Q.「82年生まれ、キム・ジヨン」の男バージョンもあるそうですが、どんな内容ですか？
| A. | イ・サンユン教授の本業は作家ではありません。それに文学を専攻した人でもありません。二度の死の峠と二度の障害を克服して、障碍者として初めて教授になった立志伝的な人物です。 彼の専攻はロボットです。世界で初めて自己推進が可能な人体血管探査マイクロロボットを開発して、韓国のロボット技術を一段階上昇させたという賛辞を受けたりもしました。 作家イ・サンユンはこの小説を出す前に『82年生まれキム・ジヨン、そして74年生まれユ・シミン』という長編小説を出したこともあります。「ある日、私は犬豚だった」という言葉で圧縮される『74年生まれ、ユ・シミン』では、韓国の家長で40代の苦しい生活を描いています。昼間には中小企業の契約社員として、夜には代行運転をしながら必死でお金を貯めてチキン店を構えますが、店を運営することさえ難しく、人生逆転を狙ってビットコインに手を付けて大損し挫折する40代男性の話です。 2018年3月27日からファンディング業者のクラウドで始まったファンディングプロジェクトのフルネームは「男性差別時代の男性人権のための本、『90年生まれキム・ジフン』」です。イ・サンユン教授の小説とは題名に微妙な差があります。「82年生まれキム・ジヨン、そして」は後で付け加えられたようです。 ファンディングを始めたキム・スサンは「逆差別されて傷ついた90年代の男をなだめるために小説を準備した。フェミニズムを訴えているが、そうできない一部の女の二面性を調べるつもりだ」という趣旨を明らかにしました。42,000ウォン以上ファンディングした場合、本の税権と「フェミニズムストーン」を提供する予定であり、領収書を公開して残った金額は軍人処遇改善と保育園に寄付するという意思を表明したりもしました。 「フェミニズムは金になる」という世間の認識を考慮したようです。 『90年生まれ、キム・ジフン』はファンディングから順調ではありませんでした。本来はtumblbugで進める予定でしたが「社会的弱者である女性に対する暴力、嫌悪を助長する危険性のあるコンテンツが含まれている」という理由で拒否されたし、その他にも多くのファンディングサイトから拒絶されました。 ファンディングを始めた翌日の夕方、彼の個人情報が流出して塩酸テロを暗示するショッピングモールのリンクがメールで送られたりもしました。出版社を決めるのも、とても大変でした。それでもファンディングは当初の目標をはるかに上回る346%を達成しましたが、4月3日に突然取り消してしまいました。 中断された直接的な理由は女超勢力の攻撃ではなくて、後援団体でした。後援を受けた所の中の一つである「アンチフェミ協会」がフェミニズムの腐敗した実態を批判する団体として外見を隠していましたが、実際には太極旗デモに参加する団体なので、男超サイトからも攻撃を受けるなど世論が悪化したからです。 そうしてファンディングが中断された後、イ・サンユン教授が出した本が『82年生まれキム・ジヨン、そして90年生まれキム・ジフン』です。 本の内容を全部、紹介することはできませんが、出版社が紹介した程度はお伝えできます。 主人公の90年生まれキム・ジフンは幼いころから女の人生に憧れてきた人物です。姉のリップスティックを塗ったり、スカートをはいてみたりもしました。苦労しながら暮らすお父さんの姿を見ながら男の人生は女よりよくないという考えを消すことができませんでした。（キム・ジヨン、キム・ジフン。名前が似ていますね。もしかしたらキム・ジフンをキム・ジヨンの弟くらいに設定したのもしれません） 幼い頃から女に憧れていましたが、生物学的には男なので軍隊に行かなければなりませんでした。軍隊で出会った先輩から性的虐待を受けて彼はボロボロになります。精神病と痔などで軍隊の病院に移送され、そこで出会ったチョ牧師の案内を受けて救いの道へ進もうとします。 もしかしたら90年代の男の話ではなくて90年代の性的少数者の悔恨とも思える話です。 イ・サンユン教授が小説の題名にあえて「そして」を付けた理由があります。「しかし」ではなくて「そして」。この時代の弱者はみんな一日一日を偲ぶのが精いっぱいだったというメッセージです。男も、女も、性的少数者であろうと互いに支え合えばいいという作家の希望が「そして」に含まれています。 (90年生まれキム・ジフンのファンディングには隠れた話があります。これに対しては次の回に紹介します) |
- Lim, Chul
- 入力 2019-02-14 00:00:00
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