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[FOCUS] 電子足輪の威力…韓国で性犯罪の再犯率88%減少


  • [FOCUS] 電子足輪の威力…韓国で性犯罪の再犯率88%減少
#Aさんは、2013年の春、飲酒した状態で近所の住民に性暴行を加え、法院(裁判所)から「電子足輪」装着3年の命令を受けた。150グラム程度の小さな装置だが、心理的な効果は大きかった。単に足首だけでなく、全身を締めつけられているように思えた。「この小さな装置を切断してしまおうか」と何度も考えたが、そのたびに担当の保護観察官が真心で愚痴を聞いてくれて、最終的には再犯することなく電子足輪をはずすことができた。

電子足輪は再犯の危険性が高い特定の犯罪者に装着して、24時間対象者の位置を把握して、保護観察官の監督を受け、犯罪を抑止するために使用される装置だ。電子足輪を装着した性暴行犯罪者や殺人犯10人のうち9人は「不法行為を避けるようになる」と言いながら、行動監視による不安を感じることが分かった。

韓国の法務部によると28日、韓国刑事政策研究院は昨年2月に電子足輪を装着した対象者410人を対象に、電子足輪装着後の行動パターンの変化と再犯抑止の動機についてアンケートした結果、対象者の60%以上は「電子足輪の着用により外出( 63.2%)と飲酒(63.7%)を控えるようになった」と答えた。 「過去の犯罪について反省する」や、「不法行為を避けるようになった」という回答もそれぞれ89.0%と81.4%を記録した。結果的に「自分の行動が監視されているという感じがする」との回答に79.4%が共感した。

「自ら再犯を抑止している理由は何か」という質問には「再犯時に逮捕されるという確信がある」という回答が72.0%を示した。「再犯を犯す付着対象者の位置や犯罪行為を保護観察所が迅速かつ正確に把握している」という回答率が90%を上回り、電子足輪装着による心理的抑制効果があることが確認された。実際に、韓国で導入から8年目を迎えた電子足輪付着制度は再犯率を下げることに大きな効果を発揮した。

電子足輪付着制度を本格的に施行した2009年を基点に、性暴行などの再犯率は実施前の8分の1の水準に低下した。電子足輪付着制度施行前の2004年から2008年間の性暴行犯罪者の再犯率は14.1%であったのに比べて、制度施行後の2009年から昨年までは1.7%にとどまり、なんと88%も再犯率が減少したという結果が出た。

年度別で調べても性暴行犯罪者の再犯率は、2011年に2.19%、2012年に2.4%、2013年に1.72%、2014年に2.03%、今年上半期の1.02%と2%台を維持したり、それより下の水準にとどまっていた。2008年9月に性的暴行犯を対象に開始され、2009年には未成年者誘拐犯、2010年に殺人犯・性暴行犯遡及適用、昨年6月に強盗犯などへ制度を拡大施行しながら、電子足輪付着の対象者は2008年の151人から昨年には2129人へと14倍へ急増したことを勘案すると、刮目に値する成果だ。

法務部の関係者は、「電子足輪を着用していても再犯を犯すことはできるが、位置が露出しているため逮捕されるという負担感が大きい」とし「電子足輪を切って犯行を犯しても、電子足輪を切る行為自体がまた別の処罰犯罪であるため、ここにさらなる犯罪予防効果が現れる」と述べた。キム・ヒョンウン法務部長官は、このような成果を確認するために、この日、電子足輪対象者の位置と電子装置の全体的な状態を24時間チェックして緊急事態を管理するソウル徽慶洞(フィギョンドン)にある位置追跡中央管制センターを訪問した。キム長官は、「電子足輪付着制度が凶悪犯罪を予防する実質的な手段となるようにする」と述べた。

法務部は、知能型電子足輪の導入も進めている。知能型電子足輪は、既存の位置情報からさらに進み、周辺情報や蓄積された過去の行動に基づいて犯罪の兆候を検出して対処することができる装置だ。
  • 毎日経済 キム・セウン記者 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2015-07-28 17:39:39




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