トップ > コラム > オピニオン > [筆洞情談] 女史呼称インフレ

[筆洞情談] 女史呼称インフレ


  • [筆洞情談] 女史呼称インフレ
20日現在、大統領選挙出馬の意思を明らかにした人物が20人を超えた。シム・サンジョン正義党代表を除いた男性候補のほとんどに配偶者がいる。多くのメディアが大統領候補の夫人に「女史」呼称を付けている。

国語辞典が定義する女史の使い方は、△結婚した女性に敬意を込めた呼称△社会的に地位のある女性に対する呼称の2つに区分される。後者は、対象者がそんなに多くない。韓国初の女性弁護士、故イ・テヨン女史、一昨年他界した文化系女傑チョン・オクスク女史がまず思い浮かぶ名前だ。結婚した女性に敬意を込めて呼ぶ場合は、用例が非常に多様だ。既婚男性であれば、妻を「○○○女史」と呼んでみた経験があるだろう。主に雰囲気を良くする目的でそのように呼ぶ。近所住民の集まりのようなところでも「○○ママ」の代わりに「○女史様」と呼べば雰囲気が良くなる。

以前、女史呼称は万人が認める社会名士や大統領夫人くらいにのみ与えられた。近頃は用いる機会が増え、その価値が低下した。会長、社長と同じくらい女史も多い。しかし、マスコミや公式的な場で呼称することはまだ微妙な判断を要する。夫の社会的地位が高い場合に使うことは明らかだが、その地位というものが曖昧だ。財界を例にとると主要なグループ創業者の妻や、二世の妻の中でも年齢がある場合に限り女史の称号がつく。例えばチョン・ジュヨン現代グループ創業者の妻(故)ビョン・ジュンソク女史、サムスングループのイ・ゴンヒ会長の夫人ホン・ラヒ女史だ。とはいえ、何グループ以上や何歳以上などの基準があるわけではない。あくまで女史呼称を使ったとき、本人や聞く人が違和感を感じないことが重要である。一種の暗黙の了解(暗黙知)だ。

大統領候補だという理由で彼らの妻を一括して女史と呼ぶのは、呼称インフレの感じがする。

今回の大統領候補の中には50代の若い候補もおり、また、すべての候補が尊敬する人生を生きてきたわけでもない。ましてどのように生きてきたのか知ることができないその夫人を女史として敬意を込めるには、心の片隅で躊躇するだろう。参考までに紹介すると、米国では大統領夫人も正式には「ミセス(Mrs.)」だ。夫の地位に関係なく、すべての既婚女性をそのように呼ぶ。
  • 毎日経済_ノ・ウォンミョン 論説委員 | (C) mk.co.kr
  • 入力 2017-03-22 07:31:43




      • facebook icon
      • twetter icon
      • RSSFeed icon
      • もっと! コリア