Q.なぜ韓国の犬肉料理をポシンタン(補身湯)と言うのですか?

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A. 犬を表現する漢字はたくさんあります。
犬、戌、狗、獒、㺃….

戌は十二支を示す時に使われるので、家で一緒に暮らしたり町をうろつく犬は犬、または狗でしょう。

それでは、犬と狗はどのように違うのですか?
簡単です。 愛犬、軍犬、痲薬探知犬、牧羊犬、盲導犬、すべて自分の分野で役に立つ犬です。 このような犬を愛狗、牧羊狗と呼ぶならばものすごく失礼でしょう。理解できますか?犬はきれいで、愛らしくて、役に立つ犬、狗はそのような犬をうらやましい目で見つめる、身分の低い犬。犬も犬次第で天と地くらいの差があります。

韓国と中国、そして20世紀初期まで犬肉を食用として使ったというヨーロッパの国家も食卓に出したはの犬ではなくて狗だったはずです。勲章を受けた軍犬や牧羊犬、前が見えない人の道案内をしてくれた伴侶犬を食用と思えるわけがありません。最初から食用として育てた犬でした。

記録を見れば朝鮮時代、犬肉は平民が、よく食べていた肉でした。だからと言って平民だけが犬肉を食べたのではありません。聖君として称賛を受けた22代王の正祖(チョンジョ)も犬肉が好きでしたし、 王の健康を心配した領議政(ヨンイジョン)、キム・サンチョル(金尚喆)もこれに賛成したそうです。11代王の中宗(チュンジョン)の統治下で権力を享受したキム・アンロ(金安老)も犬肉がとても好きだったし、彼に犬肉を捧げて出生した人もいるそうです。

これを見ると庶民の専有物ではなかったようですが、やはり貴族よりは庶民のほうがたくさん食べたはずです。両班(ヤンバン)*は犬を連れて戦場にも行き、狩も一緒に行ったので両班が接する犬は狗よりは犬に近かったのでしょう。両班は犬じゃなくても牛や豚など他の食べ物が豊富だったからです。

* 高麗と朝鮮時代の支配階級。文班(文官)と武班(武官)を合わせた言葉。

犬肉は戦乱や日照りなど天災地変によって食べ物が貴重になった時、渡り者の犬はちょうどいい食糧でした。人間が飢えを凌ぐことも大変な状況で犬に食べさせる食べ物があるわけがありません。どうせ飢え死にするならば、来世には王子や王女に生まれろと祈って空腹を満たしたのかもしれません。 同じような脈絡でカトリック信者が犬肉をたくさん食べるそうですが、朝鮮時代の時に迫害を受けて隠れて暮らす時、栄養食として犬肉を食べたから**だそうです。

** 朝鮮の犬食文化が西洋に知らされたのもカトリックを通してです。フランスの宣教師クロード・シャルル・ダレ(Claude Charles Dallet)は、「朝鮮のカトリック教会史」に「豚と犬は途方もなく多いが、犬はかなり怖がりだから 精肉店の肉としてしか使わない。 犬肉は味がとてもおいしいそうだ」と記録しました。

犬は、極暑で体力が落ちた時に蛋白質を補充する源でした。農作業になくてはならない牛は初めから神聖不可侵の領域で、豚は宴会の日にでも捕まえる大切な動物でした。だから、丁度いいのが犬や鶏だったのです。鶏は毎日生んでくれる卵を食べるのもいいし、決心して捉えても一人がお腹いっぱいになる程度なので、多くの人々が何かを食べたがる時は町の犬一匹が命を失うことになるようです。

一番ありふれている肉。昔、犬はスープとして食べる代表的な動物でした。今日、よくポシンタンと呼ばれる料理の本来の名前はケジャンクク(犬肉のスープ)です。犬肉を嫌がる人々のために犬肉の代わりに牛肉を材料にしたのがユッケジャン(牛肉と野菜の辛口スープ)で、鶏肉を代わりに使えばタッケジャン(鶏肉のスープ)と呼ばれるのもスープの起源がケジャンクク(犬肉のスープ)であることを知ることができます。

ケジャンククという名前は、1988年のソウルオリンピックをきっかけに消えました。オリンピックの誘致を控えたソウル市が1984年にケジャンククを嫌悪食品に指定して販売を禁止して取り締まりを避けるためにポシンタン、栄養スープ、サチョルタンという名前で看板を変えてかけました。

ポシンタンはケジャンクク店が看板を取り替える前からあった言葉です。ある特定の材料を指し示すよりは「体にいいスープ」という意味で使われてました。もちろんケジャンククを示してもいませんでした。でもケジャンクク店はポシンタンに変身して、いつのまにか「ポシンタン=ケジャンクク」で通じるようになりました。

参考に北朝鮮では犬肉をタンコギ***, ポシンタンはタンコギタンと呼びます。

*** 筆者は何も知らない状態で犬肉を食べたことがあります。中国の北京へ旅行に行った時、北朝鮮の食堂で夕食を食べたことがありますが、おかずに出てきたチャンジョリム(肉の煮付け)がものすごくおいしいかったのです。味が淡泊だったので箸が進みました。翌日にチャンジョリムが牛肉ではなくて犬肉で作ったという事実を知ることになりました。
  • Lim, Chul
  • 入力 2019-06-19 00:00:00

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