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[I ♥ 建築] モンダン鉛筆と麻浦大橋の欄干


  • [I ♥ 建築] モンダン鉛筆と麻浦大橋の欄干
モンダン鉛筆(短い鉛筆をボールペンと合体させて作った鉛筆)は美しい。シャープペンがなかった小学校低学年の時は、ペンケースに常にモンダン鉛筆があった。書いて書いて鉛筆が小学生の小さな手でも握りにくくなるほど短くなるほど、鉛筆の後ろを削って白色のモナミボールペンの筒に差込み、モンダン鉛筆を作って使った。捨てられる鉛筆と使い終わって使いようがなくなったボールペンの筒が合わさり、モンダン鉛筆という新しいハイブリッド鉛筆として復活する姿はかっこいい。モンダン鉛筆は勤倹節約精神、創造性をみせるからなのか、美しく感じられる。

短い鉛筆と同じような感じを与えるものはチョガクボ(韓国のパッチワークのようなもの)だ。チョガクボは、昔の大人たちが服を作っては、残りの布を一つ一つ縫製して合わせ、コラージュのように作った風呂敷だ。色とりどりのカラフルな形状が合わさり、調和のとれた一つの風呂敷に生まれ変わる姿は美しい。外国にもこれと似たキルトがある。チョガクボよりキルトは継ぎはぎではない美しい作品だ。モンダン鉛筆と同じようにチョガクボを見ると、作った人の素朴な心が見えるかのようで良い。

先日、渋滞した麻浦大橋を車に乗って渡る際に欄干を見た。麻浦大橋の欄干は継ぎはぎのようだった。麻浦大橋は、漢江で自殺する人が一番多い橋として有名だ。投身を防ぐために麻浦大橋の欄干は、他の橋に比べて高い。まず、麻浦大橋を建設する際に最初に作られた1.2メートルの高さの鉄製欄干がある。そして、その欄干上にはアクリル照明に「今日一日どうだった?」「ご飯は食べた?」のような暖かいフレーズが書かれたまた一つの施設物が欄干の高さを高めながらつけ加えられている。

この照明欄干は、主に中央部分に位置している。照明欄干のない橋の両側の入り口部には、既存の欄干の上に異なる材料で作られた欄干が加えられている。銀色の鉄製に白のアクリルにまた別の色の鉄製欄干まで、麻浦大橋の欄干は雑然としている。しかし、少し考えてみると、これは誰かが他人の命を大切に思って作った美しいデザインだということを感じることができる。

デザインは、装飾ではなく必然的な理由によって出てくる時に美しい。モンダン鉛筆、チョガクボ、麻浦大橋の欄干のようなものを見ると、美しいデザインは必然的な理由に先立って、美しい心から始まるということを知ることができる。
  • 毎日経済 ユ・ヒョンジュン弘益大学建築学科教授 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2017-03-17 15:48:08




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