Q.韓国では、いつ子供の日が決まりましたか？
| A. | 韓国で会社に通う人々は、子供たちに感謝しなければなりません。家でわがままを言う子供たちを追いかけて片付けるのに必死になっている親も、子供が成長して結婚し家を出た余裕のある老夫婦も、休日には家に閉じこもってゲームでもしながら時間を無駄にする独身も、とにかく子供たちのおかげで3日間もゆっくり休むことができているからです。 子供たちではなく、ソパ（小波）、パン・ジョンファン（方定煥）先生に感謝するのが先かもしれません。
日本東洋大学児童美術科に通ったパン・ジョンファン先生は、子供たちがまともに保護されない現実に目を向けて同僚と共に「天道教少年会」を作って少年運動を広げ始めました。パン・ジョンファン先生が考える子供は「汚れていなくきれいで、純粋で、何も心配せずに飛び回る姿」でしたが、現実は想像とは全然、違いました。1920年代、韓半島の子供たちは「エセッキ（赤ん坊）」や「オリンゴッ（幼子）」と呼ばれていました。保護の対象ではなくて搾取の対象だったのです。 パン・ジョンファン先生は子供を人格を持っている一人の人間として接しなければならないという意味で「オリニ（子供）」と呼び始めました。オルン（어른、大人）+アイ（아이、子）の合成語であるこの言葉を初めて作った人がパン・ジョンファンです。 少年運動の団体は1922年4月、パン・ジョンファン先生の主導下で議論した結果、「新芽が芽生える」という意味で5月1日を子供の日（少年日）に定めて、天道教少年会で5月1日を子供の日として宣言しました。5月1日はメーデー（労働祭）であり、天道教記念日でした。世界で初めて子供の日が宣言されたのです。 5月1日に創立したセクトン会を中心に天道教の教会堂で初の子供の日の行事が開かれたし、記念式の後には、200人の少年が京城（キョンソン）市内を回って「子供の日の約束」というビラ12万枚を配布しました。 ビラに書かれたスローガンは「希望を生かして、明日を生かそう」でした。少年運動家が訴えたスローガンは「暴言を吐かずに、働かせるのをやめよう」でした。今、考えれば隔世の感を禁じ得ないスローガンです。 子供たちが、切実に望む希望事項10項目が書かれた宣伝文も配布されましたが、当時の子供たちの希望が何か分かりますか？ 適度に散髪をしたりお風呂に入れてください。時々、散歩と遠足に行かせてください。 おいしい食べ物を買ってほしいとか、きれいな服がほしいとか、おもちゃを買ってほしいという欲求ではなく殴らずに、適度にお風呂に入れてほしいということです。しかし素朴な要求も子供の日さえ過ぎれば忘れられてしまうのが現実でした。 5月1日がメーデーと重なったせいで1927年からは、もう少し多くの人々が行事に参加することができるように5月の第1日曜日に開くことになりました。 年が経つほど、行事の規模が大きくなり朝鮮総督府が1937年に少年団体を解散しろという命令が出たため、1939年から行事が中断されました。そうするうちに1946年、朝鮮建国準備委員会が子供の日を復活させました。この年の記念式は5月の第1日曜日は5月5日に開かれましたが、日が変わると不便なため、それを防ぐために曜日に関係なく5月5日を子供の日に定めようという意見が集まりました。これが韓国で5月5日が子供の日に決まった瞬間です。 朝鮮戦争後、1954年に開かれた子供の日には、イ・スンマン大統領夫婦が参加するなど、とても賑やかな国家行事にまで発展しました。今は撤去された東大門（トンデムン）のソウル運動場で子供たちが公演した超大型マスゲームが行われましたが、小学生5000人余りが厳しく叱られながら練習した合同体操を大統領と高官の前で披露して見せました。保護されなければならない子供たちが、目の保養に転落してしまったのです。 炎天下でマスゲームに動員された子供（左、朝鮮日報1956年5月6日付）と子供の日に迷子保護所で背中を丸くして寝る子供たち（東亜日報1963年5月6日付) これを見ていられなかった児童文学家のイ・ウォンスは、ある日刊紙に「(子供たちが)理解もできない祝辞講演を聞いて無意味な苦労をした」という寄稿文を書いたりもしました。少なくともこの一日だけは幸せに飛び回らなければならない子供の日が「児童侮辱の日」に変質しましたが、イ・スンマン政権の間は同じことが繰り返されました。 1960年代に入ってからは、子供たちが苦しむ姿が少し減りましたが、マスゲームに子供を動員する行事は1980年代まで消えませんでした。光栄な場に呼ばれることを誇りに思えと大人たちは子供たちを叱りました。 子供の日が公休日、簡単に言うと遊ぶ日になったのは1970年以後です。この年に「官公庁の公休日に関する規定」により子供の日が公休日と指定されたし、1973年には法廷記念日、1975年には法定公休日に変わりました。 子供の日の制定議論が起こった90数年前と比較すると、最近は一日一日が子供の日です。子供の日を理由に久しぶりに家族みんなで連休を楽しんだり、天気までいい季節なので山や川で遊んだりするのに持ってこいの日です。 そのため子供の日を曜日制に変えて連休を作ろうとする動きもありました。子供の日を月曜日にして土日月の三連休を作ったり、金土日の連休にしようという主張です。もう一つ言えば、子供の日を5月の第一金曜日にして、父母の日は次の週の月曜日にして、金土日月の四連休にしようという議論もありました。実際に国会で発議され法案として推進されたこともありますが、現在は振替休日で議論が水面下から完全に沈んだ状態です |
- Lim, Chul
- 入力 2019-05-05 00:00:00
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