅をくれる人は考えてもないのにキムチクッ*から飲む(意味:捕らぬ狸の皮算用)」という昔話を少し変えて笑わせようとしましたが、誰も笑いませんでした。余計な話をしたと後悔しましたが、すでに話してしまったことはどうにもなりません。 簡単に区別できますか。できないって?下の写真の方が材料がたくさん入っているように見えるだけで、別に違って見えないって? 見た目はあまり変わらなくても味は全然違います。キムチクッは淡泊ですがコクがありません。作り方も違います。 キムチクッは料理が苦手な一人暮らしの人でも簡単に作って食べることができます。 食べ残ったキムチに豆腐やもやしを入れて水を注いだ後、グツグツと煮れば完成です。干しメンタイで出し汁を作れば、「わあ、私も料理が上手ね!」という感嘆詞が勝手に出るほどおいしくなります。 キムチチゲはそんなに簡単には食べられません。まずチゲに入れる材料もキムチクッとは比較できないほどです。材料は準備すればいいとしても、もっと重要な違いがあります。キムチチゲはまずキムチを炒めた後に水を注いで煮込むという点です。炒める油によってもチゲの味に微妙な差が生じます。 キムチチゲはとても長い歴史を誇っています。キムチの歴史とほぼ同じだと考えてもいいでしょう。キムチがすっぱくなり食べにくくなった時や、キムチが足りなくて家族みんなで食べられない時に量を増やすためにキムチチゲを作って食べたので、キムチの歴史と同じと言えます。 キムチチゲに何を入れるかによって味に雲泥の差が出たりもします。豚肉、イワシ、ハム、マグロ、サンマ。マグロやサンマは缶詰に入ったツナ缶やサンマの缶詰を使う方がいいです。骨までまるごとバクバク噛んで食べられるだけでなく、キムチと相性が合っておいしいです。 豚肉やイワシで出し汁を出すのが普通ですが、 米のとき汁をベースに使ってもいいです。コンビニでごはんパックを買って食べる一人暮らしの人には該当しません。 最近は日本でもキムチ鍋が大人気です。家で韓国式のキムチチゲを作りたい方のために簡単にキムチチゲを作る方法を紹介します。(一人暮らしの人のためのレシピです) 1. キムチをゴマ油で軽く炒めます。キムチの汁があれば1カップぐらい入れます。 2. 焦げる直前に水を適当に注いで、みじん切りにしたニンニク小さじ1、粉唐辛子大さじ1を入れて、MSG(うま味調味料)も大さじ1入れます。(MSGが嫌いならばラーメンのスープでもいいです) 3. 長時間煮込みます。煮込みながら水が少ないと感じた場合はもう少し水を注ぎます。 4. 肉に味付けをしながら焼いて水と一緒に入れて、もうしばらく煮込みます。肉を焼く時に出てきた油も一緒に入れます。 5. 水が2/3くらいになった時に味付けをして食べます。 キムチチゲはすっぱいキムチの方がうま味が出ます。この点も食べ残ったキムチで簡単に作るキムチクッと違います。 とにかく食べてみればクッなのか、チゲなのか簡単に分かるのです。 だからこうような話が出来たようです。 「食べてこそ味が分かるでしょう」 ここで話すキムチクッは下の写真に出てくるトンチミ(大根の水キムチ)の汁です。餅やさつまいもなどたくさん食べると喉が詰まる物を食べる時に、トンチミを添えれば最高です。 TIP:オジンオクッ(イカのスープ)とオジンオチゲなど見た目も味も似た食べ物もたまにあります。 |