Q.韓国ではいつからスンデ(豚の腸詰め)を作り始めましたか。

답변게시판
A. KBSのバラエティ番組『美女たちのおしゃべり』の出演がきっかけでタレントになって活動している藤田小百合は、韓国に来た理由を尋ねた時「スンデが好きだから来た」と語りました。

韓国に来る前、アメリカのニューヨークで留学生活をしましたが、コリアタウンに行って食べたスンデに惚れたそうです。後ほどtvNの『現場トークショーTAXI』で「別れた彼氏が韓国人だったので腹いせに来た」と言葉を変えました。とにかく彼女の4次元的なイメージはこの頃から芽生えたようです。

何故かって?幼い子供はもちろん若い女性もスンデが好きな人はあまりいないからです。見るだけでも仰天するほど嫌がる人もいます。それでも切っておけば気持ち悪いイメージが減って一口味見するでしょう。屋台では、割り箸にスンデをアメリカンドッグ(corn dog)のように刺して、小麦粉の生地をつけて揚げた「スンデコチ」を「スンデバー」という名前で売ったりもします。ここにトッポギのタレを付ければ嫌いな人は、ほとんどいなくなります。

  • ドラマ『太陽を抱く月』の撮影現場で夜食にトッポギとスンデを食べている女優、ユン・スンアとハン・ガイン



鉄分の供給源であるスンデは、お店の人のこのような努力のおかげでトッポギ、天ぷら、ラーメンと共に韓国の代表的な間食メニューになりました。

スンデは食べてもスンデと一緒に出されるレバー、肺、心臓、耳には箸をつけないし、気持ち悪いと言って見向きもしない人もたくさんいます。スンデはおいしく食べますが、これを利用してクッパ(スープご飯)にしたスンデクッ(スンデのスープ)は、嫌がる人もいます。スンデが好きな人も大腸で作ったスンデは食べにくいそうです。悪臭を消すためにショウガを使いますが、ショウガを入れ過ぎるとショウガの臭いで頭が痛くなります。

確かに、これは少し気持ち悪いですね。

スンデは、豚の腸に緑豆もやし、ウゴジ(白菜の外葉)、もち米と豚の血を混ぜてテンジャン(韓国式味噌)で塩味をつけた材料を詰めて蒸した食べ物です。これはあくまでも辞書的な説明で実際の市場や屋台で売っているスンデ*は、もち米と春雨だけ入っています。1960年代初期、春雨工場で自然乾燥中に残った破片を処理する方法を考えた末、スンデの材料として使うというアイディアを出して作ったそうです。

スンデは、平安道(ピョンアンド)と咸鏡道(ハムギョンド)、言ってみれば現在の北朝鮮地域で親しまれていた食べ物でした。だからスンデの種類もコギスンデ(肉スンデ)**(平壌)、アバイスンデ (お父さんスンデ)***咸興(ハムフン)、ミョンテスンデ(スケトウダラスンデ)****(咸興)チェソスンデ(野菜スンデ)*****延辺(ヨンビョン)など、北の地方から由来したものが多いのです。

* 一番、一般的なスンデ。名称は、チャプサルスンデ(もち米スンデ)ですが、もち米は入っていなかったり、ほんの少しだけ使って春雨で中身を詰めたスンデです。

** 牛の腸に豚肉、もち米、牛の血、粟といろんな野菜を入れて作ります。 スンデのオリジナルバージョンです。

*** 大腸で作るので他のスンデに比べて大きいです。咸鏡道の猟師は熊を捉えた時、その場で内蔵をえぐり取った後、熊肉を詰めてコムスンデ(熊のスンデ)を作って食べたそうです。

**** スケトウダラの内蔵と卵を取り出した腹の中に野菜ともち米を混ぜて詰めた後、海の風によく乾かして蒸して食べる食べ物。アルパプ(トビコ入りご飯)と似たような味がするそうです。スケトウダラがよく捕れてた60年代~70年代にたくさん作って食べましたが、スケトウダラの漁獲量が減った現在はお土産用にも使われます。ミョンテスンデと似てる束草(ソクチョ)近辺に定着した北朝鮮から来た避難民は豚の腸の代わりに、その地域でよく捕れるイカに材料を詰めて食べるオジンオスンデを作りました。具材がこぼれやすい短所をカバーするために、最近は卵の溶き汁をつけて焼く食べ方が主流なのでオジンオスンデは海産物トングランテンに変わりました。

***** 豚の腸の代わりに野菜を使います。ナスやピーマンなどに牛の血を混ぜたもち米を入れて蒸した食べ物です。

韓国でいつからスンデを作り始めたのか、正確な記録はありません。19世紀初期に書かれた家庭書籍である閨閤叢書(ギュハプチョンソ)に牛の腸に肉と野菜を入れて蒸して食べる「牛の腸詰め蒸し」が収録されていて、19世紀の料理本である是議全書(シイジョンソ)にスンデの調理法が記述されているという点から推察すると、大陸から伝来した食べ物が朝鮮時代に韓半島に定着したと見られます。

スンデはとても貴重な食べ物でした。金持ちの家の宴会の日に出される料理でした。お肉が尊い時代だったので材料を準備するのも難しいし、内蔵を空けて具材を詰める過程が、すごく手間がかかるので普段はあまり目にしない物でした。

今も家で作りにくいのは変わりません。最小1メートル以上の腸を買わなければならないし、その中に入れる材料まで考えれば家族が3人~4人の家では想像もできないことです。スンデが食べたいなら家で料理する方法もあります。工場や市場で大量生産されたスンデを買って蒸して食べればいいのです。(蒸し鍋で低い温度で蒸さなければなりません。蒸す温度が高かったり茹でてしまうと腸が破裂する惨事になります)

スンデの種類に対しては上で簡単に説明をしましたが、忠南(チュンナム)、天安(チョナン)の郷土料理であるビョンチョンスンデ(野菜ともち米でだけで作ったスンデ)、忠南と全北(チョンブク)地域のピスンデ(もち米、肉、春雨の代わりに牛の血を中心に腸に具材を詰めたスンデ)、全羅南道(チョルラナムド)のアムポンスンデ(ギアラに牛の血と野菜を詰めたスンデ)などがあります。

最近は、幼い子供をターゲットにしたチーズスンデとピザスンデも登場しました。スンデにチーズを懸けた後、チーズが溶けるまで温めればチーズスンデが完成します。これにピザソースをかければ、ピザスンデが出来上がります。

余談ですが、昔アメリカに移民に行った韓国人がスンデを作る場面が奇怪に見えたのか、アメリカ人が警察に通報したことがあったそうです。どうなったかと言うと、当然何もありませんでした。アメリカ人が好んで食べるソーセージも詰める物が豚肉なだけで、スンデと同じです。(ソーセージを豚肉と思っているアメリカ人にソーセージを作る方法がスンデと同じだと教えれば、絶対に違うと首を横に振るでしょう)
  • Lim, Chul
  • 入力 2019-04-19 00:00:00

Copyright O2CNI All rights reserved.

目錄


      • facebook icon
      • twetter icon
      • RSSFeed icon
      • もっと! コリア